セレブの小部屋 音楽

巷の天才ミュージシャン、ジュリアン・ヴェラード

ジュリアン・ヴェラードという男。このピアノ男がクルクルのクセ毛をなびかせて、鍵盤を叩きながら歌を歌うと、魔法がおきる。

ステージの前には幼い女の子たちが並んで 「ジュリアン、ジュリアン」と、彼の注意をひこうと合唱してる。
若い男性もノッて彼の音楽に聞きいってる。みんなジュリアンのことが大好き。

うちのダンナは、「ニール・ダイヤモンド」に似てる歌声、と言った 。
「やめてよ。一緒にしないで」と、私。
彼の音楽はもっとお洒落だ。ジャズというか、ポップというか、ビートルズが心に訴えるような感じというか、うーん。ジュリアン・ヴェラード独自の世界を築いている。

ビリー・ジョエルを彷佛させると言う人も多い。ジュリアンもニューヨーク出身のピアノ・マンで、シンガーソング・ライターだから。

ビリー・ジョエルといえば、 「流行なんて気にせず、素顔のままでいて」と、まるでブスでもいいんだ、愛しているよ、と言ってるような歌『素顔のままで』で私の女心をくすぐったあと、下積み時代の妻を去った。
成功してからはトップ・モデルのお嫁さんをもらって『アップタウン・ガール』なんていう、ちょっと昔の趣きとは調子の違う曲を歌いだしてしまった。

ジュリアンは成功したあと、そんなふうにならないといいな。いまの新鮮な素朴な個性、そのまま持ち続けてほしいな。
彼の作る歌は、驚きでいっぱいだ。シンプルだけど深みがあって。
それに、軽快だけど深い声はとってもセクシー。ユーモアの要素もあるし、歌う表情がなんともカワイイ。成功しそうな雰囲気いっぱいの才能あるミュージシャン。いまのうちにツバをつけておきたいよ。彼はきっとセレブになるぞ。

キアヌ・リーブスじゃないけど、いつも同じのとびきりスーツを着こんで、ヘアカットが必要じゃないかな、なんて言われそうなヘアスタイルで、あちこちのニューヨークのクラブ・ステージに現れる彼、音楽一筋って感じがいいんだな。

ジュリアン率いる「Aバンド」メンバーも一流のミュージシャンたちで、メンバー同士、尊敬しあってる感じが楽しめる。
パーカッション担当はヨシ・タケマサという日本人男性で、これまたカッコいい。

ステージに向かって「ジュリアン、ジュリアン」と、小さな声援をやめない3歳から5歳の子供たちを見つめて、私は頷いてしまう。
わかるよ、その気持ち。私だって心のなかで、少女のように彼の名前を絶叫してるんだから。

「ジュリアン、ジュリアン、すてきよ、ジュリアン!!」

何度も「ジュリアン」コールを耳にするうち、“ジュリアン”って、なんてセクシーな良い名前、とため息つくようになった。
息子に“ジュリアン”と名付ければ良かったなあ、と思ったりして。我が子もこんな感じの男の子に育ってほしいなあ、と願っている私だ。

(c) M. Didonna ニューヨークちまたの名物男ジュリアン・ヴェラード

去年、ジュリアンが私の娘の4歳児・幼稚園クラスにひょいと顔を出したときも、そうだった。彼の姿を目にした子供たちは男の子も女の子も目を見開いて「ジュリアン! ジュリアン!」と、いきなりフレーフレーの大歓声で大合唱しだしたのだ。そう、ジュリアンはみんなの人気者。
彼が廊下を歩くと、あちこちの教室から「ジュリアン!」という声が鳴り響く。じつに、うちの娘が通う公立小学校のヒーロー。

このジュリアン・ヴェラード、じつは娘の体育の先生なのだ!

明るくてリラックスしていて友達みたいな気さくな先生。それでいて真面目で、朝早くから全力投球してくれる頼りになる若者。誰にでも平等にナイスに接する、本当に良い人だ。

ニューヨークはアーチストで溢れている。腕あるミュージシャンだが、それだけでは食べていけず教師をしてるという人も、私の小さな知り合い範囲内に4人いる。
だが、このジュリアンは格別だ。彼のCDを聞いてブッとんだ。音楽の楽しさをしばらく忘れていた私。その感動をまた彼がおしえてくれた。

ぜだろう。楽しい曲なのに、聞いてると涙がでそうになってしまうのは。

「あなたの音楽にハマりすぎて困るほどよ」
と、私は伝えた。すると彼は私を正した。

「僕の音楽は、決して問題の種にはならないよ」

そ、そうだわね。確かにそうだわ。
だ、だけど、あなたを想う私のハートは少々、問題よ。

彼の音楽に触れて以来、彼を見る目も変わってしまったのだ。娘を学校に迎えにいく度、先生へ憧れの眼差しを送ってしまうヘンなワタシ。

なんていう才能。なのに、昼間はこんなジャージー姿だなんて・・・。

学校からの帰り道、彼はよく人から声をかけられる。「良いショーだった」とか「ずっとあなたのCDを聞きっぱなしだ」とか、私のように彼の魔法にかかった人たちが着実に地元で増えつつある。
彼のショーには多くのファンが駆けつけるが、彼がじつは体育の先生だとは知らないファンも多いだろうな。

ジャズの大御所ユーゼフ・ラティーフは彼を「天才」と呼んだ。
私は密かに「世をハッピーにする魔法を秘める男」と呼んでいる。
うーん、どのセレブより魅力的。

是非ともチェックしてみて。
http://www.julianvelard.com/

©2004 Yuka Azuma

Advertisements

渡米は1982年。ロサンゼルスに13年在住後、ニューヨークへ。84年より映画記事を中心に雑誌等に寄稿。ハリウッド映画スターへのインタビュー歴は30年以上。訳書にマーク・デヴィッドジアク『刑事コロンボ』(角川書店)、同『刑事コロンボの秘密』(風雅書房)、フランク・サネロ『ジュリア・ロバーツ 恋する女神』(講談社)『ヴィダル・サスーン自伝』(髪書房)がある。

0 comments on “巷の天才ミュージシャン、ジュリアン・ヴェラード

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

%d bloggers like this: