ニューヨークからプロライター達がお送りする、「ここだけ」のおもしろ情報。

わたしの愛するコマンダー『リディック』

On: 夜の試写室

あーーーー、何だ。
はっきり言ってねえ、宇宙がどうなろうとそんなもん、わたしの知ったことじゃないわけよ。わかる?
 
地球の反対側よりまだ遠い宇宙のことなんてマジでどうでもいいのね。
どっかの宇宙にある何かよくわからん惑星のなんじゃら言う宗教の教祖様がナニをどうしようが隣の家の晩ご飯より興味ないし、もうね、そんなの好きにすればいいじゃん。
あーあー、ホント、ホントにどうでもいいからっ!
 
あのネ、わたしはそんなモン観たくてわざわざ金払ってんじゃないのよ。
いいこと?
 
わたしが観たいモノはたったひとつよ。それしかないのよ。わたしが観たいって言ったらもう、アレしかないわ。だからさっさとわたしに差し出すのよ、おわかり?
 
ぐあー、違うちがうっ、ヴィン・ディーゼルの筋張った太腕がみたいわけでも、変にくにゃくにゃしたデザインの宇宙船とやらがブンブン飛んでるのを観たいわけでもないわよっ!!!
いいから四の五の言わずに出すのよっ、カール・アーバンをわたしの目の前にっ!
 
 
ああ、ラブたん。
ああ、カール、愛しいあなた。
 
あなたは今回もすばらしかったわ。
あの「耳周辺部を刈り上げた直立角刈り&ブレーズのしっぽ」っちゅー世にも珍奇な髪型も、あなたがやるんならすべてを許せるわ、それどころか、それが美しくすら思えるの。
 
特にあなたの耳の形があまりに華麗な曲線を描いているのには内臓ごと目眩がしたわ。はぁ。
これが自然の造形美ってやつなのね……。
 
ああ、あなたを天然記念物に指定したいわ。
ワシントン条約で世界の珍獣として保護したい。
 
ま、あの髪型を他のヤツがやってたら、指さしてマジ笑いするけどさ。
 
衣装もまたウフ~ンよ。
デザインがどうのこうの言う前に「それって戦う男の武装として意味あんの?」って小一時間問いつめたくなるくらいクソ重そうな甲冑の後ろからチラリチラリと見え隠れする、豪気に美麗な尻のラインと足の長さは思わず手を合わせて拝んでしまうほどよ。
 
ああっ。いいわっ、眼福、眼福っ! もっと見せてっ!! けちけちすんな、金ならあるっ!!!
 
それに、その、あの、アレ、甲冑着てない時の衣装の、あの、ナニは何?
あの、ナニ、凶器としか言いようのない、アレ一つで何故か世界が席巻できそうなほど獰猛なまでにエロすぎる腰のライン。アレってもう芸術よね。
 
いつもながらため息だけで無呼吸状態になれるほど感動するわぁ。んぁー、見てるだけで心臓止まりそうよ。たとえ貴様がゾンビでもかまわない、エロいモノはエロい。
 
目の下が黒いゾンビ印メイクってのもまたエロくてあなた、脳幹が日の出の爆風よろしくズゴーンと蒸発しそうになるのよぅ。
 
ああ、チャームポイントである眉毛もちゃんとキッチリみっしり描いてあって、えれーグッジョブっ!
 
細切れに台詞を言ういつものすごみっぷりも、毎度のことながら耳から蜂蜜が垂れて来そうなくらいに好きよ。
あんな三白眼で睨まれたらもう、速攻で走り寄って抱きしめちゃうわ。主に腰回りを。
 
コマンダー・ヴァコ、あなたは美しい。誰がなんちゅっても美しい。
ああ、ヴァーたん。愛しいわたしのコマンダー。今すぐ抱きしめたいっ!
 
…んだけどさあ、この映画はさあ、悪いんだけどさあ、わたしの「嫌い箱」に入れていい?
 
ごめんね、カールが悪いんじゃないって知ってるわ。
わたし、カールにだけなら100点中300点あげてもいいとすら思うのよ。カールに「だけ」ならね。
 
だって、もう、本当にヴァーたんは可愛くてキュートなんだもの。
上からは押さえられ、妻には尻を叩かれ、恐怖政治で世間を牛耳る教祖様にはいまひとつロイヤリティがないくせに命令に従って部下の指揮をしなくちゃいけないし。
 
ワイヤーアクションやった(本人談)っちゅー割にはそのシーンは1つしかないし、予告で使われてたフッテージのほとんどがお蔵入りしちゃってるし。
 
エエとこは全部リディックに持ってかれちゃって、監督とわざわざ撮影する予定もないバックグラウンド・ストーリーを作ったその甲斐が全くないほどに切ない扱いだし。
 
そもそも極悪武装宗教軍団(萎)のナンバー2って役付けなのにホントに強いのかどうかすらも定かじゃないし。
 
ああ、悲哀の中間管理職&恐妻家、何て可愛いヴァーたん。
もうね、あの大事な場面で「お許しを」って言っちゃうあなたには、わたしの全身全霊、全てをもって言いたいわ。
 
空飛ぶ宇宙船どもをブチ落とすスーパー・ソニックのごとく「愛してるわああぁあぁ!!!!ヴァーたあぁああぁぁんんんんんんん!!!!」って絶叫したいの。
 
 
でも、あの話はねえよな。特にあのオチはねえよな。
 
わたしは「マトレボ」以来初めて、映画館で「…っちょっとまてえぇえ!」って叫んじゃったわよ。
「マトレボ」のオチよかひどいなんて、公開を1年以上も指折り数えて待ってたわたしに対する礼儀がなってないんじゃなくって?
 
どーすんの、ちゅか、どうしたらいいの、アレは(笑)
 
いや、もうね、はっきり言って去年のワーストだった「アンダーワールド」よりひどい映画を自分で金払って観ることになるとは思わなかったわ。
 
今のトコ、わたしが今年観た何よりひどいわね。
もちろん「トロイ」よりゴイスーよ。
 
ヴィン・ディーゼル=リディックが初登場した映画「ピッチ・ブラック」が低予算作品の割にものすごくヒットしたもんで、よっしゃ続きを作るべえ、と予算もたっぷり取って(なんと「指輪」「SW」よりも高額な予算だってさ…ってマジ?)出来たのがこの「クロニクルズ・オブ・リディック」ね。
 
この続編は正確には「続編」と言うよりは「関連作」っちゅー感じ。
「ピッチ・ブラック」の5年後の設定になっていて、「ピッチ・ブラック」で生き残ったキャラは全員出演してるそう。
 
中でも本作のヒロイン「キラ」は前回生き残った少女が成長したキャラ…っちゅー割には5年でずいぶんでかくなってないか?
 
実はこれ三部作の2作目だそうで、この後もう一本続きが出来る予定らしいわ。
作品のプロフじゃ「サーガ」なんて言葉が使われてるし、こりゃデヴィッド・トゥーヒー監督の頭の中にはどえらい勢いでイロイロアレコレあるんでしょね。
フーン。
 
「リディック」には最近ユニヴァーサルが「ヴァン・ヘルシング」でもやってる「アニメとのコラボ」もあって、今回は「ジ・アニマトリクス」、MTVの「イオン・フラックス」で活躍したピーター・チョンが指揮をとって「DarkFury」って関連作品を制作してるわよ。
 
今回の話はまあ簡単に言うと「アンチ・ヒーローと極悪宗教軍団(萎)の戦い」っちゅーわけで、内容は~、そうね。
『手頃なSFライトノベルを2~3本読んでSF萌えになってる小学生が夏休みの宿題で書いた作文用紙50枚程度の創作物語』
を映像にした感じ。
 
んもー、どうにも説明&練り込み不足から来るお安い感が抜けませんわ。
 
何よりかにより、悪の教祖様に「悪の美学」ってモンが何もないトコが最悪でございます。
ねえねえ、映像もスバラシイでしょ、ってなモンでイロイロ気張ってるのはわかるんだけど、肝心の話がすっぽ抜けっちゅーかスカスカなんでねえ、どうも上っ面だけって言いますか。ぺらっぺらに薄いのよ。ハイ。
 
…んー、アレだね、コレって見た目派手だけど中身のない、安手のフュージョン・レストランみたい。内装や盛りつけは派手なんだけどイマイチ何がやりたいのかわかりません、っちゅーアレ。
 
どこにでも転がってるような三文話とお題をSFに持ち込んで並べて見せただけで客が納得するなんて、絶対に思わないでほしいわねえ。
 
そう言うのってね、ストーリーテリングの技術が要るのよ、技術がさあ。そりゃあそんなもんわたしが言うよなコトじゃないけどさあ(笑)
 
リディックの「アンチ・ヒーロー気取ってるケド、俺は女子供には優しいのさ」みたいなお安い中途半端なキャラも背中かゆすぎ、ステロタイプすぎ。もそっと味のあるキャラかと思ってたんだけど。
 
ファンの間ではリディックが「ピッチ・ブラック」の時よりユルくなっちゃってつまらん、っちゅー意見もあるわね。
 
その上さらに、覚悟はしてたケド「全編にわたってヴィン・ディーゼル様の筋肉ショー全開」でございましてね。まあ、しょうがないわよ、何割かはソレを見せるために作られてんだからさ。
 
コレはもう「お脳みそ筋肉ヴァカSF」っちゅー風に考えればいいんでしょ、たぶん。そう言う風にとらえるんなら、随所に出てくるレトロフューチャーな設定にも、無理矢理だけど頷けなくもない。
 
だもんで仕方なく最初は「はいはい」って観てたんだけど、コレが話が進むにつれてどんどん演出がエスカレートしちゃって大変よ、あなた。
 
いつでもどこでも必ず助かるリディックのあんまりと言えばあんまりな強運っぷり、遂に客から笑いが…。いや、だって、すごすぎだもん(笑)
子供だって笑ってたわよ。
こんなんもう、つっこみどころ満載どころかあなた、まずはどこからつっこめばいいかを教えてほしいわ。
 
そのわたしにとっては「つっこみどころの最たるモノ」であるあのオチ、さすがにあんなのは全く予想してなかったわねえ。もーーー、驚くの何のって(笑)
 
暗転した瞬間に「ちょっと待てやあ!」って叫んだわたしのキモチ、あなたもぜひ体験してちょうだい。
 
そう言う意味じゃあ確かに驚きはあったわなあ、どんでん返しのオチだわなあ。
次回に続くって意味合いでもあるのかしらね。…あ~ぁ。
 
これから観る人はね、どんなにつまらなくてもどんなにしょうもなくても、キャスト名が全部終わるあたりまでエンドロールを観てね。そらもー鼻血吹くほど笑えるから(笑)
わたしはもう、「ソレ」観た時には腹を抱えて笑ったわよ。
 
どうせえっちゅーねん、アレを!!!! 拝んだりなでたり洗ったりしろっちゅーんかい!
やっぱ、教祖様なんだからそうしろっちゅーことなんだろね。アレってヴィン・ディーゼルのファンなら欲しいかも知れないケドさ。
 
いやー、スバラシイ、わたしの「ワースト・ムービー」に燦然と輝く迷作よ。
来年のゴールデン・ラズベリーは決まったも同然ね…。っちゅーか、ゴールデン・ラズベリーにも相手にされなかったらどうしよう…。
 
ああ。ヴァーたん。わたし、切ないわ…。

宇宙征服度:★
カール・アーバン度:★★★★★、さらに、倍。

ブリス・アップルドアのブログはこちら:BliBlo

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