ニューヨークからプロライター達がお送りする、「ここだけ」のおもしろ情報。

No.32 オキュパイ運動と1%を代表する大銀行の関係

On: 怒りの鉄拳! 紐育バガボンドが斬る!(更新終了)

9月17日にこのニューヨークの金融街であるウォールストリートの一角で始まった「オキュパイ」運動は、その後も衰えを見せぬまま全国各地に広がり、カリフォルニア州オークランドでは警察との小競り合いからゼネストにまで発展している。

結局のところ彼らが何を要求しているのかわからない、と責める意見もあるようだが、それはオキュパイ運動に加わる人それぞれを突き動かしている問題が多岐に渡っているからだろう。

単なる借金の踏み倒しや特定の法律制定ではなく、もっと社会を根幹から変えるべきだと思っている人がそれぞれ問題提起しながら参加しているために、どうしてもそうなりがちだ。

その運動のひとつとして、かなり具体的な行動がともなったのがBank Transfer Dayなどと呼ばれている運動だ。

これは元々、ギャラリーを経営している若い女性がバンク・オブ・アメリカが打ち出した、デビットカードの使用料5ドル、という新しい課金制度に疑問を感じ、フェースブックでイベントを呼びかけたところから始まった。

11月5日というのは、1605年のイギリスでガイ・フォークス率いるカトリック過激派による「火薬陰謀事件」にちなんだものなのだ。イギリスではこの日に花火を打ち上げたりする地方もある。

近未来のイギリスを舞台にしたコミック『Vフォー・ヴェンデッタ』がナタリー・ポートマンのエヴィー役でウォシャウスキー兄弟によって映画化されて、ガイ・フォークスの仮面を付けた「V」が登場する。


PHOTO : pittaya

アナーキストやキリスト過激派とは関係ないが、11月5日までに大銀行、すなわち、リーマンショック以後、政府によって税金で救済されながらその使い道も明かさず、解体もされずにあいかわらず預金者から巧みに様々な使用料をまきあげようとする金融業者から、地元の小規模銀行や非営利のクレジット・ユニオンに口座を移そう、という運動だ。

これに、折しも「ウォール街を占拠せよ」の名の下に各地でデモを続けていた人たちが賛同し、運動が広がった。

この1ヶ月の間に、通常の10倍以上の口座がクレジット・ユニオンで新たに設けられたという。

私も地元のクレジット・ユニオンを調べてみた結果、なかなか便利そうなところに加入できなかったので、地元の小さな口座に401(k)を移した。

元々、株取引には全く興味がないので、むりやり退職金を積み立てさせ、それをウォール街のミューチュアルファンドに入れさせるこの制度に懐疑的だったのだが、今回口座を開いた銀行は、サブプライム金融には全くてを出しておらず、従って政府からのTARP援助金ももらっていないところが気に入って口座を開いた。


PHOTO : Todd Dwyer

オキュパイ運動は要求や行動が具体的ではないとはいわれながらも、今回のMove Your Money Dayの運動は理に適っているのではないかと思われる。

Big Bankを敵とするのならば、それを小さくしてしまえという行為だからだ。
これでいくらぐらいのお金がバンク・オブ・アメリカから離れていったのかが気になるところだ。

そしてこの次には、ここまで銀行を大きくしてしまったグラス・スピーゲル法の撤廃を撤回してほしい。