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ジェネZが社会を変える?銃規制を求める「マーチ・フォー・アワー・ライブズ」

3月24日に、ワシントンDCを始めとするアメリカ各地で行われたのが、銃規制を求める「マーチ・フォー・アワー・ライブズ」(我々の命のための行進)。

3月24日に、ワシントンDCを始めとするアメリカ各地で行われたのが、銃規制を求める「マーチ・フォー・アワー・ライブズ」(我々の命のための行進)

NYでは、セントラルパークのアッパーウエスト側から始まって6番街を下っていくという行進でした。
NYでは15万人が参加し、世界各地で800にもなるマーチが行われたそう。

このマーチに参加したので、実際どうだったのかをレポートしましょう。

ことの発端は2月14日、フロリダ州パークランドにあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で銃乱射事件が発生して、17名もの犠牲者を出したという痛ましい事件。

この事件後に友人を失った高校生たちが銃規制強化のために立ち上がり、その活動が全米のティーンズに大きく広まっていきました。

今までもさんざん痛ましい銃乱射事件があったけれども、今回は実際に「銃乱射に巻きこまれる危険性が一番高い学生たち自身」が立ちあがったところが特徴です。

パークランドのサバイバーであり、銃規制を訴える5人は「タイム誌」の表紙にもなりました。

今回のデモは見たこともないほどの大規模さ。
ちょうどストロベリーフィールド付近がスタート地点であり、親友ジョンを銃で亡くしたポール・マッカートニーも参加したそう。

どんな意見があったのかプラカードを見ていきましょう。

「私の学校、私のコミュニティ、私のハート 対 あなたの銃」
どちらが大切なの? と問いかけています。
こんな小さな子に、そう問いかけさせる社会ってなんなんだ、という気がしますね。

「銃弾ではなく、本を」
これも英語で語呂がよいので、多く使われていたスローガン。

「実際のところ、銃が人を殺す」
全米ライフル協会のスローガン「銃が人を殺すのではない、人が人を殺すのだ」という言葉を否定したもの。

「全米ライフル協会は、どんな命も気にしていない」

そして今回のデモで目立っていたのが、アイコンともなっているパークランド銃乱射事件のサバイバー、エマ・ゴンザレスデヴィッド・ホッグ

こちらは「エマ・ゴンザレスを2036年の大統領に」というプラカード。
気が早いのか、長いのか(笑)
彼女はその丸坊主の頭といい、ずば抜けた存在感がある女性ですね。

エマ・ゴンザレスはスピーチで、

“To every politician who is taking donations from the NRA, shame on you.”
「全米ライフル協会から寄付を受けた全ての政治家たちよ、恥を知れ」

といい放ち

銃乱射事件が起こるたびに「銃規制は銃によるバイオレンスを防げない、悪いヤツが銃を持ったのを防げるのが銃を持った善き者なのだ」といってきた銃擁護派の大人たちに、

“We call BS”
「そんなのは、でたらめだ」

と喝破したことで、「We Call BS」はハッシュタグとなる言葉に。
(注:BSはブルシットの略で、でたらめやウソっぱちの意味)

そしてまたデヴィッド・ホッグが語った

“When politicians send their thoughts and prayers with no action, we say ‘no more’”
「政治家が何も行動しないまま、追悼や祈りの言葉を送ってくるのは、もういらない」

というスピーチも有名になりました。

こちらはデヴィッド・ホッグトランプ大統領を並べて、デヴィッドのほうを「この男のほうを信頼する」といっているプラカード。

左のプラカードで、札束を握りしめて「オレが勝ち組〜」といっているのは、全米ライフル協会のラビエール会長ですね。
「公共の敵ナンバーワン」「こいつを収監しろ」とこきおろしています。

「私は生徒たちを銃ではなくて知識で武装させる」
教師の方なんでしょうね、ごもっともです。

今回のデモで目立ったのが、若者の参加が多いこと。

たとえば「ウィメンズ・マーチ」では中高年層と、子供連れのファミリーが多かったのですが、今回はめずらしくティーンズの姿が目立っていました。

「我々こそ、変革の世代だ」
たくましく、頼もしい!

その左奥は「2018年に既に49人の銃乱射の犠牲者が出ている、もうたくさん」

親に連れて来られている子どもではなくて、ティーンズが自主的に参加している、政治に関わろうとしているのは、かなり「今までとは違う」感があります。

日本のように銃規制が徹底された社会から来ると、銃が氾濫していることじたいが異常に感じるものですが、アメリカでは銃規制を「個人の自由を侵すこと」という考えは根強いもの。

アメリカでの銃乱射事件で多く使われたのが、アサルトライフル銃「AR-15」。
アメリカ軍で使用されているM-16自動小銃の民間向けセミオート専用型です。

個人的には、こんな軍隊レベルの殺傷武器を持っている人って、なにかこう「ウォーキングデッド」とか「ワールド・ウォーZ」みたいな戦いがあると想定しているんだろうか、とふしぎで仕方ないほど。

ただライフルや銃を持つことじたいは、アメリカではおかしいことではなく、銃規制派が唱えているのも、銃所有を禁止するものではなく、セミオートをオートマティックに改造しないようにするとか、アサルト銃を買う人のバックグランドをチェックするといった、当たり前といえば当たり前すぎる規制なのです。

それでも合衆国憲法修正第2条に反するという銃賛成派も多くいます。
これが「人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない」という憲法に反するという理由から。

そのために前述のエマ・ゴンザレスデヴィッド・ホッグは、銃賛成派からネットで叩かれ、炎上して、バッシングに合っています。

エマがキューバ系移民であることから「共産主義者だ」という不当な非難を受け、エマが合衆国憲法を破り捨てているフェイク画像がインターネットに流されて、バイラルになったほど。

銃を持たないのが、共産主義者なのか? じゃあ、日本は共産国なのか?
という認識のズレに驚くばかりですが、アメリカの銃賛成派にはこういう考え方も少なくないわけです。

十代で激しいバッシングを受けるのは、どんなにきついかと思いますが、マーチのラリーでスピーチをした学生アクティビストたちはみんな堂々としたもの。

このあたり、さすが子供の頃から意見をいう教育を受けているティーンズたちだと感心せざるを得ません。

ちなみに4月3日には、YouTube本社でハンドガンを発砲したナシム・アフダム容疑者が3人を負傷させ、自殺した事件もありました。

アフダム容疑者が女性であり、イラン移民であり、ビーガンであり、動物愛護者であり、ユーチューバーだったという今までの銃事件をくつがえすプロフィールに衝撃が走りましたが、これがハンドガンでなければさらに犠牲者が増えたのは紛れもない事実。

ジェネレーションZ
と呼ばれる今の10代が選挙権を持つことができるようになるのはもうすぐであり、彼らが台頭してきた時にどうなるか。

ジェネZは生まれた時からデジタルに囲まれたデジタル・ネイティブであり、SNSを駆使する世代だからこそ、これだけ短期間に全米にムーブメントが広がったといえます。

今後の選挙で、銃規制に対してどういう立ち位置を持つか、政治家にとっても票に直結する問題になるのは間違いありません。

黒部エリのホームページはこちら
ブログ「エリぞうのNY通信」はこちら
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書くことが生きること。NY在住のマルチなクリエイティブティブライターです。もと少女小説家で、日本の女性ファッション誌や男性誌にトレンド情報を書き、さらにブックライター、コピーライター、エッセイ、小説まで幅広く書いています。たったひとつの特技が、書くこと。不得意なことは山ほどあり(汗)

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