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もうすぐアカデミー賞授賞式! 2017年のオスカー主要部門を予想!

On: 夜の試写室

あと2週間足らずで今年のアカデミー賞授賞式が開催される。

今年のオスカーは、ミュージカル映画の『ラ・ラ・ランド』(La La Land)が、過去の最多ノミネート作品である『イブの総て』(1950、監督ジョセフ・L・マンキーウィッツ)と、『タイタニック』(1997、監督ジェームズ・キャメロン) と並んで最多14部門でノミネートされたのが大きな話題。

13日からはいよいよ最終投票が始まり、21日の締め切り、集計を経て26日にはお待ちかねの授賞式だ。投票も始まっていないのに気の早い話だが、粒ぞろいの今年のオスカー、どの作品とどの役者が受賞しそうかを予想してみた。


作品賞

候補:

  • Arrival『メッセージ』
  • Fences『フェンス』
  • Hacksaw Ridge『ハクソー・リッジ』
  • Hell or High Water『最後の追跡』
  • Hidden Figures『ヒドゥン・フィギュアーズ(原題)』
  • La La Land『ラ・ラ・ランド』
  • Lion『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』
  • Manchester By the Sea『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
  • Moonlight『ムーンライト』

予想:Hidden Figures『ヒドゥン・フィギュアーズ(原題)』


© 20th Century Fox

基本的にアカデミー賞では、各部門の投票はその部門に従事する会員しかできないのだが、作品賞は全会員が専門分野に関係なく投票できる。それだけに予想の難しいところ。

特に今年作品賞の候補になったのはどれをとっても秀逸な作品ばかりで、どれが受賞しても「なるほどな」と納得させるものがある。

アワードシーズンの人気者、ミュージカルの『ラ・ラ・ランド』は2011年のフランス映画『アーティスト』を思わせるノスタルジーに溢れた映画だ。

『アーティスト』がサイレントからトーキーへと移行する時代のハリウッドを描いて映画へのラブレターにしたように、ミュージカル黄金時代へのオマージュとなったキュートな作品の『ラ・ラ・ランド』が、このままオスカーの作品賞も持って行きそうな勢いだ。

でも私の予想はHidden Figures
1960年代に実在したNASAのスペースプログラムを影で支えた黒人女性たちを描いた物語で、今年の候補作品は少々悲しいお話が多い中、見終わった後にどっぷり幸せな気分に浸れて気分が高揚する作品だ。

トランプ政権になって以来暗い話題で持ちきり。
そんな暗い気分を消し去ってくれるようなこの映画にアカデミー会員の票が集まるのではないか? 

そんな気がしてこれを選んでみた。


監督賞

候補:

  • Arrival 『メッセージ』– ドゥニ・ヴィルヌーヴ
  • Hacksaw Ridge『ハクソー・リッジ』 – メル・ギブソン
  • La La Land 『ラ・ラ・ランド』 – ダミアン・チャゼル
  • Manchester by the Sea 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』– ケネス・ロナガン
  • Moonlight『ムーンライト』 – バリー・ジェンキンス

予想:La La Land 『ラ・ラ・ランド』 – ダミアン・チャゼル


© Lionsgate>

『ラ・ラ・ランド』か、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』か、はたまた『ムーンライト』か。

かなり迷うところだが(そして個人的には『マンチェスター』『ムーンライト』が受賞してほしいと思うのだが)、この部門は先日DGA Awardsを受賞した『ラ・ラ・ランド』が受賞するはず。


主演男優賞

候補:

  • ケイシー・アフレック – Manchester By the Sea『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
  • アンドリュー・ガーフィールド – Hacksaw Ridge『ハクソー・リッジ』
  • ライアン・ゴスリング – La La Land『ラ・ラ・ランド』
  • ヴィゴ・モーテンセン – Captain Fantastic『はじまりへの旅』
  • デンゼル・ワシントン – Fences『フェンス』

予想:デンゼル・ワシントン – Fences『フェンス』


© Paramount Pictures

この分野は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』ケイシー・アフレックが最有力と言われていたところ、先日のSAG Awardsでなんとデンゼル・ワシントンが受賞して、デンゼル本人もかなり驚いていた。

この番狂わせはひょっとしたら、SAG直前に話題になったアフレックの過去のセクハラ事件の影響もあるのかもしれない。

アフレックは、ホアキン・フェニックスが突然ヒップホップアーティストに転向すると宣言してからの行動を追った、自身が監督した2010年のモキュメンタリー『容疑者、ホアキン・フェニックス』(I’m Still Here)の撮影中、プロデューサーの女性と撮影の女性2人に数カ月以上セクハラ行為を続け、2人がプロジェクトを去った後、契約通りに映画へのクレジットを与えなかったとして訴えられていたのだ。

この裁判は和解して決着がついているものの、当時業界に不快感を与えたこのモキュメンタリーのことをアカデミー会員たちはまだしっかり覚えているだろうし、過去のセクハラ事件指摘の声によって、当時の不快感を思い出した会員たちがアフレック離れするかもしれないという予想から、SAGを受賞したデンゼル・ワシントンを予想。

でも実は、『マンチェスター』のアフレックはオスカー受賞に値する素晴らしい演技を披露したと個人的には思っている。

アフレックがもし私の予想どおり今年のオスカーを受賞しなかった場合、是非彼に言いたい。「過ちはその都度しっかり反省し、反省したことを皆にしっかり見せておくべし!」 


主演女優賞

候補:

  • イザベル・ユペール – Elle『エル(原題)』
  • ルース・ネッガ – Loving『ラビング 愛という名前のふたり』
  • ナタリー・ポートマン – Jackie『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
  • エマ・ストーン – La La Land『ラ・ラ・ランド』
  • メリル・ストリープ – Florence Foster Jenkins『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』

予想:エマ・ストーン – La La Land『ラ・ラ・ランド』


© Lionsgate

この部門はエマ・ストーンナタリー・ポートマンイザベル・ユペールが強い。

もともとはJFK暗殺直後のジャッキー・ケネディを演じたポートマンが本命と言われていた。

個人的にはポートマンの演技は初期の作品以外(多分『スター・ウォーズ』以降)どの役もなんだか硬く感じ、しかも頭でっかちな熱演にはいつも置いてきぼりを食らう感じがしていたのだが、この作品はその置いてきぼりを食らう感じが役に合っているといえば合っていると思う。

とは言っても、巷の絶賛にはやはり置いてきぼり感を食らっているのだが。

個人的には、この部門に『メッセージ』(Arrival)エイミー・アダムスが入らなかったのがとても残念。『メッセージ』アダムスのきめ細やかな演技がとても素晴らしくて、映画を見たときは「これで彼女のオスカーも確実だな」と思ったもんだが、なかなかわからないもんだ。

もう1人ノミネートされずに残念なのは、Hidden Figuresタラジ・P・ヘンソン。彼女が今年のアワードシーズンで全く引っかからなかったのはかなり意外だが、それだけの激戦区だということだろう。

さておき、この部門は、ストーンSAGを受賞したところから判断しておそらくストーンが地滑り的に受賞するんじゃないかと予想。

ただし、SAGには引っかからないフランスの女優ユペールがダークホースとして入っているので、ひょっとしたらこの賞はユペールに行くかもしれない。

どんでん返しの可能性が有るスリリングなカテゴリーだ。


助演男優賞

候補:

  • マハーシャラ・アリ – Moonlight『ムーンライト』
  • ジェフ・ブリッジス – Hell or High Water『最後の追跡』
  • ルーカス・ヘッジズ – Manchester By the Sea『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
  • デヴ・パテル – Lion『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』
  • マイケル・シャノン – Nocturnal Animals『ノクターナル・アニマルズ(原題)』

予想:マハーシャラ・アリ – Moonlight『ムーンライト』


© A24

この賞はマハーシャラ・アリが最有力。

『マンチェスター』
で父親を亡くしたティーンエイジャーを演じたルーカス・ヘッジズもすばらしく、もし彼が受賞してもちっとも驚かないし、『ライオン』デヴ・パテルも力強い演技を見せた。

ただ、デヴ・パテルは子ども時代を演じた子役のサニー君がそのキュートな魅力で観客をメロメロにしてしまうため、大人時代を演じるパテルは少々損をしている気がする。(そもそもなぜ彼が助演なのかはちと疑問だ。)

『ムーンライト』マハーシャラ・アリは、出演シーンは少ないものの、どうしようもない状況にやるせなさを感じる中で、あたたかい愛情と気高さを見せ、厳しくも美しい映画の中の柔らかい光的な存在だ。

彼が受賞しなかったら私はテレビの前で暴れると思う。


助演女優賞

候補:

  • ヴァイオラ・デイヴィス – Fences『フェンス』
  • ナオミ・ハリス – Moonlight『ムーンライト』
  • ニコール・キッドマン – Lion『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』
  • オクタヴィア・スペンサー – Hidden Figures『ヒドゥン・フィギュアーズ(原題)』
  • ミッシェル・ウィリアムズ – Manchester By the Sea『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

予想:ヴァイオラ・デイヴィス – Fences『フェンス』


© Paramount Pictures

この部門はデイヴィスで鉄板。彼女以外の受賞は全くありえないほど、デイヴィスがダントツに強い部門だ。

ノミニーの5人を見ていて、そういえばスクリーン上で泣かなかったのは唯一オクタヴィア・スペンサーだけだなと思うと、一瞬スペンサーの静かで力強い演技にオスカーをあげたくなったが、いやいや、『ダウト』の頃からデイヴィスが見せる目と鼻の両方から涙を流す演技とその熱い感情のほとばしりには胸を締め付けられているので、今年はやはりデイヴィスで決まり。

オスカーの受賞スピーチで胸を締め付けられるのを期待している。


以上、駆け足で作品賞、監督賞、演技賞だけを予想してみた。
残りのカテゴリーはこれからじっくりあーでもない、こーでもないと予想する予定だ。

2017年のアカデミー賞授賞式は、2017年2月26日午後5時半(カリフォルニア時間)にハリウッドのドルビー・シアターにて開催される。司会はコメディアンのジミー・キンメル

Sooim Kimのエンタメ記事はこちらでも! Hedgehog Note: https://hedgehognote.com

 
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