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20名以上のミュージシャンが参加した 被災地支援のチャリティコンサート

On: ニッチなフォトログ

日本の被災地救援のために多くのチャリティイベントが行われていNY。
そのなかで20組ものミュージシャンたちが参加したコンサートがあったので、写真でご紹介しましょう。

「Stand with Japan」
日本を応援すると銘打たれたコンサートです。

19世紀に建てられた教会をコンサート会場にして、この夜多くの会衆が詰めかけました。
参加したミュージシャンは和太鼓からクラシック、ジャズ、グリークラブまでと幅広いですが、日本を支援したい心はひとつ。


NYのクラシック界で活躍する若手スティーブ・ベックのピアノと、
エリック・ジェイコブソンらによるチェロの演奏。


NYを拠点とするデュオ、VORTEX (永井晶子、 武石聡)
映画音楽も手がけている。

現代的な琴の演奏を披露した黒澤有美さんは岩手出身。
じつは津波による災害で、愛する叔父さま叔母さまを亡くされたという、つらい経験をしたばかり。

釜石で医師をされていた叔父さまご夫妻は患者たちを先に逃しているうちに、残念ながら津波の被害に遇われてしまったそうです。


二十弦琴を奏する黒澤有美はオリジナル曲を披露。

「けれども、そんな叔父叔母を誇りに思います」と涙をこぼしながらも、凛として聴衆の前で語った有美さん。
その澄んだ琴の音は、美しいレクイエムとなって聖堂に響きわたっていました。

ロンドンでの「マダム・バタフライ」の主役を務めた田村麻子さんは、公演直後に震災のニュースを耳にしたそう。
「歌い手として自分ができることで日本のために役立ちたい」とコンサートに参加して、アリア「ある晴れた日に」を美しいソプラノで披露してくれました。


西川悟平のピアノ伴奏で、「蝶々夫人」を歌う田村麻子。
ロイヤルアルバートホールで成功を収めたばかり。

パウロ・コエーリョ(Paulo Coelho)さんはクラシックギターでアレンジした「アメイジング・グレース(Amazing Grace)」を、チェロの伴奏とともに。


チェロを弾くイザベル(左)と、ギタリストのパウロ・コエーリョ。
ファドの影響を受けたパッショネイトな歌い方で定評がある。

「アメイジング・グレース」はアメリカでは誰もが知っている賛美歌で、ことにゴスペルで有名ですが、おもに葬式のミサで歌われることが多い曲です。

神の恩寵を称えて、心を救いあげてくれるこの歌は、追悼の気持ちを表すのにふさわしいものでした。

そして最後に登場したのがジャズ・ピアニストであり、シンガーとして「ニューオリンズのプリンス」という異名を持つダヴェル・クロフォードさん。
自身もハリケーン・カトリーナの被害にあったという経験の持ち主です。

「私はカトリーナの水害で自分の家もスタジオもすべて失いました。
だから知っています、それがどんな気持ちか。
自分が大切にしてきたものや親しいひとを亡くすのが、どんな気持ちか」

ピアノを前にして5年前の悲劇を語るダヴェルさん。

「けれども受けとったものもあります。
私たちはたくさんの愛を受けとりました。
日本の被災者のひとたちにも愛を届けたい」


ダヴェル・クロフォードはニューオリンズでもっとも勢いあるジャズ・プレイヤー。
ゴスペルからファンクまで身につけた表現力で人気。

そんなダヴェルさんが選んだ曲は、サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」とザ・プリテンダーズの「I’ll Stand By You スタンド・バイ・ユー」

かつて被災した人から今苦しむ人たちに送る歌として、これほど励ましになるメッセージはないでしょう。

このコンサートの募金はなんと3万ドルにも達して、すべてがセイブ・ザ・チルドレンを通じて日本支援に寄付されたそう。
詳細についてはHAPPY DOLL のサイトにて。

遠く離れたNYから、少しでも被災者たちに役立ちたい想いが届きますように。

Photographer:
CANNA SASA
http://cannasasa.com/

Tomonori Iwata
http://www.tomonoriiwata.com/

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