ヒトコの小径 海外子育て

ニューヨークのお受験事情-後日談

5月になった。本当だったら申し込んだパブリックスクールからそろそろ通知が来るはずの時期であった。

3月の申し込み日に時間をわざわざ指定されたので「お受験」に詳しい友人からも「それはインタビュー(面接)じゃないの?ただの申し込みだったら、時間なんて指定されないわよ。仁子さん、しっかりね。気を抜いちゃダメよ!」と忠告された。「えぇ~?パブリックスクールでもそういうことってあるの?」何だかよくわからないし、そこまでする必要があるのかなあ、と思いつつも、友人の言うようにそういうことが原因で外されるのもくやしいので、夫と二人で面接に適する洋服を選んだり、普段は子供の頭もとかしたことだってなかったのに、きれいに整えた。下の子は連れて来ないように言われたので、ベイビーシッターに預けていざ出動。ドキドキ。

校舎の入り口には、警備員と言うよりは警察官が立っていて、セキュリティの為に私たちはそこでサインをさせられた。

上の階にある部屋へ行くように言われたので、行ってみると既に数組の家族が係の人たちと話をしていた。

「あなたたち、9時20分の予約の家族ね。次だからちょっと待っててください」と親切に言われたので、子供を連れてしばらくは廊下に出て他のクラスルームの模様を、ドアのガラス越しから眺めていたりした。

なかなか、いい感じの学校だったし、子供も喜んでいた。ここに決まればいいなあ、と思った。夫は、事務局になっている隣の部屋にいた数名の職員らしき人たちと雑談を始めていた。夫はしっかりとさっきの警察官のことも聞いていた。夫は、学校に警察官がいることに少々驚いたらしい。「(戦争前の)今の時期だから、セキュリティの為にそうしているの。本当のポリスマンだけど、ガンは持っていないのよ」とのことらしい。

それから約1時間弱でいろいろな書類に記入し、数名の係の人とも雑談して私たちの「申し込み」は終わった。「5月に通知が行きますから」と、やはりロットで生徒が選ばれるようだ。もし漏れてしまった人たちの為に、パブリックスクールではないが、市がサポートしているユニヴァーサルPKのプログラムを無料で行っている他の施設のリストをくれた。

なーんだ。いろいろと心配して損しちゃったもんね。リストには私たちの自宅のすぐ近くにあるチャイルドセンターが6ヵ所も載っている。やっぱり事情を知らないと余計な心配をしてしまうということだ。抽選に漏れてもこれなら大丈夫。私たちはほっと一安心して学校を後にした。

その後、リストに載っている場所に電話して見学に行ったり、市の教育局に電話したりしていろいろと情報を集めたが、思っていた程、焦る必要がなかったことに気が付いた。夫は、教育局の人からも「抽選のことも心配しなくて大丈夫。私が何とかしてあげますよ。他にウェイティングリストを出している所でも、行きたい所があるのだったら、頼んであげてもいいし」と何やらとても親切なことを言われたらしい(これって、裏口?)

最初から、これぐらいリサーチしておけばよかったわけである(いや、やっぱり突然、市がPKを中止するかもしれないと言い出したのがいけないのだ)。教育局の人が言っていたのは、どういうことかわからないが、どうやら最悪の事態は免れそうだ。

今回、私がこの「お受験もどき」で感じたのは、結局、親がどこまで子供の学校選びに熱心であるか否かで全てが変ってくるということである。「レース」に参加したければすればいいし、したくなければしないでも済むのである。いろいろな人から話を聞いたが、人それぞれでかなり言うことも様々だった。ニューヨーク市のパブリックスクールの中で、トップに入るというPS101にしても、実際にそこへ通っている親の話を聞いてみるとPKのレヴェルではそれ程、他と比べて違いがあるとは感じられなかった(もっとも、安心してそのまま上に上がれる利点はあるけれど)。

要は、子供に合うか合わないか。先生が好きか嫌いか。それに尽きる。そして私たちの場合、ベイビーシッターに頼む場合が多いということもあり、送り迎えが「楽」にできるかどうか、それが大切だった。

市でやっているユニヴァーサルPKは違う場所での申し込みの掛け持ちができないと言われたので、5月を待たずに、私たちはアパートメントからも徒歩3分で、即座に申し込めば確実に入れるというチャイルドセンターに決めてしまった。

だから、パブリックスクールからも入学許可の通知も来ないが、不許可の通知も来ない。別にそこに拒まれるのが嫌だったわけではなくて、そうなった時に他の学校へも手配が遅すぎて、どこにも行けなくなってしまうのが怖かったのだ。しかし、数年前に日本の友人が自分の子供の小学校受験の時に言っていた「抽選で人の人生決められるのなんて頭に来るから、国立は受けさせるのやめたの」という気持ちが、今になってちょっとわかった様な気がした。

同じニューヨーク市でもマンハッタンには、パブリックスクールに付属するPKプログラムはないそうだ。子供がいる友人もプライヴェートのナーサリースクールに通わせている人が多い。オフィスで他のワーキングママたちと話をしていると、かなり力が入っている人たちもいる。

「私たちの住んでいる所はあんまりいい学校区じゃないのよ。でもうちは、ハズバンドがマンハッタンから出たくないって言っているから、多分、今の所もキープして、行きたい学区域に安いステューディオでもオフィス代わりに借りて、住所をおさえようかなと思っているの。郊外に引っ越したりプライヴェートスクールに行かせるより、うちの場合はそっちの方が安上がりだと思うから」などと言う人の話を聞くと感心する。
とりあえずは、PKが決まって本当によかった。

上山仁子その他のサイト・HP子育てブログ
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ニューヨーク在住15年を経て2007年12月よりノースカロライナ州へ生活の拠点を移したグラフィックデザイナー兼ライター。英語学習・ティーン向け・女性のためのコーチングも行っている。

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