ニューヨークからプロライター達がお送りする、「ここだけ」のおもしろ情報。

No.4 ニューヨークピアノバー突撃取材!?

On: OL脱出!NY業界体当たり日記(更新終了)

ニューヨークにはピアノバーなるものが存在する。

ピアノバーと聞いてなんとなく思い浮かべるのは、お店のまん中にドドーンとでっかいピアノがあって、ジャズの弾き語りなんかを聴きながら、おっしゃれーなカクテルを愉しむハイソなバー、という感じではなかろうか?

ニューヨーク在住の日本人なら、「ピアノバー? ははぁん、あれね」とすぐにわかるだろうけど、渡米間もない頃のあたしはもちろんそんな「ニューヨーク用語」は知らなかったよ。

あのね、知ってる?ピアノバーだからといってピアノが置いてあるわけじゃないのよ、おほほ。

お父さん、お母さんが知ったら泣いちゃうのでココからの話はナイショね。

ニューヨークに来て、まず語学学校の学生になったあたし。東京で7年一人暮らし。たまには貧乏も経験していたあたしは、渡米後数週間にしてノーインカム、すなわち、収入ゼロの恐怖に耐えられなくなったの。

だって、貯金が減っていくばかりだなんて、不安で頭がおかしくなっちゃいそうよ。今は貧乏もへっちゃらだけど。(それもどうよ?)

とりあえず少しでも貯金の足しに、ということで東京OL時代の知り合いのツテで、日本人向けのバイトを紹介してもらった。

それが、ピアノバー。

もちろんあたしもそんなハイソなバーを思い浮かべて面接に行ったんだけどね、そこは、いわゆる銀座にあるような高級クラブだったの。ええ、いまさら隠しはしないわ。つまりはホステスさんよ、日本人向けの。

カチコチに緊張して面接に行き、紹介者のバックアップで何とか採用してもらい、めでたく働き始めたのが渡米2週間目。今考えるとちゃんと貯金もあったのに、何をそんなに焦っていたのかと自分でも不思議になるわ。

友達にも言われたもの。「あんた、メキシコ人?」って。(爆)確かに、渡米した次の日にはすでに仕事を見つけて働きはじめちゃってるメキシカンのパワーはすごいわよね。

ドレス(友達の)とゴージャス(に見える)アクセサリーで懸命に着飾り、いざニューヨークピアノバーデビュー!! パフパフパフ~!!

と、それがね、意外と面白かったのよ。「あれ? ここって、銀座? それとも赤坂?いや、六本木かもしれない」っていうか、あたしったら本当にニューヨークにいるのかしら? 思いっきり日本なんですけど、ここ。面白~い!

お客さんのおおむねは、日系企業の駐在員。ヨーロッパや中近東、アジアなどにも駐在経験をもつインターナショナルなビジネスマン。旅行(それもツアー)以外で日本から一歩も出たことのなかったあたしからすれば、全然知らない世界よ。

へー、すごーい、みんな頭いいんだー。(アホ)

見かけは、新橋のおじさんたちと大差ないのにね、なんだかすごくカッコよく見えちゃうじゃない。だって、英語で自分よりでっかいアメリカ人の部下たちに喝入れて、何億もの商談決めちゃったりするんでしょ?

すっごーいじゃーん。(やっぱりアホ)

何よりすごいのは、その知識。世界経済はもちろん、歴史やアート、スポーツからカルチャーまで話題は尽きない。ガイジンたちに、我らの国「ニッポン」というものをきちんと伝えていく為には、きちんとした知識のバックグラウンドが必要なのね。

一方、女の子のほうはどうかというと、これまたすごい。さすが、ニューヨークだけあってアーティスト、ダンサー、ファッションスタイリスト、メイクアップアーティストなどを目指してきている、日本でも「あなたちょっと飛びぬけてたでしょう?」って子が多いのね。そう、まさにイケてる女子がいっぱい。

そしてさらに素晴らしいことに、なぜか女の子たちはみんな芸達者。とにかく信じられないくらい元気でおもろい。翌朝は学校や仕事があるというのに、深夜までエンジン全開ノンストップ。ノリはいいし、話は面白いし、もれなくカラオケ上手。

そうか、アーティストっていわゆる「芸人」だものね。可愛いだけじゃダメなのね。

えーっと、ここって芸能プロダクションですか? (マジ)

あぁ、銀座で大枚はたいてるおじさんたちに教えてあげたいわ。ニューヨークのピアノバーはレベルが違いまっせ。あなた、赤坂のおばちゃんホステスと遊んでる場合じゃないわよ。(暴言)

と、失礼な話はさておき、ちょっと真剣にピアノバーの存在価値について考えてみた。

「典型的なニューヨーク駐在員A氏の場合」

– 海外駐在決定
– 家族の都合で単身赴任
– 赴任翌日から英語で商談
– 疲れて家に帰っても誰もいない
– え? 一人で手酌酒?
– あー、誰かと日本語で話したいなー
– ピアノバーで癒される
– よし、明日も頑張ろう
– 日本経済の発展に一役

どうかしら?こんな図。(短絡的すぎ?)

でもね、これは言わせて。ソニーが、トヨタが、日本が、戦後たった50年で世界でもトップの経済レベルに達する事ができたのも、そんな駐在員おじさんたちのおかげなのよ。最近の若者に足蹴にされがちな「熱血サラリーマン」時代のおじさんが、ぐいぐいと世界進出したお陰なのよ。おじさんたちはね、ハゲも短い足もジャパニーズカタカナ英語も恥じず、堂々胸を張って世界市場で戦い日本をここまでの国に作り上げたの!

そんなおじさんたちを応援するピアノバー、存在価値あると思わない?(こじつけ?笑)

その後数ヶ月頑張ってはみたものの、「同伴」(ディナーを食べてから一緒にお客さんと入店する営業方法)、「指名」(仲良しのお客さんに予約、指名をしてもらう)などの営業活動が全くダメで、ホステスとしてはズバ抜けて劣等生だったあたし。

「あたしには無理な仕事だったのね」と、すぐに辞めてしまったけれど、あたしのニューヨークライフにおいてピアノバーはとっても貴重な経験だったわ。

頑張れニッポン! 頑張れサラリーマン! 

疲れたら、ピアノバーで一杯飲んで元気になってね。(はあと)