ニューヨークからプロライター達がお送りする、「ここだけ」のおもしろ情報。

消えた夢、新しい夢

On: 特出しコラム とびこみくん

Become Your Dream —- これはおそらく、チョーク書きで知られるニューヨーク在住のアーティスト、ジェームズ・デ・ラ・ベガ(James De La Vega)が書いたもの。(あるいはそれを真似た誰かが書いた?)

「夢見たとおりになれ。」「夢を叶えよ。」
彼がよく使うこの言葉は、自分の可能性を試す街ニューヨークにぴったりの言葉だと思う。

いつもの私なら、きっとこの言葉に刺激を受け、ポジティブに受け止めたことだろう。
でも私は、3.11の地震以来、震災のことで頭がいっぱい。

東北に友人が多いせいもあり、これを見たとき自分の夢よりも「被災者の夢」について考えてしまった。

今回被災した一人ひとりが、大小さまざまな自分の「夢」を持っていたと思う。
息子の結婚、孫の入学、憧れの仕事につくこと、退職後に夫婦で旅行に行くこと、別荘を持つこと、地元の産業で町を活性化すること、etc…。

そういう夢を叶えるには、まずは基盤が必要だ。
心のよりどころとなる家族、家、仕事、仲間、ふるさと。

それらの「人生の基盤」が地震で崩れ、津波にのまれてしまった。
手に届きそうだった夢が遠い遠い手の届かないところへ行ってしまった。

その絶望たるや計り知れない。

人は、夢や希望で満腹になることはできない。
でも、自分がどの方向に足を踏み出せばいいかを教えてくれるのが、夢や希望だ。

命だけは助かったものの、この先の暮らしが読めない被災者は、「こっちだよ」と行く手を教えてくれるものがなく、途方に暮れている。Become Your Dreamという前に、そのDreamがなくて前に進めない。

被災地で大至急で求められているのは、仮設住宅だ。夢を描くには基盤が要る。
残された家族や親戚、友人が寄り添い、励ましあう場所。
新しい夢を描くための場所が。

まずは、小さな小さな夢でいいから、一日も早く被災者が新しい夢を描ける状態になってほしい。

私は、ここニューヨークでできることをやっていこう。
それが私に加わった新たな夢だ。

東北の友人とやりとりすると、報道されない壊滅状態のエリアがまだまだあることがわかる。
全国版の新聞では情報が限られてしまうので、被災者の生活や自治体の対応などがもっと詳しく書かれている地方紙をできるだけ読みたいと思っている。

河北新報:http://www.kahoku.co.jp/
岩手日報:http://www.iwate-np.co.jp/
福島民報:http://www.minpo.jp/
茨城新聞:http://www.ibaraki-np.co.jp/

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