それほどスキャンダルいっぱいの私生活でもないのに、セクシーなイギリス俳優ジュード・ロウのプライバシーはいつも話題になってしまう。

ブロードウェイ『ハムレット』の主役で連日ニューヨークの舞台に立っている実力役者。
12月6日までの上演後、クリスマスには全米で大作映画『シャーロックホームズ』も封切られ、彼のワトソン博士役にも期待がかけられている。

ブロードウェイ『ハムレット』の主役で連日ニューヨークの舞台に立つジュード・ロウ。

仕事が順調で、プライベートな騒ぎもしばらく聞かないと安心していたら、
9月22日にジュード・ロウの4人目の子供が出産したと、またもやマスコミが大騒ぎを始めた。

母親は24歳の独身モデル、サマンサ・バーク。
本当にジュードが父親なのか検査で立証されるまで、彼はフロリダに住む母子に会いにいかない、と報道されている。

去年のクリスマスにNYのクラブで知り合ったサマンサとの仲はほんの束の間の情事。

そして、この女優志望の彼女は、少しばかりうさん臭い。サマンサは妊娠中に記者会見を開いている。
「 私たちのプライバシーを尊重して、この辛い時期の」
と、会見で訴えたのだが、そう願うなら、何故、彼女は報道陣を集めたのか。広報係を雇ったのか。
失恋、妊娠と、ホルモン乱れて仕方ない時期で、ジュードとの仲が続かなかったことに苦しんでいたのかもしれない。
それでもだ。
「私を見ないで」と言うために「私を見て」という行為にでる女性は、これからも黙っていないだろうと思っていたら、やはり!

サマンサは出産して間もなく、イギリスのタブロイド誌『Hello! Magazine』の表紙を「ジュード・ロウの娘」とのツーショットで飾ってしまった。

「まだジュードは娘に会ってないけれど、きっと良い父親になってくれるはず」
なんていうコメントも載せて、雑誌社から30万ドル(約3千万円)の大金を稼いだのだ。

10/28/09発売のイギリスのタブロイド誌の表紙に登場したサマンサと赤ちゃん Copyright: U.K.’s Hello! magazine

私はジュードがどれだけイギリスのタブロイド誌を嫌っているか、知っている。
そんな嫌う媒体に娘の写真を暴露したサマンサは、ますます彼に嫌われてしまうだろう、と気の毒に思う。

映画『スカイキャプテン・ワールド・オブ・トゥモロー』のキャスト群がニューヨークに集まって世界中の記者から取材を受けたときだ。
他のキャストに一緒にインタビューしていたイギリスの記者が、ジュード・ロウのインタビューのときだけ席を外さなきゃならなかった。
ジュードはイギリスの報道陣を閉め出していたのだ。
母国のパパラッチからゴシップを書きたてられ、うんざりしているようだった。

そしてその日、小人数グループによるジュードの囲み取材では、女優シエナ・ミラーとの恋仲に興味津々なヨーロッパの記者から私生活に関する質問が続いたらしい。
「映画について質問したい人は?」と、係員が聞くと沈黙になったという。
「これから囲み形式のインタビューは一切、受けない」
と捨てセリフを残して、ジュード・ロウは取材の途中で帰ってしまった。
私の友人は単独インタビューのドタキャンをくらった。

でも、ジュードは決して高飛車な人じゃない。
その日の朝だって、私がインタビューしたときは機嫌良く応じてくれていたのだ。
ジュードの素顔はいつも礼儀正しくて気さくで、なんでもまじめに答えてくれる紳士だ。
そんな彼を怒らせるとは、よっぽど失礼な態度をとったのだろうと、私は思う。

彼の警告通り、次の主演映画『アルフィー』では、彼の囲み形式のインタビューはナシ。
テレビ以外は、合同記者会見のみが開催された。直前になって会見には監督のチャールズ・シャイアが同席して開口一番、こう言った。
「質問は映画のことに関してだけ、ということになっているらしい。分かっているね」

ロバート・ダウニーJRとの共演作『シャーロック・ホームズ』のジュード・ロウ

ジュードがいくら嫌っても、ジュードにまつわりつきやすいゴシップ。
実力役者で、平和運動にも熱心な良い人なのに、ゴシップを聞いていると彼はじつに『アルフィー』で演じたプレイボーイだ、という印象を受けるかもしれない。
でも素顔の彼は、複数の女性と同時進行で付き合うタイプではなさそうなのだ。

「22歳で結婚して、30歳になる前に3人の子供をつくった僕だ。
それだけで僕の考えが分かるだろう」
と、ジュードは語った。
ちゃんとした態度で聞けば、私生活のことだって少しは喋ってくれる人なのだ。

彼は子持ちの5歳年上の共演女優サディ・フロストと97年に結婚し、2003年に離婚している。
いまでも3人の実子と連れ子の面倒を良くみている良い父親だ。

「僕が遊んだのは19歳くらいの頃。クラブに出かけては酔っぱらって女性をひっかけようとトライした。
でもそんなことをするのは、心底疲れるものなんだ。
そして結局、後には何も残らない。
それよりも真面目に交際をして試練のときを迎えてこそ、関係は良くなっていくものだと思う」

目の前で、そんなことを真面目に語ってくれたジュードが忘れられない。

Copyright: 2009 Yuka Azuma /あずまゆか