今やマスクがニューノーマルになったコロナ時代ですが、アメリカでは、日本の古い着物がマスクとしてアップサイクルされて登場しました。

丸帯から作られた美しいマスク。同じモノは二つとない

アップサイクルとは、サスティナブル(持続可能)なものづくりの取り組み方で、リサイクル(再循環)とは異なり、元の製品よりも価値の高いモノを生み出すことを目的とする考え方のこと。

着物としては誰も着なくなった美しい布が、マスクとしてあらたに命を吹きこまれています。

 

「今できることを」とマスク生産を始めたVPLの花沢菊香さん

このプロジェクトを牽引するのが、ファッションブランド、VPLの社長である花沢菊香さん。

ファッションブランドVPLの社長、花沢菊香さん。ハーバード大学院卒

アメリカ疾病予防センターがマスク着用をうながしてから、VPLでも「今、自分たちができることを」とマスクの生産を開始したそう。

こちらが和マスクのコレクションです。

ビンテージの木綿着物から再生されたマスク。非常になじみやすい柄です

 

古い着物地を日本かアメリカに輸入しており、素材は、綿の浴衣地から、正絹、藍染め、麻などにおよび、柄も菊や井桁、絣、サクラや唐草といった日本の柄がいっぱい。
マスクは二重構造になっていて、フィルターを入れられるポケット付きです。

こちらは西陣織の絹の丸帯から作られたマスク。

西陣の丸帯からアップサイクルされたマスク

美しい!

まさに晴れ着のようなマスクです!

正絹の帯は、ほぼ100年前のビンテージだそう。大正時代に流行った丸帯ですが、重いために、現代では着る人がいないのが現状で、その生地を買いつけて、アメリカでマスクとしてアップサイクル。

マスクは土佐で作られた和紙のギフトパッケージングに入っています。

帯から作られたマスクは、土佐紙による特別なポーチに収納

まさにホリデーシーズンにふさわしい華やかさです。

また木綿のマスクのほうは実際につけてみると、生地が柔らかく、付け心地もよいです。合わせやすい柄も魅力的。

さまざまな柄と生地があるビンテージ和マスク

このマスクはVPLのサイトでは12月末まで販売されて、売上は非営利団体の「ファッションガールズ・フォー・ヒューマニティ」に寄付されます。

ビンテージの着物から再生された藍のマスク

 

ファッションでできる人道支援をしてきたファッションガールズ・フォー・ヒューマニティ

菊香さんは、東日本大震災後に、元バーニーズ・ニューヨークのウィメンズファッションディレクターである小倉ともこさんらと、非営利団体「ファッションガールズ・フォー・ジャーパン」(Fashion Girls for Japan)を設立。

NYデザイナーたちのサンプルセールを大々的に行って、多額の寄付金を東北被災地に送りました。

その後も「ファッションガールズ・フォー・ヒューマニティ」(Fashion Girls for Humanityとして、ネパールの震災やフィリピンの台風、あるいはハリケーン・サンディなどで、さまざまな慈善活動を行っています。

ファッションガールフォーヒューマニティを立ちあげた花沢菊香さん、多くの人道支援を行ってきている

 

そして今回のコロナ禍では、「ファッションガールズ・フォー・ヒューマニティ」は、医療用の防護服を作るという人道支援を行いました。

NYではPPE(医療用防護服)が足りないために、看護師たちがゴミ袋を防護服にするという悲惨な事態が起こったのですが、その時に、一般の人たちに防護服を作る型紙を提供して、ボランティアによってPPEを作ってもらい、医療機関に届けたのです。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

 

人気のスポーツブランド「アスレタ」でも発売

VPLの丸帯マスクは人気のスポーツブランド、アスレタ(Athleta)と提携して、同サイトでも販売。

49ドルです

こちらがアスレタのサイトです。

 

アスレタでは、12月1日から21年1月31日まで、VPLのマスクの販売をして、その売上を100%が、「ファッションガールズ・フォー・ヒューマニティ」に寄付されます。

アスレタのサイトにて販売

着物としては利用されなくなったけれども、生地として美しく、マスクとして新たに息を吹きこまれるという試み。

そしてマスクが売れた利益が、また防護服になって社会の役にたつという、良い循環です。

つぎはアメリカで、日本の着物マスクがトレンドになるかもしれませんね。