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No.60 震災から6年目をむかえ、NYでTOGETHER FOR 311追悼式典が開催

On: 生にゅー! 生のNYトレンド通信

ニューヨークでは3月5日(日本時間6日)に、第6回TOGETHER FOR 311大震災追悼式典が催されました。

あの日どれだけの命が奪われ、涙が流されたことでしょう。
東北復興地では産業や交通は大きく回復しましたが、いまなお多くの方が避難者となっています。

遠くに暮らしているからこそ日本のことを強く想う私たちが、9.11を乗りこえてきたニューヨーカーである私たちが、できることは、なにより「忘れない」こと。
その想いで、多くの人たちが集いました。

今回の式典は、昨年起きた熊本大分地震への追悼と支援も含めていて、420人が参列しました。

髙橋礼一郎ニューヨーク日本総領事の呼びかけで参列者は一分間の黙とうを。

式典には福島県立ふたば希望未来学園の生徒9名も参列しました。
この学園は震災後に新しく設立されたもので、生徒たちは国連を訪れる目的でNYに来米中でした。

会場では被災地からビデオのメッセージが届けられました。
岩手、宮城、福島、そして熊本と大分からそれぞれ現地の声が届けられて、参列者が聴きいりました。

岩手県からは陸前高田市の戸羽太市長がビデオで登場。
震災前は23000人だった人口が、現在19000人に減って、今なお204名が不明者だそうです。

市内で震災のために親を亡くした子どもは約100人。
戸羽市長自身も夫人を亡くされていて、二人の息子さんも母親を失った遺児です。

そうした遺児たちが少しでも前向きになれるように、当時の米国ルース大使に「子どもたちにアメリカを見せて下さい」と依頼したといいます。

そこで始まった「友達プログラム」によって震災遺児たちの渡米が実現しています。
震災当時6年生だった戸羽市長の息子さんも、高校生になってからこのプログラムでアメリカを訪れたそうです。

「いまだに2500人が仮設住宅に住んでいます。まだまだがんばっている人たちがいることを忘れないで下さい」

戸羽市長は訴えました。

福島県浪江町からこの式典のために訪れたのは、大堀相馬焼松永窯四代目の松永武士さん(28歳)。スピーチをしてくれました。

もともとは窯を継ぐ気はなかったという武士さん
大学で経営学を学んで、中国で起業していたところに、震災の知らせを受けたそうです。
原発事故で浪江町が避難区域となり、実家の窯元を閉めざるを得なくなったことから一転して帰郷、120キロ離れた西郷村で窯を継いで再建したそうです。

ある日、相馬焼を買ってくれたお客さまが、
「相馬焼があると、浪江町の暮らしや風景を思い出す」
といってくれたことに、文化がアイデンティティとつながっていることに気づいたといいます。

「文化を残すことは故郷を残すこと。
大堀相馬焼を広めることにより、浪江町をたくさんの人の心に残ってもらえるように世界に広めていきたいと思います。
文化を次世代に残すことで故郷を残したいと思います」

そしてもうひとつ松永さんが「お願いがあります」と伝えたのは、福島のことでした。

「福島の帰宅困難区域外は普通に住むことができますし、そこで生活している人もたくさんいます。
福島の人たちが普通どおりの生活をしていることを皆様のご友人や同僚の方にお伝え下さい」

また大分県からは別府市で岡本屋旅館を営む岩瀬伸子さんがビデオでメッセージを。

昨年の震災時には旅館が大きく損傷して傾き、露天風呂の湯もすべて流れてしまったといいます。
修理をしても3ヶ月間まったく客足が絶え、それでも一人も職を失わないように団結してきて、今は安全に旅館が経営できていると報告しました。

「みなさんの温かな言葉や気持ちを、これほど生まれてから感じたことがなく、その言葉に支えられて今ここにいます。
ぜひ大分にお立ち寄り下さい」

とメッセージを送りました。

そしてNYの「風の環」少年少女合唱団がコーラスを。
この合唱団は、NYの日本語補習校に通う子どもたちでなりたっていて、日本語の歌を練習しています。

子どもたちは「さくらさくら」や「フレフレ熊本 熊本バージョン365歩のマーチ」を合唱しました。

主催団体フェローシップフォージャパン代表のAK(柿原朱美)さん「震災から6年が経ったが、忘れていないということを伝え続けたい」と語りました。

式典会場のチャリティ販売コーナーでは、大堀相馬焼や、被災地で作られている「まけないぞう」などが販売されて、人気に。

式典に集まった寄付は、領事館とジャパンソサエティを通して被災地に届けられ、また会場で書かれたメッセージカードも、後日被災地に届けられる予定です。

photos : 加藤リサ、壱岐倫子、ほりうちあつこ

陸前高田市 戸羽太市長

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