ヒトコの小径

松井選手とダーラムブルズ:幻の2週間

噂は、4月の末、日本人の間でも 「そう言えば、松井選手、レイズとマイナー契約するらしい」 と広まっていた。

噂は、4月の末、日本人の間でも

「そう言えば、松井選手、レイズとマイナー契約するらしい」

と広まっていた。

ふーん。

と思っていたら、レイズのマイナーチームって、「ダーラムブルズ」じゃない?
と気がついた。

「ダーラムブルズ」とは、私の住む家の隣り街を本拠地とする、マイナーリーグの野球チームなのだ。

えぇ?
いきなりこんなところに松井が来ちゃうの?
と、かなり私もびっくりした。

実際に5月の始めに「レイズとの契約」についての会見が行われた時には、なんだかこの辺でもスゴい話題になっていたわけだ。

そもそも、普通「マイナーリーグ」の契約では、「会見」なんて、行われないとのこと。

それが松井選手の場合は、いきなり日本から、軽く50組の報道人やら何やらが集まり、会見会場(フロリダ州タンパ)には日本語で書かれた法律事務所の広告やらが並んだわけだ。

やっぱりメジャー級選手となったら、「$$$」の臭いがプンプンするわけで(笑)。

そして、当然のように、次の日の日本の新聞には、「松井がノースキャロライナのダーラムにある… 」とそれはそれはどの新聞を見ても書かれていたわけで、インターネットでいろいろなニュースを見ては、私も興奮した。

すっご!

何がスゴいって、こんなNCの田舎町の名前が、日本のメジャーな媒体に「プリント」されている、ということ(笑)。

日本でダーラムの知名度が上がるチャンスではないか。

ということで、ダーラム職員としてはこんな日の目を見る機会も余りないと思うので、一応ディレクターにその旨を報告。

「カクカクシカジカ。
今、毎日のように、ノースカロライナ州ダーラム市という名前が、日本の新聞に登場していますよ。私たちにとっては、なんともラッキーなことですよね!
いいプロモーションとなっているはずです」

みたいな。

すると、なんと次の日には、球団のオーナー会社の偉い人から電話があった。

こういうのって、なんだか「狭い田舎(というか、マイナーリーグっていうか)」の特権だなと思える。
だって、NYでは知り合いにそういう話をしても、いきなりニューヨークヤンキースの球団から私に電話があるなんて、あり得ない。

偉い人(ちなみに仮名をケヴィンとする)曰く

「松井がこんなに人気があったとは、びっくりです」

ということ。

私:「いやあ、松井がダーラムに来るなんて、私もびっくりです。何てったって、松井は、日本のスターですから。私たち日本人にとっても、スゴく嬉しいです!!」

ケヴィン:「そうだったんだあ。じゃあ、松井とその日本人ファンのためにも、何かグッズを作ろうと思っています、手伝ってくれますか?」

私:「勿論ですよ!!」

ということで、何故かそこから私の「松井プロジェクト」が始まったのだった。

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ダーラムが拠点のローカル新聞社「ヘラルドサン」の松井選手の記事。
松井選手がダーラムに到着する数日前に掲載されていた、松井選手の紹介的記事。

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松井選手が「ブルズ」に入団して最初の試合の記事。
「松井の到着は、球団に国際的注目が集まった」という見出し。
やはりNCでも松井選手は、人気者だ。

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松井選手がどのぐらいスゴいか細かく書いてある記事。
やはり「元メジャーはスゴいな」という凄さを球団側も実感している、
と言う感じのことが読み取れる。

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5月16日の週は、対戦相手チーム「レッドフォックス」の方でも、
メジャー選手がダーラムへ来た、というスゴいことが重なった。
Kevin Youkilis と松坂大輔選手は、リハビリ中でマイナーリーグで
調整していたのだそうだ。

この辺に住む日本人の殆どが、その週の木曜日には「松井対松坂」の試合へ行く
という現象が起きた(笑)。

アメリカ人でも、野球ファンは、ダーラムでこんなメジャー選手たちが集まる
「ドリームゲーム」が見られるなんて!とかなり興奮気味。

普段は静かなダーラムが、熱い熱気で包まれた、というわけだ(笑)。

私も子どもを連れての「初」の野球観戦を体験した。

実は、NYでもヤンキースの試合なんて見たことがない。

だって、メジャーはチケット取るのも大変だと聞いていたし、大体子連れで野球なんて、見に行きたいと思ったこともなかったわけで(汗)。

しかし、いきなり地元の松井フィーバーと共に盛り上がっていた私は、球団側にもすっかり「松井ファン」だと思われ、Tシャツ制作のお手伝いをしたこともあり、なんと「スイート」での野球観戦にもご招待された(ラッキー!)。

(こういうことも、ヤンキース相手では、考えられない、笑)。

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松井選手にサインをお願いしている瞬間。

日本語で話しかけなさいね、と言ってあったのに、恥ずかしがって英語で話したらしい。
(もうっ!日本語だったら喜ばれたのにね、笑)

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野球場のスイート初体験。

暑い夏の日は、やはりエアコンの効いている部屋で、
美味しい食事とワインとビール(ジュースも勿論)食べ放題&飲み放題、というのがいい。
テレビもあるし、バルコニーにも出れる。
子どもたちは、玉突きにも夢中になっていた。

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やはりこんな舞台裏を見せてもらえるのも、マイナーリーグならでは。

この部屋の向かい側には、松井選手用に設けられた
「プレスコンフェレンス」の部屋があった。
マイナーリーグの選手としては特例だそうだが、
彼は毎回試合後に、記者会見を行っていたそうだ。

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大勢の選手のサインも貰うことができたて、本当に大満足だったね!

私たちが見た試合は5月25日(金)。

延長10回逆転で、ブルズが勝つというとっても素晴らしい試合だった。

そして、その試合の次の日から、松井選手は、マイナーリーグならではの「バス移動」の過酷な「ロード」に出たわけだ。

球団側からは、「もしかしたらもうここへは帰って来ないかもしれない」とは聞いていた。

応援する身としては、勿論、メジャーに昇格することは嬉しいが、ここへ戻ってきて欲しいような、何とも複雑な気持ちだった。

松井選手のメジャー昇進が決定したのは、その数日後、5月28日だった。
やはり思った通り。

29日付けの新聞では、既に「レイズ」のユニフォームを来ている松井選手の写真が載っていた。

背番号は「35」。

やはり彼は、メジャーに行きたかったんだなあ、と改めて思った。

松井選手が「ダーラムブルズ」にいたのは、ほんの2週間。

幻の2週間だった。

嵐の様にここに来て、その嵐と共に姿を消してしまった松井選手。

ダーラムにいた2週間のことを彼はどう思っているのだろう?

ずっと覚えていてくれるかな?

アメリカには、こういう場所もあるということを。

本当に短い間だったけど、松井選手には、夢を与えてくれてありがとう、と伝えたい。

そして、これからは、再びメジャーリーグでの活躍を期待している。

上山仁子その他のサイト・HP子育てブログ
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