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アメリカンフーズ秘宝館〜ええもんありまっせ〜 No.3 次世代の代用肉「ビヨンド・ミート」

On: どすこいグルメ

今回もお邪魔しますよ、ベジタリアンです。

肉食がNGになってほぼ1年。

肉が恋しいですか?
…と言われると、全く恋しくないですw

口はまだ味を覚えていますし、その味は好きですけども、身体が受け付けないだろうことが体感できているからです。

でも、料理の中には、肉がないと成り立たない料理…というものがあります。
「肉が主役になっている」場合ですね。

わたしの場合、肉食NGになったばかりに、大好きだった「チキンのインドカレー」が食べられなくなりました。

このカレーは鶏肉の他には具が入らないもので、鶏肉がなければ成り立たないものです。
野菜での代用も考えましたが、どうにもピッタリくるものを考えつけず。

その味がかなり気に入っていたため、「もう作れない&食べられない」とわかった時は、非常にガッカリしたものでした。

さて、前回もご紹介した「ビーフ・ブイヨン」のように、世の中には肉食NGの人のための、様々な「代替食品」があります。

もちろん、肉にも代替え品は存在します。
大豆蛋白で作る「ソイ・ミート」、グルテンを利用した「セイタン」などが有名ですね(注1)。

その「肉の代用品」界において、衝撃のデビューを果たした商品、それが今回のネタ「Beyond Meat(ビヨンド・ミート)」です。

「肉を超えた肉」という名前の通り、NYタイムズ紙のグルメ評論家までホンモノだと騙された…という噂もある一品。

酪農家に生まれたのにビーガンになり「完璧な植物ベースの代替肉」ってのはないものか…という疑問を長年持ち続けていた男性、イーサン・ブラウンが、ミズーリ大学が研究していたものの将来性を見込み、メリーランド大学、企業2社と共同開発。

イーサン氏の目標「完璧な植物ベースの代替肉」を目指して作られた商品は、それまでの代替肉とは異なり、見た目はかなりホンモノ

現在はまだ鶏肉の代用品しかありませんが、Beyond Meat社では今後、卵、魚、そして他の肉類の開発も実施するそう。

そんなBeyond Meat社に注目し、Twitterの創始者のひとりであるエヴァン・ウィリアムズと、あのビル・ゲイツが出資していることがわかったのも、この商品の知名度をぐっと上げました。

最近になっては、アメリカで製品を販売する際に非常に有利とされている、「コーシャーマーク(注2)」も取得。

次世代の代用肉として、大きな可能性を秘めています。

実際、販売を開始したアメリカの大手自然食品スーパー・Whole Foods Marketではあっという間に売り切れが続出
西海岸から徐々に売り出されましたが、長いこと東海岸では入手困難でした(注3)。

商品は冷蔵庫に入ったデリ系商品として扱われてまして、「要冷蔵」。
お値段はやや高めの5.99ドルくらい。

こんな感じのかわいいパッケージです。
パッケージの素材も、再生紙や再生プラスチックを使用しています。

原材料は本当に植物系のみです。
基本的に、大豆と豆のタンパク質からできています。

風味は、ベーシックで使いやすい「軽い味付け(Lightly Seasoned)=薄めの塩胡椒」、アメリカ人が好むグリル風味の「グリル風(Grilled)=薄めの塩胡椒味にチャコールの風味」、メキシカンに利用しやすい「サウス・ウエスト風(South West)=薄めの塩胡椒にチリ&ライムの風味」の3つ。

味はどれも濃くはなく、そのまま食べられます。
アメリカ人は、マヨネーズで和えて野菜と一緒にサラダにしたものをサンドイッチに挟んだり、パスタやスープに入れることが多いようです。

中身はこんな感じ。
形は結構にランダムですが、基本的に細長い直方体です。

冷たいままでかじってみたところ、確かにかなり肉っぽい
今までの代用肉の中では相当にホンモノっぽく、「冷蔵した鳥の胸肉」という趣。

ただし、多少の大豆くささのようなものはどうしても残っているため、個人的には強めに味をつけて食べるのがおすすめ

あと、四角い形状はやっぱり気になるので、手で大きく割くといい感じです。

で、こんなものが手に入ったら、やってみるしかないですよね。
食べられなくなってしまった「チキンのインドカレー」!!!

その出来上がりはこちら。

ココナツミルクを使った、南インド風のカレーなのですが…。
ホンモノの鶏肉を使った時よりはあっさりしているものの、味的にはかなり満足できる「再現」となりました。

逆に、脂っぽいものを受け付けなくなっているわたしには、好都合な軽さ。
スパイスの強さがビヨンド・ミートの豆臭さを消してくれるのも、いい感じです。

そして、勢いづいて作った、ルウを使わない、カレー粉のみ使用の日本風・カレーライス
玄米雑穀ごはんといただきました。

肉の形状は確かに気になりますけども、お味はよかったです。

カレー2連発になってますが、他にも湯がいたものをサラダにしたり、生春巻きの具にしたりもしました。どれも代用肉としては充分のお働き。

以来、わが家の冷蔵庫には時々、入っています。

しかしながら、何度か調理してみてわかりましたが、「茹でる」「煮る」以外の調理法では、かなり固さが残るようです。
固さが残ってしまうと、どうも火を通しすぎの鶏肉のようで、モソモソして美味しくない…。

これはかなり残念。

というわけで、この件については今後の課題として、また報告させていただきます!


(注1)これらは肉食がNGの人だけじゃなく、アレルギー対応食を作る場合にも利用されていたりします。

形態は缶詰だったり乾燥品だったりと色々ですが、「素食」と呼ばれるベジタリアン食が盛んに食べられる台湾などでは、様々な植物系材料で作る「もどき食品」が数多く存在します。缶詰や冷凍食品、果てはレトルトなど。
マンハッタンでもチャイナタウンにある専門店で入手できます。

May Wah Vegitarian Market
213 Hester Street
(between Baxter Street and Centre Street)
New York, NY 10013
TEL:212-334-4428

 

野菜で肉の代用をすることも、もちろんあります。
茄子、きのこ類、蓮根や山芋をすりおろしたものなど、日本のお精進でも使うテクニックが使われます。

(注2)Kosher Mark、と言いまして「ユダヤ教の数々の規律を守った上で製造されている製品」…というお墨付きを表します。

ユダヤ教徒が戒律を守って生活するための、目安となるものです。
このマークを取得するには、かなり厳格な独特の審査があり、知人づてに聞いたところ、相当に厳しいものだそう。

その厳しさ故に、そのマークを取得している製品は「安全」という認識が、ユダヤ教徒以外にも広まっており「一定以上の製品基準を満たすもの」としても、認知されています。

マークには様々なパターンがありますが、基本的に「◯の中にU」が最もよく見かけるものです。
「K」を利用したマークでも表示されていることがあります。

食品だけではなく、洗剤、トイレタリー、紙製品などの生活用品全般にもついているため、アメリカのスーパーでしたら、チェックしてみるとかなりの数を見つけられます。

アメリカで販売されている日本のメーカーの食品や飲料でも、取得しているものを見かけることがあります。

(注3)Whole Foods Marketのデリコーナーでは、このBeyond Meatを使ったお惣菜を販売していて(「肉なしカレーチキンサラダ」など)、販促に一役買ってます。

今年のスーパー・ボウルの時期には「肉を使っていないバッファロー・ウィング」ということで、Beyond Meatを使ったバッファロー・ウィングが大々的に販売されていました。

ブリス・アップルドアのブログはこちら:BliBlo