ヘアケア製品で有名なモロッカンオイルが「Inspired by Women」(女性たちにインスパイアされて)」というキャンペーンを開始した。
このキャンペーンの内容がおもしろい。社会貢献をしている女性たちが主役になっているのだ。
キャンペーンの顔を任じているのは、スーパーモデルのロージー・ハンティントン・ホワイトリー。
ロージーを案内役としながら、5人の女性たちの生き方をそれぞれ短編フィルムで描かれている。
制作に係わったのは、映像作家であるブライス・ダラス・ハワード。彼女は名監督ロン・ハワードの娘でもある。
登場する5人の女性たちはセレブでもなければ、モデルでもない。
けれども彼女たちの生き方は観る者をインスパイアしてくれるのだ。
まず第一弾で流されたクリッシー・ベックルスさんを紹介しよう。
幕開けはニューヨークのブルックリン。
そこに住むクリッシーさんはプロのボクサーだ。
7度も鼻を折り、数え切れないほど目にアザを作ってきたという。
見るからにタフだ。
そのいっぽうで、彼女はプエルトリコで虐待された捨て犬たちをレスキューする「The Sato Project」(サト・プロジェクト)」を立ちあげて活動している。
Satoというのは、プエルトリコの言葉で「雑犬」を指す。
じつはプエルトリコには250,000匹ものサトという野良犬がいるという社会問題があるのだ。
野良犬たちがホテル周辺に集まると、環境に有害だというので、犬たちは忌み嫌われ、島の南西部にある「デッド・ドッグ・ビーチ」(犬の死の海岸)」と呼ばれるビーチに捨てられる。
わたし自身もこの短編フィルムで初めてプエルトリコの野良犬問題を知ったのだが、Dead dog beachで検索すると、あまりにむごい画像が検索されるので、閲覧には注意して欲しい。
雑犬たちはただ捨てられるだけではなく、火をつけられたり、傷つけられたり、あるいはギャングによって銃の試し撃ちに使われたりと、悲惨な目に遇わされているという。
その虐待された犬たちを救おうと、クリッシーさんが立ちあげたのが The Sato Project だ。
スタッフたちは毎日ビーチに行って、犬たちに餌や薬や治療を与え、犬たちを保護する。そして保護した犬を去勢してから、里親たちを探して引き渡すという活動を行っている。
とクリッシーさんは語る。
今まで1000頭以上の犬を救って、新たな里親をつなげてきた。
犬たちはアメリカに輸送され、里親に引き渡される。
レスキューした犬たちにとって愛してくれる家族と家が見つかった時に、すべてが報われるという。
なにしろその生き様がカッコいい。
ボクサーとして闘い、賞金を稼ぎ、死んだ犬のために号泣し、犬たちを助け、里親に送り届ける。
「プエルトリコの犬たちが生きる闘いをしなくて済むように、わたしは闘うのです」
というクリッシーさん。
その姿は勇気を与えてくれ、観る者にとっても行動したくなる気持ちをかきたててくれる。
他にもこのキャンペーンでは、自分の夢を実現して、行動する4名の女性たちの短編フィルムが公開されている。
アートセラピーによってホームレスや若者を救う「HALO財団」を設立したレベッカ・ウェルシュ。
フルーツや野菜の鮮度を2〜4倍の期間保つ包装紙を開発した「Fenugreen」の創設者キャヴィタ・シュークラ。
再生可能エネルギーを生み出すサッカーボール「SOCCKET」を開発したジェシカ・マシューズ。
そして恵まれない少女に無料で服を提供する「Threads For Teens」というトレーラーブティックを設立したアリソン・オールストローム。
彼女たちが世界を変えるために行動している姿を観れば、きっと誰もがインスピレーションを受けるに違いない。
ぜひ多くの女性たちに観てもらいたいフィルムだ。
MOROCCANOIL INSPIRED クリッシーのビデオ(日本語)
CHRISSY BECKLES: INSPIRED Presented by Moroccanoil
MOROCCANOIL (U.S website)
http://www.moroccanoil.com/usa/countryselector
MOROCCANOIL (日本語サイト:日本語のビデオはこちらでも観られます)
http://www.moroccanoil.com/japan/countryselector
The Sato Projectのウェブサイト
http://www.thesatoproject.org/
Photos in this article : © Moroccanoil : Inspired
Featured Photo Copyright : © The Sato Project
Slideshow Photo Copyright : © REFINERY29
黒部エリのホームページはこちら ブログ「エリぞうのNY通信」はこちら
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