セレブの小部屋 ビューティー

ヴィダル・サスーン、日本へのメッセージ

「自分の内には多くの可能性がつまっている。 それを若い人たちに伝えたいと思い、自伝を書いた。 自分が思っている以上に、内に秘める力は大きいのだから」

「自分の内には多くの可能性がつまっている。
それを若い人たちに伝えたいと思い、自伝を書いた。
自分が思っている以上に、内に秘める力は大きいのだから」

”美容の神様”と呼ばれるヴィダル・サスーンは語った。

「ぼく自身、それを分かっていなかった。
ぼくが認識したのは、多くのハードワークによって、つまり長時間を労働に注ぐことで、だれでも状況を変化させられる、ということ。
変化が必要だと認識すれば、変革を起こせるのです」

彼は階級意識が根強く残るイギリスで、下層クラスのアクセントの英語を話す貧しい少年だった。
クイーンズ・イングリッシュの発音を勉強した。多くの時間を労働に費やした。

そして自らの人生を切り開いて、とんでもない成功を手にする。
彼の自伝本を翻訳した私は、ヴィダル・サスーンの不屈の精神、そして変革を夢見て前進してきた男に、感動した。

1928年、ロンドン生まれ。
父親に去られ、母親は貧困のために家を追い出され、ヴィダルは孤児院で少年時代を過ごす。
14才で学校を後にして、兵士として戦い、いつも家族のために働いた。

「もし、大学で建築を学べていたら‥‥」と、彼は思いをめぐらす。
彼は建築に最大の興味を持ち、情熱を抱いている。

「学校に行くお金に恵まれていたら、ぼくは建築家になっていただろう」

ヴィダルは特別、ヘアに興味があったわけではなかったのだ。

ところが、ヘア業界に変革を起こすことが可能だと悟った瞬間、ヘアに没頭する。
多くの時間を労働に注ぎ込み、“スウィングするヘア”で、セットスタイルのヘア業界に彼が夢見た通り、革命を起こしたのだ。

彼の目は、ヘアの中に、建築を見いだした。
構築的なジオメトリックなヘアスタイルは60年代のスウインギング・ロンドンのカルチャーの1つとなり、ヴィダル・サスーンは一躍、世界の著名人となった。

自宅で日本版「ヴィダル・サスーン自伝」を手にするヴィダル・サスーン

ヴィダルは日本の建築家、安藤忠雄のファンでもある。
じつは今年3月下旬、ヴィダルからの直々のリクエストで、直島に宿泊し安藤忠雄の美術館を訪問する予定をくんでいた。

自伝本のプロモートでヴィダル・サスーン来日が計画されていたのだ。
私もヴィダルの通訳として同伴する予定になっていた。

「あとは勝手にしてくれ、という態度でいたくない。
日本でこんなファビラスな本を出版するために骨を折ってくれた人たちがいる。だからこそ、ぼくもできる限り本のプロモートに協力したいと思うのです」

と、語ってくれた。

歌舞伎や相撲観戦も好きだ。「伝統を忘れずに、西洋のベストをとりいれていった日本は、古代のものと新しいものの混合がベストの形で集積された場所だ」と語るヴィダル。

84才。去年11月には転倒して、5本の助骨と肘を骨折して入院。それでも、3月までには快復して来日すると、言い続けてきた剛健な彼だ。
それが、突如、白血病が悪化して、日本旅行にドクターストップがかかってしまった。

来日イベント参加を楽しみにしていた日本の美容師たちのためにビデオメッセージを放つことを、化学療法中で免疫が低下している状況にもかかわらず、快く受け入れてくれたヴィダル。

ロサンゼルスの自宅に彼を訪れると、来日できなかったことが本当に残念だと、彼は深く溜め息をついた。
そして、半年前に会ったときには使っていなかった杖がいまは必要で、時折、息が乱れる。

それでも、さすがに不屈の精神、ヴィダル。
背骨はまっすぐスラリと姿勢良く、笑顔が眩しい。

そしてチャーミング。

一息、大きく深呼吸すると、まったく息の乱れも見せず、病人とは思わせない光のエネルギーを放ちながら素晴らしいメッセージを語ってくれた。

ファッショナブルでカッコイイだけじゃない。
この紳士にはとてつもない底力とアートがある。ビジネスでも、プライベートでも、何かをクリエートしよう、人を助けようと奮闘してきた彼。
多くの人々にインスピレーションを与えた彼のオーラに惚れ惚れしながら、目の前の彼に胸を震わせた。

そんな彼の声を、日本へのメッセージを、是非とも聞いてほしい。
動画の視聴はこちらで。>髪書房ホームページ

Copyright: Yuka Azuma 2012

関連記事:ヴィダル・サスーン 感動の自伝本、いよいよ日本上陸

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渡米は1982年。ロサンゼルスに13年在住後、ニューヨークへ。84年より映画記事を中心に雑誌等に寄稿。ハリウッド映画スターへのインタビュー歴は30年以上。訳書にマーク・デヴィッドジアク『刑事コロンボ』(角川書店)、同『刑事コロンボの秘密』(風雅書房)、フランク・サネロ『ジュリア・ロバーツ 恋する女神』(講談社)『ヴィダル・サスーン自伝』(髪書房)がある。

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