ニューヨークで意外とないのが、おいしい紅茶の飲めるスポット。

驚いたことにNYで紅茶を頼むと、たんなるリプトンのティーバッグがついてくることも多くて、アメリカは圧倒的にコーヒーが強い紅茶後進国なのだ。

そんなNYで数少ない英国式アフタヌーンティーをサーブしてくれるのが、レディ・メンデルス(Lady Mendl’s)。

こちらはイン・アット・アーヴィングプレイスという小さなホテルのなかにあるティーサロン。

イン・アット・アーヴィングプレイスは「NYのとっておきの隠れ家」と賞される小さなホテルで、1834年に建てられた古い建物を改造しており、調度品もアンティーク家具で整えられている。

グラマシーパークに近いアーヴィングプレイスという小さな通りにあるが、よく注意しなければ看板も見逃してしまうほど、さりげない。

石段を上がって扉のなかに一歩入れば、そこはまさしく19世紀英国調のクラシックな空間。
ビクトリア調の調度品に囲まれた店内は、まるでオースティンが描いた「自負と偏見」や「エマ」の世界のよう。

ヴィクトリア調家具が設えられたレディ・メンデルスの店内は、
まるでオースティンの小説に出てくる舞台のよう。

レディ・メンデルスのアフタヌーンティーは完全予約制で、「予約の時間に遅れないこと」が条件という、なかなかキビしいルールがある。

席につくと、ウエイターが大きな陶磁器のポットからお茶を注いでくれ、美しく飾りつけたセッティングは、まさしくレディのお茶会にふさわしいもの。

マッシュルームの小さなパイから始まって、ティーサンドイッチ、スコーンにクリーム、ケーキ、クッキーと次から次へとお皿が出るわ、出るわ、まさに粉モノのオンパレード。

小ぶりのスコーンには正統派のクロテッドクリームとジャムが添えてある。
クロテッドクリームはデヴォンシャーで生まれたクリームで、
こってりとした味わいと堅さが特徴。

スコーンには英国調のこってりしたクロテッドクリームとジャムが添えてあって、ボリュームがある。

とにかく量があるので、ランチは食べないで行くこと。
それでもお茶を何杯もお代わりするうちに、お腹がぱんぱんになって苦しいほど。

イギリス貴族たちはこんなに食べていたのかとふしぎになるけれど、大英帝国の時代には、夜7~9時は音楽会や観劇などの社交にあてられていて、夜食が9時以降であったためにアフタヌーンティーを夕方の食事代わりにしていたそう。

さてこの優雅なアフタヌーンティーのお値段はというと、なんと45ドル!
びっくりのハイプライス!

東京であればホテルのアフタヌーンティーの料金としては驚かないけれど、ふつうのアメリカ人だったら、お茶にこれほど費やさないはず。

それだけに客層は観光客や熟年層、あるいはマダムのグループ、さらに圧倒的に多いのがベイビーやウエディングのシャワー(お祝い)の席。

特別な日にお勧めしたい優雅なスポット。
マンハッタンで英国クラシックの世界を味わってみるのは、いかがでしょう。

Lady Mendl’s
Inn at Irving Place

56 Irving Place New York, NY 10003
(212) 533-4466
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営業時間:月曜~金曜 3:00~6:30pm 土曜日曜 12:00~6:30pm