セレブの小部屋

ファインズ家の男どもにまつわる勝手なファンタジー

お婿さんにください!
いえ、まあ、そこまでいかなくとも、恋人になれたらと。
ええ、どちらでも構いません。お兄さんのレイフでも、弟のジョセフでも、どちらでも・・・。

そんな心境なのだ。ワタシ。

ファインズ家の俳優兄弟はどちらも、ファンタジーを抱きたくなる相手だった。
彼等は7人兄弟で、ジョセフには双子の兄弟もいるというから、もし、もう片方の兄弟にも会っていたら、この際、ファインズ家の男なら誰でも結構ですので、いただけませんでしょうか、ってヨダレ垂らしていたのかなあ、ワタシ。

最初にレイフ・ファインズを映画『シンドラーのリスト』で観たときは役柄が悪漢だったこともあって、役者としては認めたけれど人柄的には嫌なイメージを抱いた。そのあと他の作品でイメージ・アップしていったものの、まさか、実際の彼があんなにチャーミングだったとは!

インタビューの最中は仕事なので平然を装っていたけれど、終わった途端、私の体はタコのようにクニョクニョ、顔はデレデレ。
「素敵だったわねぇ」と、いつまでも頬の筋肉は緩んだまま。

なんといっても、あのレイフの柔らかな物腰がたまらない。
コトバを放ったあとに、あの優しい瞳で、ちょっとテレたような微笑みでしめくくる感じが女心をキュンとさせるのだ。レディには優しくね、って自然に教わって育ったような良家の紳士って感じ。
こんな人の愛に包まれたら、女性はハッピーだろうなあ。

子育てに追われているうちに、自分がトキメキを感じられる女性であったことなんて忘れてた。
ところが、まだそんな色気心、私のなかにも潜んでたんだなあ。よかった、よかったと、久々にイイ男を目の前にイイ気分になった私だった。

いや、でも、じつをいうと、先日、べネチオ・デルトロに会ったときもトキめいたのだった。
似合わない野球帽のせいか、うさん臭いイメージだな、ずいぶん変わった人だな、と思いながらインタビューしていたのだけど、ふと、彼に見つめられた瞬間。オー、これか! みんながウワサしてた彼のセックス・アピールってやつ。
あの彼の悩殺の瞳に見つめられた瞬間、矢が突き刺さったような衝撃でいきなり私のハートは勝手にドキドキしだした。

いやいや、でもそれは一時的なトキメキであって、ファインズ家の男性群には、なんというか、もっと永遠的なファンタジーを抱かせる何かがあるのだ。

レイフの弟ジョセフ・ファインズは『恋におちたシェイクスピア』で観たとき、なんか太い線で描いたようなマッチョな男だなと感じた。

ところが、実際の彼には、映画の姿から想像していた男くささなんて微塵もなし。
お兄さんと同じ優しい物腰で、繊細なジェントルマン。話し方も落ち着いていて、インテリで、またもや私のハートはドッキンコ。

ハリウッド映画に出るよりも、イギリスでシェークスピア演劇舞台に立ってばかりいる彼は、古典に美しいポエトリーを感じる男。
それが何故か、この夏に全米公開のアニメ・アドベンチャー映画『シンバッド』で、シンバットの友人プロテアス役の声優として抜擢された。

『シンバッド』で声優になったジョセフ・ファインズ

「何故、あなたが選ばれたのでしょうか?」

と、本人にも、この素朴な質問を投げかけた私だが、インタビューのあとは、なるほどと納得できた。

ブラッド・ピット演じるシンバッドは盗人で自分勝手で豪快なキャラクター。でも幼なじみのプロテアスは、まさに素顔のジョセフ・ファインズを彷佛させるキャラクターだったのだ。

「シンバッドは好き放題に生きてきて、友人の恋人まで盗んでしまう人の気持ちも気にしないような男だけど、プロテアスはそんな彼のことも信じて、彼の中にも善を見いだすんだ。
恋愛は両想いでないと成立しない。だからプロテアスは自分の愛している女性さえ自ら解き放す男性だ。
でもね、人はそんな男より、法破りな男のほうにファンタジーを抱くものなんだ。そんなファンタジーを満たしてくれるのがシンバッドなんだ」

と、脇役俳優らしく、控えめに語るジョセフ。
いえいえ、私はあんな荒々しい盗人より、善良なあなたにファンタジーを抱いております。

お手柄欲しさに悪に立ち向かうシンバッドじゃなくて、みんなの幸せを願うような大きな愛で地道に進んでいける人。

悪人にも善を見いだすプロテアスのように、ジョセフ自身も表からは見えない裏側まで見つめていこうとする人だなと感じたのは、彼がアフリカの旅について語ったときだった。
彼は今年5月、アンゴラ共和国に出向いていた。

「僕はいつも車にガソリンを入れているのだから、そのオイルがどこから来るのかが知りたかった。ただ自分の目で見て、学びたいと思ったんだ」

豊かな資源で生活が潤うどころか、オイルのせいで戦争が起き、地元の人々は最悪の経済状態に悩まされているという発展途上国。

「アンゴラはオイルで年間50億ドルの稼ぎがある裕福な国だ。それなのに人々は貧困のどん底にいる。3分の2の市民たちが、きれいな水にありつけず、ほとんどの人達が下痢に悩まされ、30パーセントの子供たちが5歳になるまで生き延びれないんだ」

そんなことを訴えながらも、ジョセフは怒りを抱く様子でもない。
あくまで誰かに仕える脇役みたいに控えめに、それでいて、ちゃんと伝えなきゃならないことは伝えるといった態度で、優しく。

ウーン、好みだなァ。
でもなんで映画では、この線の細さが消えちゃうんだろう。

ま、いいや。ファインズ家の男どもに会えて、そのイメージのギャップがワクワクさせる驚きになったんだから。
勝手なファンタジーに、乙女心はウキウキ、顔はニヤニヤ・・・。

©2003 Yuka Azuma

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渡米は1982年。ロサンゼルスに13年在住後、ニューヨークへ。84年より映画記事を中心に雑誌等に寄稿。ハリウッド映画スターへのインタビュー歴は30年以上。訳書にマーク・デヴィッドジアク『刑事コロンボ』(角川書店)、同『刑事コロンボの秘密』(風雅書房)、フランク・サネロ『ジュリア・ロバーツ 恋する女神』(講談社)『ヴィダル・サスーン自伝』(髪書房)がある。

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