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アメリカンフーズ秘宝館〜ええもんありまっせ〜 No.8 アメリカでもとれる山菜「アマドコロ」

On: どすこいグルメ

はい、ベジタリアンです。

春と言えば山菜。
しかしながらわたしは山登りもしませんし、山の中に住んでいるわけでもないので、自力で調達というのは難しい…っていうかほぼ不可能

とはいえ、一般のお店に出る「春の山菜」に該当するものは、ランプス(行者にんにく)とフィドルヘッド(コゴミ)くらいです。

日系のお店でなら、運が良ければ生筍や生フキくらいは手に入りますが、タラの芽、ゼンマイ、ウド…と言った、日本においてはシーズン中であれば購入可能な山菜は、まず一般では買えません。

ではそれらを楽しむにはどうするか…というと、一般的には日本食のレストラン、例えば高級寿司店などで「季節物」として扱っているのを、高いお金を出していただくしかないのです…。

そしてもうひとつが、「庭に生えてる」のをいただく…というやり方。

ニーズがあまりにニッチなために市場には出まわらなくとも、山菜に関する知識があり、山菜が生えるような土地にお住いであれば、野生のものを採取して食べることができます。

まあ、うちはそんな環境ではないのですがw

そんな山菜事情のため、わたしは大人しくランプスやフィドルヘッドが店頭に並ぶのを待ち焦がれていたのでした。

野菜市場に詳しい友人によると「今年は冬が厳しかったため、野菜の生育は例年に比べると1ヶ月くらい遅れている」…とのことで、山菜もまだまだお預け。

タラの芽の天ぷらだ、筍ごはんだと山菜三昧をする日本の友人たちをうらやみながら、じっと耐える日々だったのです。

そんなある日、Twitterのタイムラインで日本在住の方が「新しい山菜を手に入れた」と、これまた羨ましいことをつぶやいていました。

最近市場に出てきたものだそうで、山菜好きでシーズン中にはコシアブラやウルイまで探し出して食べるようなその方も「初めて見た」…という山菜の名前は「アマドコロ」

「アマドコロ」なんて聞いたこともない…と興味しんしんで検索してみましたところ。
画像検索の結果表示ページには、何だか見たことのある、っていうか見慣れた植物が載っていました。

「…あれ??これってうちに生えてるよ…??」

そう、わが家の庭に生えてる植物にソックリ…っていうか全く同じです。

アマドコロ(甘野老)とは「クサスギカズラ科(キジカクシ科)アマドコロ属の多年草(注1)」で、日本全土で自生しており、山菜採りをされる方の中でも人気の山菜とのこと。

これまでは東北の一部でだけ食されていたもので、最近になって全国へ出回るようになったものだそう(注2)。
関西在住の友人が「初めて見た」のは、そういう事情だったからですね。

葉が開く前の若い芽を採取して、茹でて酢味噌をつけたり、天ぷらにしたりして食べるのですが、豆類やアスパラガスと似た食感で、若干の苦味があるとのこと(注3)。

葉っぱが出た後は、釣鐘型のさわやかな色合いの花がつきます。
花がついてからの姿はなかなか美しく、アレンジメントにも使われたりします。


PHOTO : What’s in Bloom

北米でも花屋で売っているようなものではなく、山中に自生しているものだそう。
英語名は「Solomon’s Seal(ソロモンズ・シール=ソロモンの紋章)」と言います。

おー、何てカッコいいんだ!!!
花とあまり合ってないような気もするけどw

何でこれがわが家の庭に生えてるのかは知りませんが、寒かった冬のおかげで、例年ならこの時期にはすっかり成長しているわが家のアマドコロも、これからのびるところ。

葉が開く前の新芽が、にょきにょきと顔を出してます。
これは食べごろでしょう!!!

早速、採取して来ました。

地下茎で増える植物ですので、根本にシャベルを入れて軽く切断してやれば、後は芽を引き抜くだけの簡単さ。
秋には根茎を食べることもできるのだそうです。

半透明になるくらいまで軽く湯がいて(2〜3分)、自家製の味噌を使った芥子酢味噌かけにしてみました。

まさか庭で採れるとは思っていなかった「山菜」
そのお味は…適度なぬめりとシャクシャク感が楽しく、美味しいです。

更に山菜らしい軽い苦味があり、辛子酢味噌との相性はバッチリ!!

この苦味がまた「山菜を食べてるなあ」…という気分を盛り上げてくれます。
この後は別の日に採取し、天ぷらにもして楽しみました。

天ぷらは塩でいただいたのですが、これもバッチリ
衣の油っけとアマドコロのかすかな苦味が、白ワインによく合いました。

数回楽しませてもらったアマドコロたちは、ここしばらくの温かさでぐんと成長して葉っぱを付け、すっかり開花モードに入ってしまいましたので、今年のシーズンは終了。

秋には地下茎を掘りあげて食べてみようと思います。

ここのところ、トライステートでもいよいよランプスやフィドルヘッドが出回って来ましたので、日本のシーズンからは遅れてしまいましたけど、山菜まつりができそうです!

(注1)Wikipediaより

(注2)よく似た植物に「ホウチャクソウ」というものがあり、こちらは毒草ですのでご注意。
根が横にのびるのがアマドコロ、放射状にのびるのがホウチャクソウだそうです。

(注3)他にも、おひたし、炒めもの、椀物の種としても使えるそうです。
「はかま」と芽の部分の食感が違うので、大量にある場合はそれぞれを分けて使うのもよし…とのこと。
芽の緑が強い部分は、苦味も強いですが、全般に驚くほど苦くはないです。山菜としてはアクも少ない方で、火が通るくらい湯がいただけで充分に食べられました。

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Featured Photo Credit : mjk23