ニューヨークからプロライター達がお送りする、「ここだけ」のおもしろ情報。

No.21 自分が今できることをやる! NYから送る日本支援のかたち

On: 生にゅー! 生のNYトレンド通信

※この記事は全4ページの構成です。文末のリンクから続きをお読みください。

3月11日、東日本を襲った大震災と津波の被害は、アメリカでも大きく報じられて、ここNYでも在米日本人たちは一様に激しい衝撃を受けた。

テレビやネットを通して流れてくる悲惨な映像や信じがたい被害の大きさ、そして遠く離れているために日本と連絡がつかない不安。

それはちょうど911の衝撃がもう一度やって来たようなものだ。

被災者のためになにかしたい。
日本のために少しでも役立ちたい。
なにができるかわからないけれど、なにかせずにいられない。

そんな気持ちにかきたてられて動いたNYの日本人は少なくない。
今まで慈善イベントや募金活動を行ったことがない人でさえも活動し、かつてないほど日系コミュニティの取り組みが盛んだ。

そんな日系ニューヨーカーたちのさまざまな支援の形をここで紹介したい。

【母親たちが立ちあがったユニオンスクエアの集会】

—日本人の母親たちが立ちあがった。

そう地元NYのテレビニュースにも大きく取り上げられた運動を巻き起こしたのが、Japanese New Yorkers and Moms United to Support Japanだ。

主催者は直子フィッツジェラルドさん。
二人のお子さんを抱えるお母さんだ。


直子フィッツジェラルドさん。
PHOTO : Canna Sasa

震災の翌日にユニオンスクエアに出かけた直子さん一家だったが、その時にふと思いついて息子さんにハートをあしらった日の丸の旗を作って三輪車に飾ってみたところ、思いがけないほど道行くニューヨーカーたちから慰めや励ましの言葉をかけられたという。

それならもっと多くのお母さんたちと子どもが一緒に集まれば、より多くのNYの人たちに日本の惨状を知ってもらい共感してもらえるのではないか。

そう考えた直子さんはさっそく友だちにメールを回して呼びかけた。

「募金も大切ですが、私はそれ以上にこちらの日本人同士が一緒に立ち上がって日本支援を呼びかけることに意味があると思います。
 
みなさん自身が母親として、被災地で被害にあっている同じような子持ちの人たちの置かれた境遇を考え、胸を潰されたはずです」

フェイスブックを立ちあげ、人から人へ伝わるうちに、あれよあれよという間に規模が膨れあがって100名以上の人々が賛同を示してくれた。

そして3月17日。
ベイビーやキッズもともにママたちがみんなで白と赤を身にまとい、自前のサインや旗などを持って集まることになった。


PHOTO : Canna Sasa


PHOTO : Canna Sasa


PHOTO : Canna Sasa

この呼びかけに多くのニューヨーカーが足を止めて募金をし、地元マスコミも多く詰めかけた。

おかげで募金総額は3時間で1万1千ドルを超える結果となり、米国法人日本国際交流センター(JCIE) のJapan NGO Earthquake Relief and Recovery基金を通して寄付。

この募金額もすばらしいが、それ以上に重要だったのが、アメリカのメディアを通して「日本が支援を求めている」と注意を喚起したことだろう。

というのもアメリカでは「日本は裕福な国」という印象が強く、たとえ災害があっても「援助はいらないはずだ」と誤解しているアメリカ人も少なくないからだ。

「日本の一大事に、こちらで暮らす日本人が一致団結したことが有意義な集まりだったと思います」

と直子さんはいう。

「私が最初の一歩のメールを出したことに、賛同してくださった人たちがたくさん集まってくれた。
 
それをみたメディアやニューヨークのNPOの人たちが更に共感してくれて新たな活動の場を提供してくれた。
ポジティブな連鎖が続いていて嬉しいです」

既に米国の非営利団体COMMON CENTSを通してニューヨークの公立高校に訪問し、日本の状況を訴えて支援を求める機会も設けられた。

この様子は収録されており、全米800余りの学校に配られる予定だ。

このことは募金よりも長い目で見たら大切なアクションなのではないか。

たとえば多くの日本の高校生にとってニューオリンズを襲ったハリケーン・カトリーナが遠い出来事としか意識されなかったように、日本での災害といってもピンと来ない米国の高校生だって多いだろう。

だからこそアメリカの高校生たちに伝えることが大切なのだ。
そしてそのタネが誰かの心に蒔かれて育った時、十年後の世界を変えていくことだってあり得るのだ。

ふつうのお母さんが思いきって立ちあがったことで大きな波を生みだした支援活動。
始めの一歩を踏み出してくれた、その勇気に感謝をしたい。

直子さんたちの活動のアップデイトは、Japanese New Yorkers and Moms united to support Japanフェイスブックにて。

<この記事には続きがあります>

 
Comments

読み終えて、ニューヨークに住む方々の日本に対する想いにただただ胸が熱くなりました。そして、カトリーナが米国南東部を襲ったときや、ハイチ、ニュージーランドで大地震が起こったとき、自分は同じようにその国の方々を想っていたかどうか、問いかけました。
東京で暮らす私に、海外に住む友人や、トモダチ作戦に参加した友人から何度も気遣いのメールを受け取っています。被災地ではないから大丈夫、と返事をしても何度も何度も。これからも、友人たちの気持ちの分も、自分ができる支援をしていきます。
ちなみに、ツイッター仲間が3/14に日本の「お弁当」で支援するサイトを立ち上げました。よろしければチェックしてみてください。
http://bento4japan.wordpress.com/
最後に、今回の震災は大きな痛みを私たちにもたらしましたが、日本を支援している方々の姿を見て、人間てやっぱり優しくてすごい生き物だな、と実感中です。

NYの直子さんたちの活動が今朝のNHKニュースで紹介されていました。
子育て中のママとして、被災地の赤ちゃん、お母さんのため
立ち上がった姿に子供のいない私も目頭が熱くなりました。
街頭で折鶴を配ったり、地元の高校生に被災地のオムツ、ミルクの不足を
教えたり、募金以上に心に訴える活動だと思います。
東京で、被災地とこれからの日本に自分が何ができるか考えました。
みんな!離れていても、がんばりましょう!

fuukuさん   ありがとうございます! そういっていただけると、なにより嬉しいです。
ところで「お弁当」サイトみました。おもしろい発想ですねえ。お弁当がそんなにインターナショナルになっていたとは! お弁当コミュニティあなどれませんね。
fukkuさんの言うとおり、人間のいちばんのいいところは、他人の痛みに共感できる感情かと思います。

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