ニューヨークからプロライター達がお送りする、「ここだけ」のおもしろ情報。

長男の卒業式

On: ヒトコの小径

長男が無事に高校を卒業した。
やったね~!!

You made it!

取り敢えず、安堵する。
頑張ったね。
ほんと、マジで。


Justin Tate Ueyama-Burke, East Chapel Hill High School Class of 2017


卒業式の当日の朝。長男が着る予定のガウン。アメリカでは高校の卒業式から卒業生はこのようなガウンを着るのが伝統となっている。色やちょっとしたスタイルはそれぞれ学校によって違うので、学校から指定されたオンラインストアーで注文する。
オーダーしたのは、かなーり前で、まだ卒業できるかどうかわからないのに、オーダーしていいのかな?とドキドキした。
手元に届いたのは5月下旬だったけれど、お友達のA子さんがアイロンをかけたというので私もそうしておいた。さすが、細かいところも気が付く日本人ママ。確かにたたみじわがたくさんあった。私はただ広げてハンガーにかけておけば消えるかな?程度にしか思わなかったので、アイロンをかける、という考えさえも思いつかなかった。当日はそのまま袋から出して着ています、という生徒がほとんどだった。
しかし、私たち以外にもアイロンをかけたと思われるガウンを着ている生徒はもちろんいた。
自分がアイロンをかけただけに、そういうところに目が行ってしまったが。w

多分、どこのご家庭でもそのように感じているのかもしれないけれど、長男にとって高校生活の4年間は、決して容易いものではなかった

高校生活は、ずっと頭痛や怪我に悩まされ、友人・恋愛関係の中でもいろいろと揉まれたはず。
家族の問題もあったしね。

一般的多感な思春期&反抗期の子どもらしく、長男も

Life sucks!
You (←Mom) screwed my childhood!
I got nothing to do except skateboarding!
Life is so boring!

などなど、自分に問題があるだろうとは決して顧みず、散々自分のストレスを人にあたり散らす時期もあったし、やはり人並みにとても大変だった。

それなりに成長したと思うし、立派に困難なことにも乗り越えてきたと思う。

ま、言ってみたら、様々なハードルがあってこそ人間はみんな成長していくのだとは思うけれど、確かに彼には多分なくてもよいと思われる問題や悩みも多かったのかなと思う。

その結果、高校生には一人でまだ解決できない問題が押し寄せてしまい、本来なら進学先も決まり、あとは卒業式を待つのみ、という状態になると思っていた春先に、父親からのプレッシャーや将来の不安などがたまり、長男は体調を崩してしまった。

がつーん。

実際には春休みが入っていたので、休んだのは3週間ほどだったけれど、その間は、ドクターやカウンセリングにも通いながら家庭教師もつけて、どうにか学校の勉強に追いついてしっかりと卒業できるように家族が一丸となって頑張った。

私は仕事を休んでつきっきりになり、同じ高校に通う次男は、クラスの合間を縫って兄の先生に会いに行き、宿題の資料やペーパーを持ち帰ってきてくれた(次男、ありがとう!)。

すっかり元気になった今振り返ると、長男が独り立ちしようとする前のこの時期に、ある意味家族の絆が強まったわけで、私たちにとってはとても貴重でありがたい出来事になったのではないかと思う。

今までたまっていた悪いものが全部きれいに流れ出て、すべてとは言わないにしても、かなりきれいさっぱりした。長男が一番苦しかったと思うけれども、しっかりとみんなで浮かびあがることができた、そんな感じがする。多分、今までよりもいい場所へ這い上がれたようにも思う。

長男はもともととても頭のいい子どもなので、なんでもやればしっかりとできる能力は持っていると信じてはいたが、学校へ復帰したと同時に勉強のキャッチアップは驚くほど速かったし、ファイナルでもいい成績を収めることができたというのは、彼の努力の成果だ。

最初から乗り気でなかったことも手伝って、最終的には一緒に行く女の子がいないという理由からシニアプロムは参加しなかったけれど、高校生活最後の2か月ちょっとを再び仲の良いお友達たちやクラスメイトに囲まれて、幸せに過ごすことができて本当によかったね。

卒業式が終わったその夜、学校のPTA主催の卒業パーティーへと出かけて行ったが、今までだったら、学校関係行事には一切参加しなかっただろうに、彼の中でもこの一年の間で、きっと何か吹っ切れるものがあったに違いない。

11時から始まったそのパーティーには、2時頃には帰ると言っていたが、結局帰ってきたのは、朝の4時半だった(らしい)。

カラオケあり、睡眠術ショウあり、夜中のドッジボールやカジノありの、楽しそうな企画満載で(アルコール・ドラッグ・マリワナフリーの)健全なパーティーだったようだ。

私はその夜、日中撮った写真の整理をしながら感慨にふけっていた。写真に写っている長男は、本当に嬉しそうで、それを一生懸命表現している。

それが親としては何よりも嬉しかった。

卒業式には来て欲しいとずっと前から伝えていた父親が来れず、それだけがとても残念なのだけれど、本当なら元夫だって一緒にお祝いしたかったはず。

我が子の卒業式を見届けられないなんて、あまりにもお気の毒。
彼には実況中継で写真やヴィデオも送ったし、私としては大サーヴィスしたんだから。


私たちの学校地区ではすべての公立高校は UNC Chapel Hill(ノースカロライナ州立大学)のバスケットボールスタジアムで開かれた。
この大学のバスケットボールチームには、かつてマイケル・ジョーダンが所属し活躍していた。ジョーダンは、ここでたくさん練習しプレイしていたわけで、地元では聖地のように讃えられているスタジアムだ。
合同卒業式だと思っていたら各学校の時間が決まっていて私たちは一番早い朝9時からの部だった。とっても広い場所だったけれど、後ろの席はガラガラだった。


入り口にはこのように白い洋服に黒いタスキをかけたジュニアの女子生徒と紺のブレザーを着た男子生徒が「ジュニアマーシャル」としてボランティアをしていた。
次期卒業生である3年生で成績が優秀なトップ生徒の中から選ばれるとても名誉な役なのだそうだ。


天井からぶら下がっているのは、この州立大学のロゴ。
生徒はセルフォン持ち込み禁止だったので、終わった時の待ち合わせ場所を式が始まる前に長男に伝えに行ったら、卒業生たちは、それぞれの入場場所でこんな風に待機していた。


お、いたいた。長男発見。右に写っている男の子は長男が転入した時に最初にお友達になってくれたM。
当時は長男よりも背が低かったのに、現在は6フィート以上ある頼もしい青年に成長している。アメリカンフットボールの選手として奨学金をもらって大学へ進学することになったらしい。彼のママはいつ会っても誇らしげ。


席を確保して始まるのを待つ私たち。
ニューヨークからはアントジャッキーが来てくれた!彼女は長男が中学を卒業する時にも来てくれた。

さて、卒業式は始まった。

 

 
 

 
とこんな感じで式は進み、続いて国家斉唱、生徒会会長(Student Government President)のスピーチへと続いた。

 

アメリカの卒業式はただ単に高校から巣立っていくということを表彰するだけの式でなく、何と言っても卒業生のそれぞれの業績を讃えるものである。しっかりとそれらの優秀な生徒たちは、卒業式でも認識されるわけで、勿論、卒業証書にもその印は残る。

卒業式より一足早く、各奨学金や名誉ある賞などを受賞した生徒の表彰式などは事前に行われ、優等生たちは、メダルやらタッセルやらがまるで勲章のように与えられた。

本来は、卒業式にこのようなメダルやタッセルなどもジャラジャラつけるのだろう。が、うちの高校では「式典」では、みんなと同じ白いストール以外は一切禁止ということだったようだ(なんだあ、面白くないね。でもこれも「平等」ということを意識したのか?)


卒業式が終わって写真を撮るときにはやっぱり付けましょう、ということでお友達が身につけていたのはこんな感じ。
「Career and College Ready Graduate」と書かれたメダル、赤いオナーテクノロジーソサエティーのストール、そして、オナークラブの紫と白のタッセル。彼は、UNC Chapel Hill へ全額奨学金を受けて進学する。すごいね〜!おめでとう!
ママ曰く「本当受験は大変だったよね。息子たちが頑張ったのは勿論だけど、私たちも頑張ったよね!」と言っていた。日本の受験とはまた違ったサポートがアメリカの受験には必要で、私たち親も表彰されたいぐらいだわっ!


卒業式のパンフレットには卒業生全員の名前が載っていたが、名前の横には各オナークラブやソサエティーに所属の有無がしっかりと記されていた。えぇ?こんなのがあるとは知らなかった〜。
サービスアワーについてはなんとか表彰されるに至ったのでよかったが、後で調べてみるとこの中の2つは充分に資格があったことも判明した。

「マミー、なんで僕、クラブとか入らなかったの?」

と、ニヤけてとぼける長男だったが、そもそもなんでそういうことを私に聞くのかな?
自分でやらなかったからでしょう?

チミがスケボーに嵩じていた間に、周りのみんなはしっかりとそういうことも取り組んでいたわけよっ。

きっとお知らせメールをミスったとか、例えば推薦されていたとしてもそのまま無視してその後の手続きを怠っていたとかそういうことだったのだと思う。

長男は全く学校関連のことはすっ飛ばすタイプだし(←わー、私の高校時代とそっくり!)、3年生が終わる頃まで受験に対しても無頓着だったのだからしょうがない(←これも私にそっくりかも。汗)

アメリカという国は、なんでもアンテナを張って自らが行動しないとダメだといういい例だと思う。

なるほど、成績(GPA)やACTのテストスコアーがクリアしていたのに、第一志望の大学への合格がペンディングとなりウェイトリストに送られたのも、APクラスなど含め長男が選択していたカリキュラムの難度が足りなかったことや、高校4年間で培われるべき学業に対する目的意識やゴールへ向かうという積極性のなさにも原因があったのかもしれない、と終わってからいろいろと気がつくこともあった。

アメリカの受験は、奥が深く、勉強だけしていればいい、というわけではないのだ。

卒業式の続きに戻るが、ハイライトは、何と言っても「valedictorian」と呼ばれる「卒業生総代(首席卒業生)」のスピーチだ。

高校によっては、次席卒業生の「salutatorian」のスピーチがある場合もある。

この首席次席の選び方にも最近は賛否両論なため(同じクラスを取ってるわけでない様々な課外活動や経歴を持つバックグラウンドの違う生徒たちの中からどのようにランクをつけるのか、という意味で)、高校によっては、クラスランクなども廃止している場合もあるらしく、うちの高校では、合計28人もの生徒の名前が「首席」として連なっていた。

世間で話題となるValedictorianのスピーチは、過去のユーチューブ動画にあるように、「カミングアウト」したりステージでガールフレンドに別れを告げたりするなど、はたから見ていると不適切だがかなーり興味深いと思われる内容で、インパクトのあるスピーチを堂々とする生徒が増えているのだそうだ。

長男の高校で「valedictorian」を代表してスピーチをしたのは、長男と同じクラスを取っていた女子生徒だそうで、卒業後はハーヴァード大学へ進学する。事前に学校側から内容のチェックがあったのかはわからないが、優等生らしく、特にショッキングな内容もなく伝統的なスピーチだった。

 

 
卒業証書を受け取る長男。
一人一人名前を呼ばれてステージへ行くのは、日本と同じ。

名前が呼ばれると家族はそれはそれは飛び上がって喜び、拍手をして歓声をあげる。
私たちもみんなで一斉に立ち上がって長男の名前を叫ぼうね、と提案したら、長女と次男に却下された。

 

 
確かに、このようにやられると周りはやや迷惑(汗)。
でも、子どもはやっぱり嬉しいだろうね。ここは親戚一同で来ていたので、かなーりうるさかった(汗)。

 

 
しかし今の時期、卒業式の笑える動画としてネットで話題になっていたこのプラウドパパのような父兄はたくさんいたわけで、どこのご家庭でもそれぞれここまでの道のりは決して簡単ではなかったのだな、と察する。
みなさん、ほんとおめでとうございます。

 

 
リハーサルではビーチボールは持ち込み禁止と言われていたらしいが、やはり持ってきていた生徒は数名いたわけで、アメリカの卒業式には欠かせないビーチボールがぽんぽんと散らばった。

最後は勿論帽子を投げる(このガウンと帽子は2年後の次男のためにも使えるね、と思っていたら、長男も帽子をどこかへ投げて無くしてしまった。もーっ。←セコい)。

アメリカの卒業式には涙はない。

「巣立ち」とか「別れ」というよりも、自分たちの今までの業績を讃えるものであり、喜びと歓喜に満ち溢れている感じ。

私も予想に反して全然涙は出てこなかった(w)。
数日前に長男のカウンセラーからもらったメールを読んだ時には号泣したんだけどね。

Good morning,

I just opened and read the card that Justin dropped by my office this morning. I want to send a heartfelt thank you to both of you for the kind words, the thought put in selecting the card, and the generous gift card to Starbucks, one of my favorites!

It has been a pleasure getting to know Justin these past two years. Justin, you are hard working, honest, caring, and determined. I know you will do great in college and in life as you strive toward meeting your goals and figuring out your passion and your purpose. I know you will soar, especially with the love, support and encouragement of your number one fan, your mom! Wishing you both all the best! Congratulations on this milestone and I look forward to seeing you at graduation.

Warm Regards,
Mrs. XXX


式が終わってジャッキーから祝福のハグを受ける長男。


高校卒業のディプロマを手にする長男。

本当に卒業したんだね〜!

おめでとう。
でもこれからが本番だよ。

途中、いろいろな試練にぶち当たり期待したように前に進めなくなった時もあったが、その分将来の道を見つける上で、深く考えるチャンスが与えられたと思う。最終的に日本の大学へ行くことを選んだ彼のチョイスはベストだったように思える。

まだまだ長い人生という道を、時にはつまづいても立ち止まっても(そして方向転換をしても)いいから、しっかりと確実に歩いていけるように、これからも頑張って欲しい。


家族写真。朝は寒かったけど、途中からとっても暖かくなった。お天気でよかったね!

上山仁子のHP:http://www.hitoko.com/

上山仁子のブログ:http://ameblo.jp/nymommy/

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