ニューヨークからプロライター達がお送りする、「ここだけ」のおもしろ情報。

木槌でぶっ叩き! ブルークラブはいかが?

On: どすこいグルメ

さてわたくし、ワシントンDCに桜が贈られて100年を記念して開催された「伊藤若冲展」に行って参りました。
もちろん展示はDCのナショナル・ギャラリーにてというわけで、車でえっちらおっちら参ったわけですが。

その途中、DCにほど近いボルチモアの郊外に、ブルークラブを食べられるお店があるのです。
しかも時は4月下旬、ブルークラブは旬が始まったばかり。

こうなっては蟹好きの運転手をいたわるべく、寄って行くしかありません。
NYのお店でなくて恐縮ですが、ご紹介しましょう。

ブルークラブ(日本名・アオガニ)はワタリガニの仲間で、メリーランドあたりの名産です。
こいつの脱皮したてのヤツが「ソフトシェル・クラブ」ってアレですが、今回食べるのは、殻がしっかりしてるヤツです。

シーズン中のメリーランドには「クラブ・トラック」と呼ばれる、蟹を売るトラックの移動式店舗が街中を回るくらい、有名な蟹です。

ってなわけで、辿り着いたのがこの、「Costas Inn」。
だだっ広い幹線道路にどかーんと立っている、非常に味わいのない建物です。

中も同様、学食や公共機関の食堂に色気が降りかかった程度で、非常に雑、あえて言うなら「ラフなムードで気が楽」な感じです。
土曜日のランチタイムに訪れたのですが、店はガラガラ。

「本当に営業してるの?」と思ってしまうものの、駐車場にはひっきりなしに車が出入りしてます。
どうやら近所の方は、別の窓口で受け取る持ち帰りの方を利用するらしく、土曜の昼間から蟹を山盛り食べるなんて考えないようでした。

が、しかし、わたしたちには今しか時間がないというわけで、行かせていただきました。

「好きなトコに座ってぇ?」とお姉さんに言われて適当に座ると、「蟹は食べるぅ?」とすぐに訊かれます。一応、蟹以外のメニューもあるんですが、蟹で有名な店なので、デフォルトの質問というわけです。

もちろんそのために来てるので「ウン!」と元気よく返事すると、別のお姉さんがささっと持ってきてくれたのが「蟹セット」。

木槌がひとつずつ、紙ナプキンがドサッ。
そして、テーブルは表面をすっかり覆う大きさの厚めのクラフト紙でカバーされました。

そして、蟹の大きさを決めて数を決め、アペタイザーがわりにサラダを頼んで、オーダーは終了。あ、忘れちゃいけない、ビールもね(わたしは運転しておりません)。

運ばれてきた「いかにも」なサラダをつついて待っていると、20分ほどで蟹登場。

さあ、こんな感じ!

これ、茹で蟹ではなくて、蒸し蟹なのです。
蟹たちにゴッテリとまぶされているのは、チリなどをブレンドした、シーフード用のもの。
メリーランド土産としても名高い、「Old Bay」と言う名で売られているスパイスが近いです。

「どうやって食べるか知ってるぅ?」と訊かれたので、たぶん間違ってはないだろうと思いましたが、一応、お姉さんに実演してもらいました。

蒸したて熱々のを「あつっ」と言いながらやってくれたのを見たところ、以下のように食べます。

  1. 裏返して、逆さTの字になってる部分(ふんどし)を外す
  2. そのままの状態で、身と甲羅にナイフを入れ、身の方を持ち上げて殻を外す
  3. 真ん中あたりで半分に折り(柔らかいのですぐ折れる)、左右の脚側にあるエラ(グレーのヒラヒラしてる部分、ここは雑菌がたくさんいるので食べられない)を取る
  4. 好きにほじくって食べる
  5. 脚は身がついてないので食べなくてOK
  6. 爪は木槌で割って取り出して食べる(食べない人もいる)

こんなものフォークでちまちまなんてやってられません、手でガンガン行きます。
そのために、ナプキンがどっさり来るのです。

しかしこのスパイス、蟹の殻を外すと、漏れなく身にも振りかかるのですが、すごく塩が効いてます。飲み物や箸休めがないとちょっと厳しいかも。

わたしは前菜のサラダのドレッシングをオイル&ヴィネガーにしてたのですが、このヴィネガーをふりかけると、塩味がマイルドになってとっても美味でした。

蟹酢に近い感じと言いましょうか。
日本人的には非常にグー。

蟹爪はもちろん食べます!

かなり殻が硬いので、木槌はおもいっきりぶちかましてください!!
もう、雷神ソーの気持ちでガツンと!!!

むろん、殻の破片が床にバンバン散りますが、1ナノぽっちも気にしてはいけません。
もしやこの店、これの掃除のためにこういう雑〜なインテリアなのではと思いました。

だって、週末の夜ともなれば、あちこちのテーブルでバンバン蟹を叩いているはずですもん。

そして食べ終わった蟹たちはこの有様。
手はもちろん、ベッタベタ(笑)

食べ終わると、お姉さんがこのクラフト紙に蟹の殻ごと紙類を包んで持っていきます(木槌は包みません(笑))。
なるほど、確かに合理的。

量的には、普通程度に食べる大人ふたりでラージサイズを1ダズン、つまり一人頭6杯+サラダでお腹いっぱいです。

よく食べる人だったら、何か追加しないと物足りないかな?
シーフードがウリの店ですが、蟹以外もありますのでご安心を。蟹ものなら、クラブケーキもありますよ!

気になるお値段は、マーケットプライスなので毎日違うそうですが、この日はラージサイズ・1ダズンで55ドルでした。
熱々の蟹で実演してくれたお姉さんには、チップをしっかり払いました。

後日になって知ったのですが、この蟹たち、蒸す前は活きてるみたいです。
「活き蟹じゃない蟹は蒸さないように」と、メリーランド州発行の「蟹の食べ方」の本にありましたので。死んでしまうとすぐに雑菌が活性化するので、絶対に食べないようにですって。

車でないと行きにくい場所ですが、機会がありましたら、ぜひどうぞ。
美味しいだけでなく、蟹爪をぶっ叩くことで、ストレス発散にもなるかもしれません。

ちなみに、このような形でブルークラブが食べられる店はもっとあります。Googleででも検索してみてください。

わたしたちは「週末の昼間に食べられるのはこの店だけ」という理由で選びました。

COSTAS INN
4100 Northpoint Boulevard,
Baltimore, Maryland 21222

 

月・火・水・木・土:AM8:00〜 AM2:00
木・金:AM6:00〜 AM2:00
日曜:AM8:00〜 PM11:00
http://www.costasinn.com/

パーキングはお店の敷地にいっぱいあります。
ただし、夜は人通りのない場所のように思いますので、ご用心を。

ブリス・アップルドアのブログはこちら:BliBlo