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年齢差別の中でマドンナが頑張っているという話と女性軽視の大統領を持つ社会での女性の危機感について

On: ヒトコの小径

マドンナがまた最近巷で話題に上っている。

80年代のデビュー当時からマドンナのファンだった元祖ウォナビーズだった私としては、嬉しい限り。

私だって、当時は十字架(ロザリオ)をじゃらじゃらつけ、クラブをはしごしていたものだわーん。
楽しかったなー、あの頃は。

🎶 ライク ア ヴァージン ポー 🎵 

まだまだ若かったし、日本の時代背景においても今とは違って、イケイケモードは絶頂期。
怖いものなしって感じだった。懐かしいな。

時が経ち、いろいろあったがその後、(私も)マドンナも母となり、子どもの手前彼女も多少は変わるのかなあ?と思っていたら、それでもFワードを連発し全然変わらない様子で世間を騒がせ続けていた。

相変わらずすごいパワフル。
ちょっとやり過ぎと思うことは多々あったが、あり得ないことを言ったりしたりする彼女に私はずっと脱帽していたわけだ。

親になって年齢を重ねても、ずっと衰えることなく、攻撃的に突っ走る姿は、女性としても凄いと思う。
同じライフスタイルを変えずにここまでこれるのは、やはりそれまでに築きあげた地位と名声(=富$$$)のおかげなのかも、とも思っていたし(w)。彼女は、守られているのね〜。

いい人生(羨)。

しかも、若い女性シンガーがどんどん出てくる中、2012年のスーパーボウルのハーフタイムショーでは、「私はまだまだ健在よ!」と見せつけるような迫力で、アーチストとして彼女の意地を見たような気もした。

さすが、マドンナ
50代であのパワフルなステージとは、文句なしエンターテイナーの女王だなと思った。

そのマドンナが、今月初めに「Billboard’s 2016 Woman of the Year award」を受賞した。

久しぶりに見たマドンナはさすがに老けた感じがしたが、相変わらず迫力は満点だった。

しかし、私が驚いたのは、彼女の授賞スピーチの内容。

「今、皆さんの前にドアマットとして… あ、じゃなくて、女性エンターテイナーとして立っています」

と自分を玄関前で人から踏まれて靴の泥を拭き取る役割でしかないドアマットにたとえて話を始めたのだから、もうびっくり。
 

 
見よ!この堂々たる仁王立ちを!

ヒラリー・クリントンのトレードマークでもあったパンツスーツに身を包み、ヒラリーが次期大統領として勝利しなかった今だからこそ、女性としてもっと自分の気持ちを率直に表現することが重要だと思っている、と後のインタビューでも語っていたらしい。

ステージでは、マイクロフォンの高さを低めに調節する際に「股間に堅いものを感じるのが好きだし」という冗談も忘れてないのが彼女らしいところだが、そんなセクシーさをこのグッチのパンツスーツの出で立ちでは全然感じさせないというか、フィーメルアーチストということなのに、全然「フィーメル」って感じじゃなかったな(w)。

スピーチの内容を要約すると、あのマドンナ様も、この女性軽視される男性社会で、年齢的偏見やジェンダーロールに対する批判にもずっと苦しんできたということ。それでも屈しないで、戦い続けなくてはいけない、ということ、だった。

いやあ、そうなんだー。
うん、うん。
わかる。そういうの。

と共感しつつ、ファンである私でも、マドンナを語る時には、やっぱりついつい年齢を口にしてしまう(苦)。
味方のようで敵みたい。

58歳なのに。
あの歳で。
歳のわりには。
母親なのに。
子どもがいるのに。

などなど。

どんなに歳を重ねても、若さ溢れるボーイフレンドができるんだし、メインテナンスにいろいろお金かけてやれるんだからいいなー、程度に思っていたが、彼女にもそういう周囲からの冷たい批判や差別に耐えてきたということだ。

しかも、彼女の場合、そういう批判は、全世界からやってくるわけで、それってすご〜っ!
私だったら、絶対に触れられたくない部分とかが表に出て引退しちゃった日本の俳優みたいにとっとと引っ込んじゃうかも(苦)。

さて、本題だが、私はずっと、自分の人生において、差別や偏見など、自分ではどうすることもできない部分で苦しむことは全くなかったのだが、ここ数年、女性であるが故に悔しい思いをしたり、年齢的に悲しい思いを不必要に経験させられることがあったりして、今回のマドンナの授賞スピーチは、かなりな説得力があった。

マドンナ「女性シンガーは、歳を取ると、ラジオでも曲をかけてもらえなくなる」というようなことを言っていたが、私の場合、踊りに行っても今までのように「(ダンスの)お誘い」が来なくなる、というのが目下の悩み(←そういうレベル?はい。でも、笑い事ではなくて)。

日本では「年齢を受け入れて上手に加齢する」のが賢い女性の生き方みたいに言われているが、そんなものは、文章上の表現でしかなく、修辞法の一つでしか過ぎないと思う。

実際に、マドンナの場合は職業危機にさらされているわけで、私は下手なりにも一生踊り続けたいと思っているのだから、ある意味人生そのものの危機なわけ(←だから、冗談じゃなくて)。

そして、そんな時に「子どもを産む産まない」で女性としての価値を判断されたら、一体、私たち女性にはどう生きろというの?(←正直、今更そういうことが問題になるとはねっ!)

更にそれが原因で、社会や男性からの拒絶感や除外感をしいたげられた際には、その後の私たちはどのように立ち直ればいいのだろう?(←思いっきり泣いた後は、ざけんじゃねー、と開き直るしかない)

噂には聞いていた世の中の仕組みは、そういうことだったのか?と身にしみる。

特にここ最近は、今までは気が付かなかった「男性という鎧」を脱いでいるので、ことさら風当たりは強い(←今までは男性に守られてきたんだなと気が付く次第。なんとも皮肉なこと)。

改めて、このつかみどころのない嫌な社会の雰囲気を痛感している今日この頃だ。

女性として生きて行くって、ほんと大変。

年齢が高くなればなるほど、女性が女性らしく生きようとすると、いろいろと批判が起こるのは、アメリカでも同じなんだ、ということをここ数年で学んだ私が感じていた個人的な思いが、社会現象となっている。

女性初の大統領が誕生するのにはまだまだ時間がかかることになり、ましてや、男性優位の社会のどこが悪い、という「上から目線」を肯定する風潮に、女性の声がより集まって大きな社会への抵抗として新たに前に出て行く準備をしているような感じがする。

「今までいろいろ言われてきたけど、一番の賛否両論は、私がずっとここにいるってことね」マドンナは言った。

多くの友人やミュージシャンが消えていく中、しかも、女性も58歳にもなったら、家で子どもや夫(または孫や要介護の親たちと)とおとなしくしているのがいいとされる社会の中で、彼女はずっと「マテリアルガール」だったあの頃からの「マドンナ」を現役で見事に演じきっているのだ。

彼女は社会から批判されればされるほど強くなってきた、とスピーチの中で言っていた(=ビッチになるはずよね、苦)。

そして、私たち他の女性たちへも、社会の圧力や疎外感にこれからも負けることなく、どんどん強くなるようにとメッセージを伝えている。

よーし、私も負けないで、頑張るぞーっ(Welcome to the B Club.)。

矛先が定まらない悔しさに、なんだか体の奥底からぐらぐらと燃えるような胸騒ぎがする。

きっとマドンナが伝えたかったのもそんな気持ちなんじゃないかなと思う。

性差別主義者でセックスの対象としか女性を捕らえていない女嫌い(mysogynist)であると言われるドナルド・トランプが大統領に就任することになったこのアメリカ社会では、女性は再び男性の影に追いやられてしまうのではないかという危機感が漂っている。

来月の1月21日の新大統領就任式が予定されているワシントンDCでは10時から「Women’s March on Washington」が予定されているらしい。

私たち、女性たちの戦いは、これからも続く。


(おまけ動画)

 
数日前に放送されたマドンナのカープールカラオケ。
これを見た英国のトーク番組の司会者は、バケツに嘔吐する真似をしてまたこれが批判の対象となったらしい。

「58歳の女性がすることじゃない。年齢らしく振る舞え」というのが司会者の意見。これに対して「年齢差別」だとか「(司会者は)あまりにも酷すぎる」などと視聴者からの批判が相次いだそうだ。

確かにお尻フリフリする場面など、あまりの過激さに、マドンナは、ヤケクソになってしまう何か悩みごとでもあるのかな?と心配になる。年齢とか性別とかそういう問題じゃなくてやはり節度は保ちましょうね、ということだと思うのだけれど。

(余談その1:)マドンナのお尻、最近凄くない?!本人もここ数年ではお尻を見せびらかす傾向にあり、宿敵のJLOに対抗するために、なんか入れたのかな?と思えるほど。アメリカの男性は胸よりもお尻にこだわる人が多く、私の知り合いレベルでも「Butt Implants」したという人、いるんだけど。

(余談その2:)ユーチューブの統計によると、今年もっとも観覧が多かった動画は、このカープール番組でアデルが登場した時のものらしい。しかも、2位には、PPAPのピコ太郎「ペンパイナップルアッポーペン」だというのだから、ピコ太郎の凄さがわかる。

さて、マドンナのこのカープールカラオケはどこまでの順位に上がるのか?
ファンとしては、その辺が気になるところ。

Featured photo from : http://www.harpersbazaar.com/celebrity/latest/news/a19344/madonna-billboard-woman-of-the-year-acceptance-speech/

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