スポーツ ネイティブ英語

USオープンテニスのその後:結果としては日本人も英語をもっと頑張ろう、と言う話

いろいろあった2018年の全米オープンテニスチャンピオンシップ。

いろいろあった2018年の全米オープンテニスチャンピオンシップ。

スポーツの秋に突入し、大坂なおみの全米初優勝の喜びと共に、テニスの伝統やスポーツのルール、そしてさらには男女差別など社会問題までに発展し、本当に様々なことを考えた。

その後、世間でもいろいろなことで議論が飛び交っていたし、ネットも炎上した。

テニスファンとしては、いきなり盛り上がる日本の大坂なおみの「フィーバー」ぶりになんだかやや引くものがあり見ていて疲れた、というのもあったかも。

私たちよりも前からずっと大坂なおみを応援していたファンもいると思うが、少なくとも私の周りのテニス仲間の友人たちは、2016年の東レパンパシフィックオープンテニストーナメントで彼女がWTAツアーで初の決勝進出を果たして準優勝したあたりから着実に注目していた。

大坂なおみが

「なおみちゃんと呼んでね」

と言う前から、もうすでに

「私たちは、前からなおみちゃんって呼んでたよねーっ!」

と、自分たちのなおみちゃんを取られた気分にもなっていた。w

日本の報道とアメリカの報道の温度差にもちゅうちょしたし、大坂なおみのアイデンティティー問題についても、色々と思うことはあった。

テニスファンとして、まず言わせてもらいたいことは、大坂なおみが日本国籍だろうがアメリカ国籍だろうが(法的には今はまだ二重国籍だろうけど)、英語を喋ろうと日本語を喋ろうと、全く関係ない、と言うこと。

大坂なおみが日本人かどうか?などと議論しているのは、テニスをしない人たちなのではないかと思う。

これからの時代を背負うテニスの「Next Gen (ネクストジェン)」の一人としてテニスファンは、ずっと注目してきた訳で、国籍問わず女子選手の中でも久しぶりに見せる圧倒的な強さがこれから期待できる若手プレイヤーだった。

しかもその選手が日本にゆかりが深い選手だったのだから、嬉しくないはずがない。

大坂のアイデンティティーを疑問視していたら、男子テニスプレイヤーのダニエル太郎やベン・マクラクランどうなる?

と言う感じだ。w

私の子どもたちもいわゆるアメリカと日本の「ミックス」で、その辺の部分では、意見を求められたら私の中でははっきりとしたことが言えるのだけれど、正直、大坂なおみを日本人として認めるとか認めないとか、そう言う「個人的なこと」は考えたこともなかったので、そのことで大騒ぎをしていた日本の社会にも驚いた次第だ。

お母さんが日本人である、そして日本にも住んでいたことがある、と言う事実だけでも十分だし、日本で育った私にはやはり他の選手よりも身近に感じる存在だ。

だから実際に応援していた。

そして、私的にはニューヨークに住んでいたこともある、しかもその場所は結構当時私たちが住んでいた所にも近かったので、子どもが同じぐらいの年齢であることからも、絶対にどこかの公園とかですれ違っていたかもしれない、と思ってワクワクしていたのだ。w

今までの大坂なおみだったら、あまり日本語は話さなかったのに、このところは日本語も積極的に話しているところを見ると、やはり「日本人」として日本にいる時ぐらいは、日本語を話すようにと注意されたのかもしれない。

「郷にいれば郷に従え」と言うことで、アイデンティティーに関係なく、その土地の言葉を自由にこなせることは生活する人にとってはとても大切でありベネフィットになることはわかりきっている。

そして、大坂が22歳になった時にたとえアメリカ国籍を取ったとしても(そして、きっとアメリカ国籍を取るような気もするのだけれど)、スキルとしても日本語をこれからしっかりと勉強してきちんと話せるようになっていたら、それは彼女にとっても間違いなく有利であると思う。

なおみちゃんには、テニスとか国籍とか、日本のメディア向けでは会見上ウケがいいとか、そう言うこととは全く別に、親心で

「日本語はもう少し勉強した方がいいよ」

とも前から思っていたことも事実だ。

しかし、今回、大坂なおみフィーバーの渦中、日本のメディアと大坂のやり取りをたくさん見たが、日本語がイマイチわからない彼女とのコミュニケーションがうまく取れていない、と言うことが浮き彫りになっていたのが非常に残念だった。

でも、それは大坂なおみが日本語ができないのが理由ではなく、日本側のコミュニケーション能力の乏しさが悲しいとさえ思えたからだ。

日本帰国後にどこかの記者が

「なおみさん、全米オープンに優勝して以来、日本での大坂選手のなおみフィーバーは続いていますが、それについてどう思いますか?」

みたいな質問をしていたが、大坂は

「フィーバー?私は熱はないけど?」

と、額に手を当ててチェックしていたのが面白かった。

大坂が本当に意味を勘違いしたのか、ウケ狙いだったのかはわからないが、言語によるミスコミュニケーションはこう言うところから生じるのだと、両方の立場がわかる海外在住者としては苦笑するしかない。

大坂なおみとのインタビューを見ていると、英語の通訳にも問題がある場合もあって、英語の通訳の仕事も大変だなと思ったりもした。

帰国記者会見で質問されていた「アイデンティティー」に関する質問については、明らかに「英語訳」の問題だ。

この記者が聞きたかったことが正しく英訳されずに間違った英訳から一人歩きしてネット上でも炎上してしまったのだから、この記者としては腑に落ちないはずだ。

実際にこの質問をした記者が本来自分が聞きたかったことを釈明するかのように下のタイトルで記事を書いている。

大坂なおみ選手の記者会見で、私が本当に聞きたかったこと

この記者も記事中で言ってるように、

「もっと具体的で分かりやすい質問をするか、直接英語で聞くべきだったと、反省しています」

と言う部分が全てを物語っているような気がした。

大坂が日本語でしっかりと質問の意味を理解できたらよかったのかもしれないが、それができないわけだから、通訳に頼るしかないわけだけれど、その通訳がしっかりと英訳してくれない場合は、そういう通訳を雇った側の責任になる。

記事中で記者は英語ができるようなことも読者に推測させる文章を提示しているので、本人としては、日本語でインタビューしてしまったことを反省し、そんなことなら自分でしっかりと英語で説明すればよかった、ということになったのだと思う。

大坂とのインタビューが英語だったらそのニュースや動画だって英語圏の観覧者へも広がる訳で、メディア会社としても都合がいいに決まっている。

インターネットの時代では、ビジネスをする場合でもマーケットを英語と日本語の言語だけで比べてもざっと10対1の比率になるのだ。

日本人による英語で書かれた国際的参考文献としての論文などがもっと多く出回ると、今後日本人が世界のリーダーとしても活躍できる場も増えるのではないか、とも思う。

大坂なおみが日本人のくせに日本語ができないのはおかしい、と言ってる場合ではなくて、今の時代に英語でコミュニケーションができないのはまずい、と日本人が、自分たちの認識を改めた方が、この先日本人にとっても断然都合がいいことが増えるのではないか?

同じくテニス選手である姉のまりとダブルスのチームを組む時は、姉のまりのことを妹のなおみは「Hey you!」と呼ぶ、と姉妹二人揃った記者会見で言っていた。

妹のシャイな大坂がそう言うと、すかさず姉は、

「それって、日本語だと「オマエ」ですよね!」

と、笑いを取っていた。

残念ながら、姉のまりは、東レの試合では一回戦で敗退したが、彼女の言葉は、ユーモア溢れる微笑ましいものである一方、一々自分たちの言葉に訳さないといけない日本の社会への軽い風刺とも取れたコメントで、なかなか鋭いな、と思った次第だ。

「Hey you」を「オマエ」と訳すかどうかは、また議論の余地はあるだろうが、大坂が発した「I am sorry…」という訳についてもどのように訳すかでもめていたことも「オリジナル」の言語で理解できるようになって欲しい、と思ってしまう。

全米オープンテニスの表彰式では、言葉を通り越えた部分で全世界の人が感じたことは、多分一致していたはずだ。

日本政府は、これから東京オリンピックへ向けて、外国人を快く迎えるための英語教育に力を入れるのだとしたら、喋る力も勿論大切だけれど、日本語に訳さないでも英語をそのまま理解できる能力を身につける訓練をするべきだと思う。

質問文でも英語の「イエス」が日本語では「いいえ」となったり「ノー」が「はい」となったりするのがややこしく面倒なのは、無理に日本語に訳そうとするからだ。

英語は本当に極めてシンプルな言語であるわけで、勉強したいと思う日本人にとって、難しいわけがない。

もしかしたら日本人に必要なのは、英語学習ではなくて大坂なおみがコーチのサーシャ・バイインに受けたというメンタルトレーニングなのかもしれない、と思った。

上山仁子その他のサイトHP子育てブログノースカロライナ&その近郊情報集
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