セレブの小部屋

『ブラック・スワン』撮影現場で会ったセクシーなフランス人俳優、ヴァンサン・カッセル

あの日、私はチャイコフスキーの「白鳥の湖」の「情景」を一日中、聴いた。 壮大な音響のオーケストラで。まだ耳に響く、あのメロディ。 目の前には、細い体をバレリーナになりきらせて躍る白い衣装を纏う可憐な女優ナタリー・ポートマン。

あの日、私はチャイコフスキーの「白鳥の湖」の「情景」を一日中、聴いた。
壮大な音響のオーケストラで。まだ耳に響く、あのメロディ。

目の前には、細い体をバレリーナになりきらせて躍る白い衣装を纏う可憐な女優ナタリー・ポートマン。

ニューヨーク郊外にある大学の講堂。
映画『ブラック・スワン』の撮影現場を訪問したのだ。

カメラが回ってないときもナタリーは、スワンのように首をきゅーっとのばし、腕をひろげ、ステップを確かめ、練習に励む。

その小さな体の横には、両手をいつでも彼女にさしだせる姿勢で、優しそうに控えめに佇む振り付け師がいる。

なにげなく見ていた光景だったが、まさか、あの職場の男ベンジャミン・ミルピエが、ナタリーの結婚相手となり、子供の父親になるとは!

今年、この作品『ブラック・スワン』で、第83回アカデミー賞・最優秀主演女優賞に輝いたナタリー・ポートマンは、大きなお腹を嬉しそうに抱えて微笑んだ。

© Fox Searchlight Pictures

想像していなかったのは、それだけではない。映画は私の想像を絶する逸品となった。

あの日は『レスラー』の監督が、なぜバレリーナ映画?
と、思っていたのだが。そんな私にダーレン・アロノフスキー監督は撮影の合間に真面目に語ってくれた。

「レスリングもバレエも、共通点があるのだよ。
アートのために、両者とも自分の体を傷つけるんだ」

講堂の舞台で躍るバレリーナたち。
ナタリー・ポートマンが坂を登って、そこから跳び落ちるシーンが撮影されていた。

毎回、オーケストラが奏でる「白鳥の湖」の音楽もあって、ドラマチックだ。

アロノフスキー監督はカメラのファインダーを片手に、それを目にあてながら、舞台上でダンサーたちと一緒になって、くるくるナタリーの回りを躍るように回って撮影している。

『ブラック・スワン』のミラ・クニス © Fox Searchlight Pictures

そして共演者のミラ・クニス。彼女は豪快な姉御タイプだった。

「撮影が終わったら、バレエなんて、やってられないわよ」と、けだるい図太い態度で、なんか笑える。
率直で、セクシーで、面白い。

はたまた私が想像しなかったのは、彼女演じる黒鳥のイメージのリリーと、ナタリー演じる白鳥のイメージのニナが、あんなセクシー・シーンに挑戦していたことだ。

でも、この作品『ブラック・スワン』にセクシーなシーンがあることは、この日、嗅ぎつけていた。

この2人のバレリーナたちの演出家、トーマスを演じるフランス人俳優ヴァンサン・カッセルが、おしえてくれたのだ。

『ブラック・スワン』撮影中のナタリー・ポートマンとヴァンサン・カッセル © Fox Searchlight Pictures

「バレエへの愛のほうが強い感じで、恋よりセックスのほうが多く描かれる。
かなりセクシーな映画だよ。競争の世界はセックスも関係してくるからね」

そんなことを男臭いオーラのヴァンサンに語られると、ニタニタしてしまう。
さすが、あの美女モニカ・ベルッチが選ぶだけあって、ヴァンサンは雰囲気が本当にセクシー。

だからか、つい女性誌のような質問を浴びせてしまう。

「白鳥と黒鳥では、どちらがあなたのタイプ?」

すると、彼はきっぱりと語る。

「もちろん、黒鳥だ。映画のヒーローか悪役かと聞かれたら、ぼくは悪役が好きなようにね。ヒーローは退屈だ。
白鳥はカワイイが、ぼくには若すぎだ(笑)」

キャー。年上好みの(?)あなたは、ますますセクシー。

だが、この後、ヒップホップにウトい私は、彼に笑われるハメに。

ヴァンサン・カッセル © Fox Searchlight Pictures

「ダーレン・アロノフスキー監督との仕事でいちばん驚いたことは?」と、聞くと

「昨日、ダーレンがぼくのところにやって来て聞いてきた。

“君はパブリック・エナミーのファン、それともブギ・ダウン・プロダクションズ(BDP)のほう?”ってね。

ぼくはどちらかというとBDPだよと答えたけど、そんな側面の彼を発見して嬉しかったね」と、返ってきた。

そして、ニタリと微笑んで私を指差すと、ヴァンサンは言ったのだ。

「でも、君は“ブギ・ダウン・プロダクションズ”を知らないでしょ。君の表情で分かるよ」

えっ?

Copyright: Yuka Azuma 2011

映画『ブラック・スワン』は5/11日、日本公開。

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渡米は1982年。ロサンゼルスに13年在住後、ニューヨークへ。84年より映画記事を中心に雑誌等に寄稿。ハリウッド映画スターへのインタビュー歴は30年以上。訳書にマーク・デヴィッドジアク『刑事コロンボ』(角川書店)、同『刑事コロンボの秘密』(風雅書房)、フランク・サネロ『ジュリア・ロバーツ 恋する女神』(講談社)『ヴィダル・サスーン自伝』(髪書房)がある。

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