ネイティブ英語 ヒトコの小径

ニューヨーカーの出身地を聞く時は・・・

アメリカに来て最初の頃。ある場所で、ある日本人が自分の自己紹介をしている時に「Originally, I am from Japan.」と言っていた。改めて訳す必要もないと思うが、

「もともとは、日本出身です」

という、とても簡単な言い回しである。

「へぇー。日本ねぇ」

と普通の人は「日本」という部分に反応するわけだが、私の場合、この「originally」という言葉にやたらと引っかかってしまったのだった。こんな風に感じるのは、私だけなのかもしれない。私はずっと東京で育ち、東京で生活をしていたから、絶対的に、しかも永遠に「東京出身」なのだ。だからそういう言い方をしている人に対して、

「えっ? オリジナリーってどういうこと? じゃあ、今はどこ出身だと思っているわけ? まさか、ニューヨークなんて言うんじゃないでしょうね?」

と、挑発的な思いが込み上げてきてしまったのだ。

アメリカに、移民として来たわけでもなかったし、日本を「捨てて」来たわけでもない。2~3年勉強する為だけに来たわけだから、「もともと日本出身」という、ちょっと距離を置いたように聞こえるその言い方とその言葉を発している人にとても違和感を覚えたのだ。

「私はもともとは、鹿児島なんですよ」

とか、日本国内に置き換えてみれば割と何でもないことなのに、この違和感は自分自身に対する日本人としてのこだわりと、日本に対する忠誠心なのかも知れないと感じた。

渡米5年を過ぎた頃。そういう自分のこだわりが薄れてきたのか、慣れの問題だったのか、あの時、「Originally, I am from Japan.」と言っていた人の気持ちがわかるようになった。というか、そんなところで日本人としてこだわっていてもしょうがないと、思うようになった。

自ら率先してその違和感を覚えた言い回しを頻繁に使用するようにもなった。このメルティングポットでは、全世界から色々な人間が集まって来ているわけで、実際にこの言い回しは非常によく耳にする。自分のことを言う時も相手に出身を尋ねる時も、「originally」を入れることによって「よそ者」扱いされないし、または「よそ者」扱いしていないことを表現することができる。これは非常にポリティカリーコレクトな、便利な言葉なのであると思うようになったきた。

ニューヨーク在住10年が過ぎた。10年かあ。自分でもよくわからないが、ちょっと恐ろしく思う。こんなに長くこの土地にいるという事実と、その10年という月日があっという間に過ぎ去って行ってしまった、という事実に驚いている。

「 I am originally from Japan. But I am a real New Yorker.」

なーんて思う時もある近頃だ。

上山仁子その他のサイト・HP子育てブログ
Advertisements

0 comments on “ニューヨーカーの出身地を聞く時は・・・

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

%d bloggers like this: