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秋の映画特集 9月〜10月編

On: 夜の試写室

9月

「ドライブ/Drive(原題)」

アクション(100分)
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
主演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン

この作品で今年のカンヌ映画祭監督賞を受賞したデンマーク出身のウィンディング・レフン。

デビュー当時からヴァイオレンス・アクション(「プッシャー」「ブロンスン」)を独特の斬新なスタイルで描いてきた。

本職はハリウッドのスタント・ドライバー、内職は犯罪者の逃がし屋という若い男(ゴスリング)が、思いがけず事件に巻き込まれるというハイコンセプトな現代版ノワール。美しく緻密なヴァイオレンス・シーンが評判だ。

 

これまで主にインディ映画で活躍してきた監督と俳優が、今シーズン最も期待されるアクション映画携わったことが彼らの今後のキャリアにどう影響するかにも注目したい。

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9月16日公開

 

「マーガレット/Margaret(原題)」

ヒューマン・ドラマ(149分)
監督:ケネス・ローナガン
主演:マット・デイモン、アナ・パキン

実は完成から既に6年が経つこの映画。

これまでお蔵入りだった理由が色々とささやかれる中、米ではついに今月配給会社フォックス・サーチライトにより劇場公開される。

マンハッタンを舞台に繰り広げられるヒューマン・ドラマで、目的地へと急ぐ女子高生(パキン)が、偶然にも共犯者として関わってしまう悲惨な交通事故から立ち直ろうとする様を描く。

 
 

注目すべきは、撮影当時まだ30代前半だったデイモンとHBOヒットシリーズ「トゥルー・ブラッド」のスターとしてブレイクする以前のパキンだろう。

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9月30日公開

 

10月

「アイズ・オブ・マーチ/The Ides of March(原題)」

サスペンス・ドラマ(101分)
監督:ジョージ・クルーニー
主演:ジョージ・クルーニー、ライアン・ゴズリング、マリサ・トメイ、ポール・ジアマッティ、フェィリップ・シーモア・ホフマン

先週ヴェネチア映画祭のオープニングを飾り、好評だったクルーニーの監督兼主演プロジェクト第3弾。

2004年の米大統領予備選に立候補したハワード・ディーンの選挙スタッフによる戯曲「ファラガット・ノース/Farragut North」をもとに映画化された。

舞台を、オハイオ州(クルーニーの出身地)の予備選へとアレンジし、選挙事務所の広報担当者(ゴズリング)を主人公に、あるスキャンダルを軸に繰り広げられる選挙戦の裏側を描いたサスペンス・ドラマだ。

 

新しく付けられたタイトルは、おそらくシェークスピアの「ジュリアス・シーザー」の「Beware of the Ides of March」(シーザー暗殺の凶事を警告する台詞)を引用したものだろう。

以前より政治への関心が強いクルーニーを「ハリウッドの市長」と呼ぶ業界人も多いだけに、彼の今作品への意気込みも強そうだ。

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10月7日公開

 

Martha Marcy May Marlene(原題)「マーサ・マーシー・メイ・マーリーン」

サイコ・スリラー(120分)
監督:ショーン・ダーキン
主演:エリザベス・オルセン、ジョン・ホークス

今年のサンダンス映画祭で監督賞を受賞して以来、カンヌ映画祭(「ある視点」部門)、トロント映画祭(スペシャル・プレゼンテーション)と長期間に渡り注目されて来ただけに来月の公開が待ち遠しい。

新興宗教を脱出し、カリスマ的教祖(昨年アカデミー賞助演男優賞ノミネートのホークス)から離れたマーサ(エリザベスは双子のオルセン姉妹の下の妹)は家族のもとでもう一度人生をやり直し、普通の生活を取り戻そうとする。

 

しかし、自身が長い間行方を眩ませていた理由を明かすことができず、また新興宗教団体に再び連れ戻されるかもしれない恐怖に怯え、妄想が彼女を現実を徐々に崩壊させていく。

早口言葉のようなタイトルは、映画の主人公がストーリーの中の様々な状況に応じて使い分ける名前(家族内ではマーサ、宗教団体内ではマーシー・メイ、外部の他人に対してはマーリーン)を連ねたもの。

地味なインディ映画の殻を破り、やがてアカデミー賞作品賞候補にまでなった昨年のサンダンス話題作「ウィンターズ・ボーン/Winter’s Bone」同様、年末のショーレースに向けて静かな盛り上がりを見せるか。

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10月21日公開