大人気テレビシリーズ『セックス・アンド・ザ・シティ』が映画化された。
4人の主演キャラクターの中で一番年上でありながら、一番セクシャルな役柄サマンサを演じるキム・キャトラル。
彼女には驚かされっぱなしだ。

映画『セックス・アンド・ザ・シティ』のテレビ・インタビューに出向いた私は、ヘアメイク・アーチストがキムの化粧直しをする間、彼女と向かい合って雑談していた。
すると突如、キムが彼氏について喋り出したのだ。

「私のボーイフレンドが昨日カナダから戻ったばかりなの。彼は2週間、里帰りしてたのよ。だから今晩は彼と素敵なディナーに出かけるつもり」

そういえば、今年3月に取材したときも、聞いてもいないのに彼女のほうから「私のボーイフレンドは…」と喋り出し、報道陣を喜ばせた。またしても、その再現である。

「今晩はシャンペンを飲もうかしら。でも明日もインタビューがあるから二日酔いで取材を受けるわけにはいかないわよね」
一杯くらいワインを飲んだって大丈夫よ、と言うと
「でも私、一杯ではとまらないかもしれないのよ!」と、キムは大らかに笑った。

『セックス&ザ・シティ』でサマンサを演じるキム・キャトラル

「彼は23歳年下だけど、驚異的なことにそれは私にとってまったく気にならないことなのよ。 年のことは考えなかったの。
だって彼のほうがうんと大人みたいな感じがするのよ」と、上品に微笑むキム。

「でも最初はやっぱり年のことは気にならなかった?」と、聞くと
「彼の年齢は知りたくなかったわね。
年下だとは分かっていたけど、29か30くらいじゃないかと思ってた。ところが彼は25歳だったのよ!」

カナダのレストランでシェフとして働いていた彼氏と3年前に出会ったとき、キムは48歳。
相手が30歳か25歳かでは、かなりビミョーな大きな違いだ。

「ある別の男性と出会ったときはね、彼は本当にスィートな人で、私は彼の母親とも会ったの。ところが、母親は私よりも若かったのよ!
それで私は思ったわ。これは私にはムリ、ってね。彼の母親の年齢を知ったときに、これはダメだと思ったの」

そんなことまで喋ってくれたキムだが、今回は親子ほど年の離れた彼氏を特別に受け入れたところが凄い。

年下のイケメンと付き合う映画のサマンサを、キムは実生活でも実行中なのだ。

『セックス&ザ・シティ』で年下の男性スミス(ジェーソン・ルイス)と付き合う サマンサを演じるキム・キャトラル

じつは、私が最初にキムにインタビューしたのは『ゴーストハンターズ』で、22年前に遡る。
28歳の彼女は清楚な雰囲気の女性だった。
おとなしいお嬢さん風だった彼女がシリーズ『セックス・アンド・ザ・シティ』でセックス好きの奔放な熟女になっているのを見てビックリしたものだ。

そして、そのサマンサがあまりに強烈だったから、キムはそういう感じの人だと役柄イメージを重ねて見るようになった。
だから今回の映画取材で、優しい物腰のマダムが目の前に現れたときには驚いた。
喋り方といい、雰囲気といい、本当に彼女は穏やかで上品だ。
サマンサは二重人格か!?

そして極めつけのビックリが、現在28歳のシェフとの恋愛だ。
スターのほうから恋人のことを話してくるのは珍しいケースだが、つまりキムは本当に恋愛まっただ中なのだろう。
いつも彼のことを想っているから、つい口にしてしまう可愛らしい女なのだ。この夏52歳になる彼女は幸せそう。

いくつになっても恋する女性でいられることは、なんて素敵なこと!

3回の結婚に失敗したあとでも遅くない。
そんな恋する乙女を前に、私は人生の愉しみをお裾分けしてもらったような気分。
キムに乾杯!

©2008 Yuka Azuma