ヒトコの小径

NCで参加した人種差別廃止活動イヴェントはめっちゃ楽しかった、の巻

今回のこのイヴェントはニューヨークタイムズでもベストセラーとなったグラフィックノベルである「March:Book One」をフィーチャーし、アメリカにおける人種解放運動の歴史や事実を広める、というのがテーマだ。

2014年10月。

私が働くカウンティーでは、ライブラリー主催で「Durham Reads Together」というイヴェントが一ヶ月にわたって行われることになった。

今回のこのイヴェントはニューヨークタイムズでもベストセラーとなったグラフィックノベルである「March:Book One」をフィーチャーし、アメリカにおける人種解放運動の歴史や事実を広める、というのがテーマだ。

10月4日は、そのイヴェントのキックオフで、みんなで街を「マーチ(行進)」しよう、ということになった。60年代にワシントンDCで大勢の人々がデモ行進をしたように。

規模は小さくてもこのようなイヴェントは、ノースカロライナ州などの小さな街では、大イヴェントとなった。

市長、カウンティーマネージャー、カウンティーコミッショナー、その他、もろもろの偉い人たちもマーチに参加するという。

なんだか凄いことになってきたな。

それもそのはず、マーチには、アトランタから、ジョージア州の下院議員で、このベストセラー「March:Book One」を生み出した著者でもあるジョン・ルイスとアンドリュー・エイディンという二人も参加するということ。

彼らは、イヴェントのゲストとして、わざわざアトランタとワシントンDCからやってくるのだ。

かなーり政治色の強いイヴェントとなりそうだ。

企画段階から参加させてもらった私は、興味深く、アメリカの人種差別の歴史に触れ、またいろいろなところで、アメリカという国について学んだような気がする。

アジア人としては、盛り上がっている人たちの中で、ちょっと横で様子を見ている、という感じでもあったけど。

そもそも、日本人の私のレベルでは、ジョン・ルイスって誰?という感じ。

みんなが、あまりの尊敬と緊張の面持ちで、彼の招待スケジュールや行進準備などをいろいろと計画していたので、思わずググると、

ジョン・ルイスアメリカの黒人解放に力を入れるジョージア州の政治家。英語で「The Great March on Washington」と呼ばれるアメリカ合衆国のワシントンD.C.で1963年8月28日に行われた人種差別撤廃を求めるデモで、その中心となっていた6人の黒人解放運動者の一人でもある。キング牧師が「I have a dream…」と語ったスピーチもこの集会でだった。The Big Six と呼ばれるこの6人のうち、現在でも生存する活動家は彼一人。」

とそのように出て来た。

ほぉ。なるほどね。

なんとも凄い人だったんだな。道理で盛り上がっているはず。

ちなみに、アンドリュー・エイディンとは、若い作家(白人)で、「March:Book One」の共同制作者。

この本がベストセラーになったこともあり、最近は、ルイスのスポークスマンとしても活動中。

実際の生活においては、私の目には、人種差別が今でも残っていると感じられることはないが、南部という土地柄もあり、いろいろなところで、黒人に対する人種差別が過去にはあったのだな、と思うことは結構ある。

それは、この土地では、黒人たちが未だに戦っている様が見受けられることがあるからだ。

街並にも、そういう歴史があらゆるところに残っている。

例えば、この土地において、黒人でも始めて「保険」に入れることになったというのが、ダウンタウンに存在する「The North Carolina Mutual Life Insurance Company」の創立者のおかげであり、その保険会社の自社ビルは、ダウンタウンのランドマークともなっている。

黒人が通える大学がはじめてできたのは、28代目アメリカ大統領でもあるウッドロー・ウィルソンの個人的貢献を得て「North Carolina Central University (NCCU)」が誕生した時であり、黒人でも図書館で本が借りられるようになったのは、「Stanford L. Warren Library」が地元の図書館のブランチとしてできたため。

驚くべきことであるが、「自由の国」であるアメリカにおいて、黒人が「平等」に生活できるようになったのは、実はつい最近の話なのである。

その辺の黒人の歴史については「Hayti District」で山ほど知ることができる。

土曜日の「マーチ」の当日。

たくさんの群集が集まった。

人々は、コングレスマン・ルイスと写真を撮ろうと、それはそれは必死に彼の周りで順番を待っている。

列にいた黒人の子どもがお父さんに

「どうしてこの人と一緒に写真を撮りたいの?」

と質問していたが、男の子のお父さんは

「息子よ。この人のおかげで、今の私たちはこうやって、生活することができるようになったんだよ。だから、この人と一緒にこうして写真を撮ることは、それはそれは黒人である我々にとっては、とっても意味があるものなのさ」

と言っていた。

hitoko102014_1

コングレスマン・ジョン・ルイスと一緒にマーチする私。

コングレスマン・ルイスは、偉い人みたいだし、どの写真を見ても、顔は怖そうなので、きっと頑固なオヤジに違いないと思っていたが、実際は、とっても優しくて気さくなおじいさんだった。

当日「カメラマン」として仕事をしていた特権を利用して、一緒に記念撮影させてもらった。

私がコングレスマンと記念写真を撮りたかったのは、先ほど列にいた黒人親子とはレベルがかなりかけ離れているが、遠いアメリカでもしっかりとお仕事頑張ってます、という姿を日本の家族に見せたいため。

お母さーん、頑張ってるからね。

アジア人の私にとっては、そのぐらいの意味でしかなかったのだけれども、後で考えれば考えるほど、人種差別廃止活動イヴェントの一部として、この場にルイス氏と一緒にいれたことは、やはりアメリカ社会の一員として、とても誇り高く思う。

「ルイスさん、アメリカの白人と黒人との間の人種差別に関するイヴェントとなると、アジア人としてはどうしたらいいのか、アメリカ社会から疎外されているようにも感じるのですが、その辺どう思いますか?」

という意地悪な私の質問にも彼は顔をほころばせて

「私たちの運動は、黒人とか白人とかに限って言ってるんじゃないんです。勿論アジア人も含めて全ての人種を対象にしていますよ。人間は、みんなが平等であるべきですからね。白とか黒とかじゃなく、レインボウなんですからね。」

と「レインボー・プッシュ連合」にも引っ掛けて熱心に答えてくれた。

hitoko102014_2

そして、しばらくは、手に手を取って行進。

イエーィ!We are the World~ ♫

私の右にいる背の高い白人男性は、アンドリュー・エイディン。

多分、このようなイヴェントで、アメリカではまだまだ歴史の浅い私たちアジア人の存在を、少なからずとも人種解放運動のリーダーにアピールできたことは、とてもいいことだと信じたい。

hitoko102014_3

ちょっとさっきの写真、逆光だったかな?ともう一度、ツーショット。

すいませ~ん。このせいで、行進を止めてしまいました(w)。

それにしても75歳のルイス氏は、行進する足取りも軽く、とても元気だった。

スタッフがいろいろと食事の計画などをしていたのにも関わらず「僕はやっぱりチキン&ワッフルが食べたいな!」と予定を変更して地元の「Dame’s Chichen and Waffles」へ2日連続で直行。

イヴェントコーディネーターはじめ、スタッフをハラハラさせたのでありました。

連ちゃんでこんな脂っこいものを食べても平気だなんて、スゴい。

あのエネルギーは、南部特有ソールフードである、チキン&ワッフルから来ていたのか?

しかし、久しぶりによく歩いた1日だった。

とても気持ちのいい秋の空。

アメリカの自由を求めて、みんなで断固として力強く行進した事実とその瞬間を、私はカメラにとらえたのだ。

hitoko102014_4

で、やっぱりセルフィーも撮らなくちゃね。

お天気も最高だったしマーチはめちゃくちゃ楽しかったなぁ〜(w)。

行進する群集の先頭に立つアジア人の私。そう考えると尚更気持ちがいいな(って違うかっ)。

(裏話1)
ジューイッシュホリディ(Yom Kippur)にあたる日にこういうイベントを企画するとは、やはりユダヤ人が少ない南部ならではだなと思ったり。後でそれに気が付いた主催者側は、いきなり「お詫び」のプレスリリースを発行する始末。なんだかねー(苦笑)。

(裏話2)
人種解放=自由平等を唱えるイヴェントで、主賓(ゲスト)・主催者側(スタッフ)・一般招待客・一般市民などのカテゴリー別に、駐車場の場所や、イヴェント時の席など、なんで、そんな細かいことまで、いろいろとコントロールしなくてはいけないのかな?と実はやや皮肉的に感じてしまった。

当時、バスの中でどこに座るか?と人種で決められていたのと、同じレベルじゃないの?と思ったのは私だけでしょうか?

そういうカテゴリー別サインを製作するのも私の役目だったため、面倒だな、とあまりの忙しさにキレそうになってしまった(苦笑)。

勿論、混雑&混乱を避けるためなのではあるけれど、そんなもん、勝手に自分たちで好きにさせればいいのにな。

(裏話3)
このような政治的イヴェントとなると、地元の権威者がたくさん登場するのだけれど、そういう時に必ず出て来るのが「フラタニティー&ソロリティー」系パーティー大好き慈善事業クラブの存在。彼らはヴォランティア活動など含めコミュニティー繫栄への忠誠意識が強く、いろいろと協力してくれる。しかもメンバー同士のネットワーク(結束)は凄いので、人集めにも便利だったりする。

今回は、ジョン・ルイスが、元アメリカ大統領のクリントン氏も名誉会員となっているフラタニティーで「Phi Beta Sigma」のメンバーでもあることから、地元のそのようなクラブ関係の人たちがざわざわしていた。

しかし、アメリカを理解するのに知っておくととても役立つものだと思うけれど、このような団体はどう考えても排他的要素を持っている「Exclusive We」を唱える団体であるわけで、私的には好きじゃない(「Phi Beta Sigma」はそれでもなんとか「Inclusive We」の方向へ来ているようなので、好感は持てるけど)。

世の中に平等を訴える一方、誰もが入れるわけじゃない「クラブ」が多々存在するアメリカ社会はやっぱり矛盾しているな、と今回もこのイヴェントの企画をしている時に、このようなネットワークの人たちと接触することにより、つくづくそのように確認した。

勿論、人々の平等化が進むと、自分達は特別です、と上から目線の特別階級者が反対方向へ行きたがる、ということはある意味、極めて自然ではあるのだけれど。

個人レベルでは、みんなとってもいい人たちだし、知り合いにクラブ関係者がいるととても心強い。でも、やっぱりそれは、フェアじゃないなと思う。

このようなことを考えると、ルイス本人も言っていたが、アメリカに本当の自由が来るのは、まだまだ遠い先のように思えるわけだ。

上山仁子その他のサイト・HP子育てブログ
Advertisements

ニューヨーク在住15年を経て2007年12月よりノースカロライナ州へ生活の拠点を移したグラフィックデザイナー兼ライター。英語学習・ティーン向け・女性のためのコーチングも行っている。

0 comments on “NCで参加した人種差別廃止活動イヴェントはめっちゃ楽しかった、の巻

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

%d bloggers like this: