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No.95 リオ夏季パラリンピックの日本代表選手、三浦浩選手がNY到来!

On: セレブの小部屋

友人のピーターさん、こと三浦浩さんからメールがきた。

「リオパラリンピックに出場することになり、NYで1泊するのですが、パワーリフティングの練習ができるジムを調べてもらえますか?」

ピーターさんは、歌手長渕剛さんのコンサートで、長くスタッフを務めた経歴の持ち主。
私のダンナは長渕剛さんの親友で、10年以上も長渕さんと仕事をしてきた関係で、ピーターさんと知り合った。車椅子だが日頃からトレーニングして筋肉を鍛えている凄い人がいると、私はダンナからいつも噂を聞いていた。

ブラジルのリオデジャネイロで、2016年9月7日~9月18日に開催の第15回夏季パラリンピック。
オリンピックと同じ年に同じ場所で開催される世界最高峰の障害者スポーツ大会だ。


リオデジャネイロ パラリンピック開会式で入場行進する日本選手団

そのリオデジャネイロ パラリンピックに、ピーターさんが、パワーリフティングの日本代表として出場するなんて! 
フラットベンチに仰向けに寝て、バーベルを持ち上げる競技「ベンチプレス」が練習できるジムをブルックリンに見つけて手配した。

ピーターさんは、パワーリフティングの男子出場9選手の中で最年長という51歳。
東京からNYまでの飛行機14時間は、健全な若者だって体調的にかなり大変な旅なのに、ピーターさんは時差もあって睡眠不足状態でありながら、ニューヨーク到着日に、早速ジムでトレーニングに励んだのだ。

ブルックリンのジムで、待ち受けていた私は、清々しい笑顔で現れたピーターさんに驚いた。
本当にさっき飛行機に乗ってきたばかりか、と目を疑った。

そして、この慣れないNYのジムでみっちりと何時間か重い重量を挙げた後、その翌日、リオへと旅発つ日にも、彼は飛行機に乗る前にまた、このジムに戻ってきてトレーニングを積んだのだ。

いったい、この人のガッツとエネルギーは、どこからくるのだろう?


リオパラリンピックで競技する三浦浩選手

そして、リオデジャネイロ パラリンピックで、パワーリフティングの男子49キロ級の三浦浩選手は、126キロを挙げて、見事、5位の入賞!

「リオでの経験は、緊張感と言うか実感がもやっとしたパラリンピックだった」

と、ピーターさん。

「日本代表に選ばれて2週間後には試合が終わっていて、気がつけば5位だった」

それは、まさに日頃からのピーターさんの努力の積み重ねが実になった、ということだろう。重力を持ちあげられる体、というだけでない。それを持ちあげているのは、そんな彼の精神力なのだと思う。

「試合も第三試技で重力のつけ間違いで、ステージ上で異例のTV出演をしました。
全てがミラクルだった感じで、今もまだ実感が沸かないんです」

と、彼。

(この競技中のハプニングは、この画像でチェック。)

ロシア選手団がドーピング問題で排除されて、直前の8月末に急遽、パラリンピックへの繰り上げ出場が決定。いきなり出場することになっても、競技中にハプニングがあっても、彼は堂々と余裕で受けとめてしまう。

それも、笑顔で! そんな彼の笑顔こそ、彼の強さを物語るものなのかもしれない。

日本からリオまでの道中で、乗り継ぎ地となったニューヨーク。その到着日には、パワーリフティング男子88㎏級の日本代表選手である大堂秀樹さんも、ピーターさんと共にブルックリンのジムにいらした。


米国NYブルックリンのジムでトレーニングする三浦浩選手と大堂秀樹選手

彼らと別れる際に、大堂秀樹さんと握手した時の驚きは忘れられない。
私は今までいろんな人たちと握手してきたが、大堂さんほど分厚く気持ちいい手の感触は、今まで体験したことのないことだった。

ああ、そうか。
この手は、それは重くのものを、持ちあげてきたんだ。

大堂さんは自己ベストの196キロを挙げられらなかったものの、まったく違う環境であるリオで、8位の入賞となったことは素晴らしい。
私はこの二人から多くのインスピレーションを受けた。

大堂さんピーターさんは、前回の2012年ロンドンパラリンピックにも出場している。

ピーターさんは、今回リオに出場が決定した際、長渕剛さんに報告したという。

「長渕さんには、2回連続出場かぁ、すげーなー、と言われました。
はじめて、すげーと言われたのが印象的でした」

と、ピーターさん。

長渕剛さんは、音楽や芸術の才能だけでなく、人間性の面でも本当にすごい素晴らしい人なのだが、その彼に「すげー」と言われるほど嬉しいことはないだろうと、私は想像がつく。

ピーターさん、入賞、おめでとう!
これは、本当に凄いこと。

Copyright: Yuka Azuma/あずまゆか 2016