映画

血しぶきとギャグの出血大サービス『キル・ビル』

じゃーん、全米ではクエンティン・タランティーノの新作「キル・ビル」がついに公開! オープニングの週末で約24億円を稼ぎ、全米興業収入第一位に躍りでた。 日本でも10月25日からいよいよ公開。 てことで、ひと足さきに、ニッチなみなさんにはさわりをご紹介っす。

じゃーん、全米ではクエンティン・タランティーノの新作「キル・ビル」がついに公開!

オープニングの週末で約24億円を稼ぎ、全米興業収入第一位に躍りでた。
日本でも10月25日からいよいよ公開。
てことで、ひと足さきに、ニッチなみなさんにはさわりをご紹介っす。

物語はウマ・サーマン演じるところの元殺し屋「ザ・ブライド」の復讐劇。
ブライドは結婚式当日に、かつて自分のボスだったビル率いるところの暗殺組織「毒蛇団」(笑)におそわれて、夫やお腹のなかの子供を惨殺され、自分自身も昏睡状態におちいってしまう。
そして四年後、昏睡からめざめたブライドは、ビルたちに復讐を誓い、一味を皆殺しにするため戦いにおもむくのだった。

いやあ、友達から噂は聞いてはいましたが、すごいっす。
全編血しぶき。
血とギャグが満載されていて、まさにタランティーノ節。
もう首は飛ぶわ、腕は切られるわ、足は断たれるわで、血のりスプリンクラー状態。ひえー。ワタシ的にはかなり引きました。

しかし音楽のセンスやギャグの入れ方や、キャラの作り込み方が、さすがタランティーノならでは。
いつもながら役者たちのキャラを引き出すのがうまいです。タランティーノ好きにはたまらん映画でしょう。

まあ、血しぶき問題やタランティーノのおたく問題については詳しい方に任せるとして、わしとしてはなんたって気になったのは、映画のなかでウマやルーシーが日本語を話すシーンだす。

ルーシー演じるところの石井おれん(お蓮か?)はやくざの姐さんという設定で、ウマはおれんと戦うため、飛行機の座席に日本刀を持ち込み(おいおい)東京に乗り込むのである! うわーお!

で、なぜか彼女たちは互いに日本語でしゃべるのですよ。日本刀をふりかざし、
「いくよ」
「思いっきりかかってきな」
とかなんとか日本語でやりとりしながら死闘を繰りひろげるのだ。そのセリフを聴きとろうとすると、頭がくるくるになる。

さらにルーシーがやくざの親分たちに英語で話しながら、それを秘書役のジュリー・ドレフュスが日本語に同時通訳していくというシーンがあって、これが発狂しそうに頭がこんがらがる。

いえね、公平にいって、ウマもルーシーもかなりイントネーションは上手なんすよ。たいしたもんです。ルーシーの日本語なんてアグネス・チャンやビビアン・スーのイントネーションに比べて、ずっと自然に聞こえるもの。

が! しかし! すっごく聞き取りにくいんだよおおおお。
なにしろセリフがへんにまっとうな日本語なのだ。
「噂がひとり歩きしているようだね」
なんつう小難しい決めセリフをウマがいうもんだから、瞬時にはなにをいっているのか理解できない。

ほら、現実の社会では「えー、なんかー、噂がひとり歩きしてる、みたいな感じい?」といったしゃべり方をするわけじゃないすか。
なのに、ハードボイルド小説か、昭和任侠伝にしか出てこないようなセリフを英語なまりで話すから、2秒くらいたってからでないと頭のなかで意味をなさないのである。ふへー。疲れる。

うーむ、私の英語もあんな感じに聞こえるのだろうか。
てことは私たちも英語で話すときは、カンタンな構文のほうが意外と相手には伝わりやすいってことかね?

ジェネレーション限定ネタで申し訳ないが、私はそのむかしテレビでやっていた「スタイリー」の宣伝を思いだしましたよ。

知らんでしょう、スタイリー。
アメリカから来たという(当時)折り畳みベッドにしか見えないフィットネス器具なんだけどさ、へたれな音楽にあわせてスタイリースタイリーと、金髪姉さんが踊り、最後にうさんくさいガイジンのオヤジが出てきて、
「ワタシニ電話シテクダサイ」
という怪しいCMなのよ。

ここには「なぜ日本語をあやつるガイジンはうさんくさく見えるのか?」そして「なぜ小説でガイジンが話すシーンはカタカナ表記になるのか?」という重大なテーマも潜んでいるのだが、ともあれキル・ビルでは、そのうさんくささがいい効果をあげている。

この日本語のやりとりには、きっと日本の映画館では大爆笑が起きて大ウケするはず。
だけど笑わないんだよね、アメリカでは。
首がふっとぶマンガちっくなシーンには爆笑が起きるのだが、ルーシーの「やっちまいな」にも、雪のなかで演歌が流れるシーンにも、アメリカ人は笑わない(当たり前だけど)

ああッ、オレも日本の映画館で、日本のみなさまと、「うわはは、すげえベタな演歌ー!」と笑いながら鑑賞したかったよう。

ちなみに今回のルーシーはハマり役。
あいかわらずブサイキーなんだかセクシーなんだか、ビミョーなルックスのルーシーなのだが、今回の和装はぴったんこ。

なんでもはじめは「ガクラン」という設定だったらしいのだが、ルーシーが「男みたいな格好はイヤ!」と断固拒否して着物になったらしい。
ありがとう、ルーシー。あれでガクランを着て登場された日には、笑い死にするところだったよ。

KILL BILL/MIRAMAX FILMS提供 おれん姐さん、GOGO夕張ちゃん登場の図。ルーシー、つぎは極妻主演か?

今回は着付けとヘアメイクがいいので、往年の江波杏子を彷彿とさせて、カッコいい。ツボふりのシーンがなかったのが惜しいほど。
しかしよくあんなカッパみたいな死に方をオーケイしたものだ。一見の価値ありの死に様ギャグっす。

そういやジュリー・ドレフュスさんもよくあんな役を受けたよな、とたまげます。いいんでしょうか、NHKのフランス語会話のイメージはいったい…。

ウマ・サーマンは驚異の手足の長さですばらしくカッコよくて文句なし(足の指だけへんだけど)
栗山千明ちゃんもブキミかわいくて、存在感ありあり。GoGo夕張って役柄名からイカしてます。

そして驚くべきことに、ひさびさに登場したダリル・ハンナが、片目にアイパッチをしたハードなスタイルでえらくカッコいいのである。
はっきりいって「すでに終わっている」女優だったダリルなのに、ミョーに若返っているのよ。

これってもしやケミカル・ピーリングとかボートックス?
さすがパルプ・フィクションでトラボルタを再生させたタランティーノだけあって、リサイクルがすごくうまいよな。

ソニー千葉こと千葉真一も「服部半蔵」役(←わははは、なんだそれ)で出演しているのだが、色つやがよくて若々しい。
もしや千葉ちゃんもハリウッドのケミカル・ピーリングを体験したんでしょうか? わー。気になる。

物語の行方も気になるが、ウマ、ダリル、千葉ちゃんの若返りぶりもすごく気になるキル・ビルVol.2
もしやハリウッドのプチ整形はSFXレベルなのか。
うーわー。お金貯めてロスにいかなくっちゃ。

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書くことが生きること。NY在住のマルチなクリエイティブティブライターです。もと少女小説家で、日本の女性ファッション誌や男性誌にトレンド情報を書き、さらにブックライター、コピーライター、エッセイ、小説まで幅広く書いています。たったひとつの特技が、書くこと。不得意なことは山ほどあり(汗)

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