いま、ちょっと気になる役者。
昨晩、彼に再会した夢を見た。
ヒットラーみたいなヒゲ顔の彼にびっくりしながら声をかけた。
「サム、また会ったわね!」
嬉しそうに大声をだしたのに、彼はやあ、やあ、と立ち去ってしまった。
私の夢判断によると、 この夢は……。
サム・ロックウェルには役者としての顔がありすぎて、私にはどれが本物か分からないでいる、ということ。
カメレオンのように変身できる彼は、まぬけな男だったり、セクシーな男になったり、ロックスターのようになったり、すごいワルになったりするからね。
そして思うほど彼は私のことを覚えてないんだから “のぼせるな”という教訓メッセージ、ともよんだ。
そうか。無意識は賢い。
でもサムのことを思い出すと、やっぱり嬉しくなってしまう私なのだ。
ずる賢いクセものをやらせると、もう最高のサム・ロックウェル。
実物は、まったくスターの匂いなしの良い人。
彼に初めて会ったときの印象は「セクシーな目つきだな」だった。
2回目に会ったインタビューの際には、あくびされそうになった。
でも「結婚しているの?」「何歳?」と 聞いてきて、
「そんな歳に見えない!」と大声で叫ばれ、上から下まで見つめられた。
(そのときのレポートはこちら)
そしてその2年後、『銀河ヒッチハイク・ガイド』の合同記者会見で再会した。質問をすると
「あれ、君、見覚えがあるんだが……。ああ、以前、会ったね」
とサムは言った。
これは、珍しい。私を覚えていたなんて!!
取材相手に覚えられない、という特技を持つ私なのだ。何度会っても毎回新鮮。いつも「はじめまして」と、挨拶されてしまう私なのに。
この人、サムだけは覚えてくれていた。
まあ、何度も会ってからのことだけれど。

Copyright : Touchstone Pictures 『銀河ヒッチハイク・ガイド』で銀河の大統領を演じたサム・ロックウェルとモス・デフ
翌日のテレビ・インタビューで、またサムに会ったときには、
「ルックスがナイスだね」と、言ってくれた。
「ホットな赤、大好き」と、私の着ていたシャツを誉め、
「靴も見て。強烈だ!」と、下までチェック。
この人、女心わかってる。
ほめて、見てあげて、女性をきれいに感じさせてくれる男性。
こういう人はモテるんだよねー。ハンサムでなくても美女を連れ添うタイプ。
はああ。いいなあ。サムって。
実物の彼は自然な態度で、率直に話す。誰もが好感をもってしまう真面目さも素敵な彼。
そのうえ、インタビューが終わると
「君はラブリーだ。ありがとう」
と、何気なく、さらりと言える。
こんなこと普段、私は誰からも言われない。
だから気になっちゃうじゃない。また会ってみたくなるではないの。
ウフッ……。最近、仕事も楽しくなってきた。
©2005 Yuka Azuma