ニューヨークからプロライター達がお送りする、「ここだけ」のおもしろ情報。

No.35 友達にしたいベット・ミドラーと、距離を置きたいジェームズ・カーン

On: セレブの小部屋

一目会ったとたん、その嬉しそうな「重みのある」笑顔に惹きつけられてしまった。
なんか重力があるのよ、ベット・ミドラーって。

いま流行の整形手術をどう思うか、ってことについても、重みあるコメントで私を頷かせてくれた。

「自然の重力で、下に下がっていくんだから、またいつかメスを入れなきゃならないときがやってくる。
それを、いつまでやり続けるつもり? 
それよりも、いつかは自分の内に満足できる安らぎを持たなきゃね」

こういう人と一緒にいるとホッとする。
彼女は自分に対して安らぎを持っている女性みたい。

インタビューの後で知ったのだけど、ベットは来年60歳という年齢だった!
心からびっくりした。だって彼女、本当に若々しかったから。

内から出るパワーが外見をも潤す、っていう良い例を目撃した感じだ。
奥が深いよ、この人は。

ベット・ミドラーとニコール・キッドマン
(C) DreamWorks Pictures
『ステップフォード・ワイフ』では、ニコール・キッドマンと共演したベット・ミドラー

それにしても、思い出す。
昔、『ハネムーン・イン・ベガス』の取材で、アカデミー・ノミネート俳優ジェームズ・カーンの家を訪れたときのこと。

同時期に撮影したベット・ミドラーとの共演作『フォー・ザ・ボーイズ』の話になると、

「どこの誰がベット・ミドラーの歌う姿なんて見たいものか!」

って、耳を疑うような発言を放ったのだ。
彼女が歌うシーンなんてカットしたほうが良かったんだと、かなり真剣に、怒りながら、かましてくれたジェームズ・カーン。

そんな豪快さで、この業界、生きていけるのか。

この『フォー・ザ・ボーイズ』でも、『ローズ』でも、主演女優としてアカデミー賞 にノミネートされたベットなのだ。
グラミー賞受賞シンガーでもある彼女に対して、そんなコメントあり?

ところが『ハネムーン・イン・ベガス』で共演したサラ・ジェシカ・パーカーに対しては、仕事をした甲斐があったものだと、同じ共演者でも大誉めだったから笑ってしまう。

そして好き放題、喋ってくれたインタビューの終わり頃には、

「なんで君たち、映画の完成前に、うちに来ることになったんだい? どんな作品になるか、まだ分からない時点で、この映画についてインタビューするのはおかしいんじゃないかい? もしかしたらクソみたいな映画になっているかもしれないのに」

と、急に眉をひそめ出したのだ。
自宅に私たちを招いたあとで、そんなことを言い出すところが可愛いというか。
普通なら、最初から招かないと思うのだけど。

私と同行した2名の外国ジャーナリストは、彼の豪邸を去るときには思わず無言になっていたなあ。
考える前に正直な気持ちを口にだしてしまう典型的タイプを見たというか、なんかすごい貴重な体験で、ヒェーとなってしまったのだ。

ボロクソ言われていたベットは、こんな粗野なカーンのこと、相手にしなかったのかな。
それとも叱りつけちゃったりとかして、彼の機嫌を損ねてしまったのかな。

だけどベットも、面白いコメントをポロリポロリと軽快にこぼすって点では、カーンに負けてない。

「ポルノ女優が堂々と外界に出てこられるなんて、ちょっと前の時世では考えられな かったことよ。世の中は変わったわね。つまりパメラ・アンダーソンとかパリス・ヒルトンなんて、一昔前なら人前に出られなかったと思うのよ」

そんなふうに、さらりと満面の笑顔で語るベッド・ミドラーだから。

『ステップフォード・ワイフ』の取材では、「家事は何が得意か」という質問がでた。

彼女の横に座っていた共演者のニコール・キッドマンが「私は料理が好き」とか真剣に答えている脇で、ベットときたら
「私はワイン・ボトルの栓を開けるのが上手なの」
だって。

こういう人と一緒にワインを飲んだり、食事に出かけたりしたら楽しいだろうな。
こういう女性を友達にしたいな。
で、ジェームズ・カーンのほうは、距離を置いて友達付き合いしたら、かなり笑えるかも。

(c) 2004 Yuka Azuma

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