あの悲しみの日、東日本大震災から早くも2年。
3月10日(日本時間3月11日)、ニューヨーク市内の教会First Church of Christ, Scientistで、TOGETHER FOR 3.11追悼式典が開催されました。

TOGETHER FOR 311追悼式典が行われたFirst Church of Christ, Scientist
式典にはNY在住の日本人を中心に520名が参加。すべてがボランティアによって運営されました。

追悼式典で、電池式キャンドルを配るボランティアの少年
廣木総領事の式辞あわせて、参列者たちはキャンドルを手に犠牲者の方たちへの鎮魂を込めて黙とうを捧げました。
そしてまた「ニューヨークは忘れていません、これからも一緒に復興させていきましょう」という被災地へ寄りそう気持をこめて。

黙とうを捧げる参列者たち
今回は2001年の米同時多発テロで家族を失った遺族により設立された「平和の為の9.11遺族会」の代表、グロリア・ウィリアムズさんも式典に参加。
「愛する家族を失う悲しみを私たちも経験しました。支えあって乗りこえていきましょう」と被災地にメッセージを送りました。

9.11で家族を亡くしたグロリアさんが日本の被災地にむけてスピーチを
そして被災地からのビデオも上映。
岩手県遠野市「遠野まごころネット」臼澤良一さんや、石巻市「こまっちゃぐれタオル」のカーちゃんたち、福島郡山ペップ子育てネットワークの菊池信太郎医師たちが、被災地の今を伝えてくれ、会場のニューヨーカーたちは熱心に視聴。

被災地から送られたビデオに見入る参列者
「いつも見守っていてくれて、ありがとう」
と唄う福島相馬市みなと保育園の園児たちのけなげな姿を観て、思わず涙する参列者たちの姿も。

園児たちが唄うビデオメッセージに、涙を流す参列者たちも多数
昨年追悼式典で集められたメッセージ入りのポストカードは被災地に送られましたが、そのうちの一冊には「みなと保育園」のみなさんからお礼のメッセージが書き込まれてNYに戻ってきました。
主催Fellowship for Japanの代表であるAKさんは今までに何度も被災地の保育園や小学校を訪れて慈善コンサートをしていますが、その時に贈られた園児たちの絵がNYと被災地をつなぐ絆となりました。

被災地から戻ってきたアルバムを見せる司会のAKさん
会場では被災地で作られた「こまっちゃぐれタオル」や「まけないぞう」、そして福島の子供たちの絵による「えがおラッピングペーパー」などを販売。

販売テーブルでは被災地で作られたグッズや支援グッズが販売された
そうした販売売上げも含めて、追悼式典で集められた募金は、1万1000ドルにもなりました。
全額が被災地に寄付されます。
会場では参列者たちがポストカードにメッセージを書き込み、このポストカードもニューヨークから被災地へと送られます。

ポストカードに被災地へのメッセージを書き込む人々。 このカードは被災地に送られる
「ニューヨークは忘れません」という気持をこめた追悼式典。
寄りそう気持は距離の遠さとは関わりなく、いまなお困難のなかにある被災地のよりよい復興を心から願います。
Photos © Shino Yanagawa
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