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時代が変わり世代交代を感じる時:それでも抵抗する人生100年時代に生きる私たち

3月11日。
東北大震災が勃発した日。
東京では東京オリンピックの開催準備が盛り上がる中、全国的にはそれでもやはりオリンピックへの反対の声も多いと聞いている。

3月11日。
東北大震災が勃発した日。

東京では東京オリンピックの開催準備が盛り上がる中、全国的にはそれでもやはりオリンピックへの反対の声も多いと聞いている。

そんな中、先月行われた平昌オリンピックでは、東北出身の羽生結弦選手が金メダルを取ったりと、特に被災地の人たちには限りない勇気と感動を与えてくれたと思う。

私も、アメリカという遠方から自分にできることを微力ながらも続けること。
そして、ここでも告知があったニューヨークでの復興支援「TOGETHER FOR 311東日本大震災追悼式典」が掲げているようにこの日に起こったことをいつまでも忘れないこと。

この2つをこれからも心に刻み行動していきたいと思った次第だ。

そんな時に、今日、私のFBのフィードに、こんな記事が出ていた。

モデル兼俳優の伊勢谷祐介が率いる
「リーバースプロジェクト」のキャンペーン。
おぉー、やっぱりかっこいい❤️
あ、でも「中絶反対」という意味だったら
このTシャツ、男性(特に伊勢谷友介)には
絶対に着てほしくない!
とフェミニストとしての私は叫んでいる。
しかし、懐かしいな、このTシャツ。

80年代当時は「Helvetica」のフォントで大きくデザインされたタイポが圧倒的にかっこよかったこのTシャツシリーズ。

そして、何と言ってもワムのジョージ・マイケルがコンサートやミュージックヴィデオで着ていたこともあり、とても影響力のあったTシャツだった。

はい。勿論、私もキャサリン・ハムネットは大好きだったし、このTシャツシリーズは「Choose Life」だけでなく、何枚も持っていた。

若っ。ハワイでテニス❤ 青春そのもの。

反核や平和運動スローガンをプリントした理由は、人気ファッションデザイナーであるだけでなく、社会派活動家としてのハムネットが、当時のイギリス首相で「鉄の女」と呼ばれていたマーガレット・サッチャーの政治に抵抗するためだったと記憶している。

それがとっても挑発的でかっこよかった。

まだまだ政治的発言を放つ著名人は少なく、そのような時代背景だったので、あのTシャツを着ることは、とても意味があったのだ。

ただ、この「Choose Life」のメッセージについては、Tシャツにデザインされた「Choose Life」の意味は、決して「中絶反対」を意味するものではなかったということ。

これは、私自身も最近知った。

彼女のメッセージは、当時イギリスでは深刻な社会問題となったいた景気低迷や失業率の増加と共にロンドン中心として広がったパンク・ムーブメントにおける、ヘロインなどのドラッグ中毒で命を自ら絶ってしまう若者へ「生きることを選択しろ」と言うものだったのだそうだ。

彼女曰く「仏教に基づく救世メッセージである」とのこと。

ジョージ・マイケルがこのTシャツを着ていたのも、そういうティーン中心の若者たちを救う為だったのだ!

えぇ〜?
知らなかった。

ジョージ、ごめんなさい!

中絶反対を意味するものだと思って「信じられない!」と、勝手に彼に腹を立てていた時もあるのだが、ジョージ・マイケルファンの中には私と似たような経験をした人もいるようで

「私もあのTシャツを着ているジョージを見て、ファンをやめた!」

と言っていた友人もいる。

改めて彼の写真を見ると、あのTシャツが全然違って見えてくる(苦笑)。

ハムネットのインタビューの中でも、彼女の意思とは裏腹に、Tシャツメッセージが一人歩きしてしまって「大きな誤解を生じた」と言っているのを読んだことがある。

私が東京でこの「Choose Life」を着ていた時には、全然意味はわかっていなかったが、ニューヨークでは

「そのTシャツいいね!」

と、知らない人から褒められることがあった。

そして友人のニューヨーカーたちからは

「そのTシャツ、着ない方がいいと思う」

と忠告された。

彼らが個人的にそのメッセージを受け入れられないということも当然あったと思うが、むしろ

「ニューヨークには過激なリベラル派も多いので、危険な目に遇ってしまうかもしれないから、危ないよ」

という意味だった。

今、思い起こすと、当時、ニューヨークで褒めてくれた人たちは、全員男性だったので、きっと保守的な人たちだったのだろう。

過激な人に攻撃されずにラッキーだった。

つまり、どう考えても、この言い回しは、英語圏の人たちにとっては政治的意味がバリバリの「人工中絶反対」ということでしかない。

それを「仏教から来る命の尊さ云々」で説明されても、英語として言葉の持つ本来の意味は覆されないわけで、少なくともアメリカにいる私たちには、Tシャツの背中側に能書きで説明でもしない限りわかり得ないだろうと思う。

私が今日、このFBのフィードで感じたのは、どこまで伊勢谷友介のファンを含む日本の人たちがこのTシャツの背景を理解しているか?ということだ。

そもそも、キャサリン・ハムネットって誰?というところから始まると思う。

「現在のロンドンカルチャーシーンの一端を担っているスタイリストのHariss ElliottとミュージシャンのRemi Kabakaがキュレーションした「PROPA TEE」。そして、社会や環境の課題に真摯に向き合い、持続可能な方法で提案と実行をしていく「REBIRTH PROJECT」。」

とあるので、伊勢谷友介がFBの投稿に書いているように「今日のロンドン・カルチャーを感じられるため」のプロジェクトであり音楽やファッション性の追求であるならば、それはそれでもいいのかもしれない。

私はイギリスのモッズやパンクが大好きでそれに関するカルチャーに一時期ハマっていた。

そこから成長したUKロックが全盛期を迎える時代に育った世代でもあるのだが、伊勢谷祐介が言うところのロンドンカルチャーとはどういうものなのか、とても興味がある。

伊勢谷友介は才能のあるアーティストでもあるし、この「リーバースプロジェクト」というのは、とても素晴らしいものだと思う。

ロンドンカルチャーとオーガニックコットン100%で「サステイナブル」という社会的テーマに迫り、一部の収益金を寄付する形で東北と繫がる仕組みになっているらしい。

エシカルファッションが、大手のファッションビジネスを危ぶむ中、そのコンセプトは理解できるのだけれど それが若い世代の人たちにどのように伝わるのか。

国際的に活躍するファッションデザイナーと組んで英語のメッセージを含めるのであれば、その背景にある様々なグローバルに広がるコンセンサスは、ファッション性だけでなく、しっかりと日本人にもわかってもらいたいな、というのが私の考えだが、どうなのだろう?

「Choose Life」という繊細で政治的意味のスローガンをビジュアルに掲げているので、なんだか見ている方はかなり混乱した。

いろいろ説教くさいかもね。
若モノ(← 長男とか)からは、けむたがられるかな 💦

ここで私がイギリスの現在の風潮としてまず思いついたことは、ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットンが書いた「ライフシフト」の本の中で謳われている「人生100年時代」の到来であり、今年93歳になるのにまだまだ現役で公務を全うするエリザベス女王の生き方とそれを敬う国民の姿勢だった。

「人生100年時代」とは、日本でも安倍首相が彼女の本から借りてきた思想だと思う。

昨年は政府の方針として「人生100年時代構築」を提案したらしいので、日本でも馴染みがあるはずだ(https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/jinsei100.html)。

イギリス人のグラットン女史がこれからの社会のあり方として、高齢者がもっと活躍する場が与えられるべきであると提案しているように、キャサリン・ハムネットのカムバックは、まさにその一例としてロールモデルとなるべく新しい時代を反映した出来事だったと思えてならない。

それが果たしてロンドン発のメッセージとなるのかどうかはわからないが、少なくとも英語圏では、意外にも彼女のデザインのかっこよさやメッセージの強烈さはそれほど話題にならず、むしろ、スポットライトに当たっていたのは本来ならば裏方で表に出て来ないはずのデザイナー本人であり、70歳という年齢とたまたま女性だったということで、そこに話題の焦点が集まっていたような気がする。

キャサリン・ハムネットを80年代にリアルタイムで着ていた私たちの年代にも、これからどのように生きるのか?という部分で、その辺は痛切に迫るテーマであるだけに、彼女のカムバックは、まだまだ人生頑張れるよと、その生き様は個人的には勇気付けられる以外の何モノでもなかったわけだ。

正に人生100年時代の生き延びの術をキャサリン・ハムネットの復帰から学んだようだった。

当時のロンドンカルチャーは音楽含め反社会的だったし、ファッションとしてもとてもかっこよかったと思う。

そして、その時の日本は、バブル経済に突入したイケイケモードが高まる中で、怖いものなしの肉食系の人たち(← 私たち)が多かったな、と振り返る。

そんな時に流行ったTシャツだった。

それが現社会では、どのように映し出されるのだろう?

アメリカ市場では少なくとも値段が高すぎると批判の多いキャサリン・ハムネットのTシャツなんだけどね。

うーん、よくわからない。
私が感じることは、時代は変わった!

それに尽きる。

日本では天皇の生前退位が決定してよかったなと個人的には思うし、世代交代を受け入れるべき時が来ているのだけれど、人生100年時代になった今でも私たちは、まだまだ頑張らないと、と心のどこかではそう思っているに違いない。

ニューヨークでは、もうすぐ100歳になるファッションアイコンのアイリス・アプフェルの講演が大人気だと言うし、90歳近くても現役として活躍するスーパーモデルのカルメンは、日本でもブレイクしているようだ。

先月行われたスーパーボウルのTV中継で流れた「eTrade」のコマーシャルは「人生100年時代」をどう生きるか?という時に、高齢者向けに今までの古い考え方を打ち破るメッセージを前向きに送っていた。

様々な不安を抱えながらも、キャサリン・ハムネットが好きだった私たち世代は、人生についていろいろと深く考えている、ということだ。

そして戦っている。
マジで、社会を変えようと真っ向から突き進んでいるのよ、私たち。

現在、#MeToo タグによるセクハラ告発に関する社会的現象にしても、日本人の意識はまだまだ世界的レベルには追いついていないと痛感する。

先月は、同じくFBのフィードで出てきた小池都知事が提案する「結婚に向けた気運醸成のための動画」にも目が点になった。

確かにこの頃に生まれたであろう私たちの世代にとっては、この動画はどことなく懐かしくてほのぼのするものであるには変わりない。

政府としては「少子化対策」なのだとも思う。しかし「結婚」という単一の価値観を政府レベルでやってしまう日本は、かなり危ないと思わずにはいられない。

勿論、愛する人と一緒に観たいし、 観ると思う。

が、誰と 観たっていいじゃん!
余計なお世話だわっ。

と即座に反応してしまった。

世界では、結婚のみならず様々なライフステージにおいて多様化した人生観の承認が進んでいるというのに、時代を逆行しているようで怖いな、と思った。

話を「リーバースプロジェクト」に戻すと、 日本のことだし、日本人独特のセンスにとどまるのでもいいとは思うけれど、せっかくインターネットで世界が近くなってる時代だし、日本発メッセージとして、是非できるだけ多くの世界人口に響くものとして拡散してほしい、と思う。

アメリカは、人工中絶に賛成するかしないかで、大統領選びも大きく変わってくる国であり、アメリカの「Choose Life」というメッセージに対する反応は、またアメリカ独特のものなのかもしれない。

現副大統領マイク・ペンスは、昨年1月に首都ワシントンで、人工妊娠中絶に反対する人々による集会行進(マーチ)に出席していた。アメリカで、現役副大統領がこのような集会に参加した事実は過去になく初めてだったこともあり、賛否両論だった。トランプ政権誕生と共に、ソーシャルミディアは炎上した。

そういう時でもあったので、この「Choose Life」の再起用については、やはりニューヨーカーの友人が昔、私に忠告してくれたように、政治的立ち位置まで覚悟を決めない限りかなり危険が伴うものだと考えた方がいい。

大体昔は、リチャード・ギアロバート・レッドフォードがちょっと政治的発言をしただけでバッシングされる時代だった(リチャード・ギアはそれで干されてしまったし)。

それが今や、セレブの政治活動はもの凄い。

ソーシャルミディア上では、伝統的に御法度と言われている政治や宗教の話で一般庶民も隣人のタイムラインで炎上する世の中になっている。

そういう時に、音楽は勿論、ファッションやデザイン業界で政治について逆に触れることがない、というのは、時代に反するとも言えるし、ある意味とても日本的なのかもしれない。

伊勢谷友介率いるプロジェクトについては、話題性のあるメッセージを掲げることにより例え世界と温度差があったとしても、人々の意識を促すいわゆる「call-to-action」の役割を果たすことになるのだろう。

今後の「リーバースプロジェクト」の活躍に期待したいと思う。

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