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長男大学受験開始:始めるのが遅かったけど、諦めるのにはまだ早い、という話

On: ヒトコの小径

長男は、この秋に高校4年生(シニア)になった。
大きくなったねぇ、と感慨にふけっている場合ではない。

いきなり、コトはどんどん進み、学校からなんだかいろいろな「重要」なお知らせが届くようになった。
(最初の頃は、そのお知らせさえも、ミスっていたのだが)

つまり、大学受験が差し迫ってきた、ということ。

先輩ママ友パパ友から、いろいろ受験のアドバイスは聞いていたが、実際に始めてみると、いやあ、これが本当に面倒くさい

マジで?っていうぐらい。

何が面倒くさいって、つまり、そのやり方は人によってもいろいろだし、兎に角いろいろな手立てがある、ということ。

アメリカの大学は、入るのは簡単なんじゃなかったの?

少なくとも私の時は、難しいなんて思ったことなかったけどなー(第一志望だったクーパーユニオンは張り切ってオープンハウス時に重たいポートフォリオバッグを持って行ったのだが、流石に圧倒された。しかし見てくれた人には「あなたには大学は必要なし」と言われ、モチベイションがどーっと下がってやめたのだった。今から 思えば、諦めたってことになるけど)。

しかも、学費にしても、当時は日本(東京)の大学の方が高いからアメリカへ留学した方がいいってことで、来ている地方出身者の学生も多かった。
それが今や、アメリカの学費は、恐ろしいほどに高騰している(私が卒業したSVAというアートスクールも学費は倍以上になっているらしい)。

すごっ。
時代は変わったな、と思う。

変わらない大変さと言ったら、アメリカでは、やりたいことは全て自分で探し、しかも、そのためにはどうしたらいいかは、また自分で決めるどこまでやるかも自分で決める。というところだろうか。

はっきりとやりたいことがわかっている子どもたちにとっては、こんな楽しいことはないのだろと思うけど、それがわかってない子どもたちには、何をどうしたらいいのかもわからない状態。

そういう子どもに任せていたら、絶対にミスるものがあるから、親がしっかりと導いてあげないとダメ、と言うこともよく聞く。

だいたいこの締め切りの多さには驚くばかり。
まるで仕事のプロジェクトを何個も抱えている様な感じ

いざ手続きなど始めると、相当すごい量の情報をまとめてこなしたりしなくてはいけないので、これを子どもが一人でやったという親御さんもいるのだが、それが本当なら、かなーりすごいと思う。

聞くところによると、エッセイ含め全ての大学入学手続きやを引き受けるプロフェッショナルな業者などもあるそうだ。私の周りでは、兄姉でエッセイは分担し、実際の願書はお父さんが書く、というのが一番多いパターンだったりする。

さらには、SATなどのテストも誰かに頼んでやってもらう、という悪徳なことを試みる人もいるようだ(そういうことを防止するために、テスト当日は、身分証明書をしっかりと持って受けないといけないのだが、うちの子どもたちは、パスポート記載の名前と学校で使用している名前が合わない、ということで、やや面倒なことにもなった)。

長男の場合、エッセイは本人にしか書けないし、お父さんには絶対に頼みたくないと言ってるし、願書も自分でやってもらわないと、私には時間がない(と言っている)。

それでも親的に気になるのはやはり学費のことなので、その部分は、しっかりと協力しようと思っているのだけれど、兎に角一度リサーチなどを始めると、スパム含めてすごい量の情報に焦る。

昨年当たりから、大学入学を控える子どもを持つ親のための、財テクセミナーなどなど、受けたりもしていたが、それもかなり目が回りそう。

その戦略やら税金対策やらいろいろ聞いていたら、ほんと、抜け道ってたくさんあるんだー、とそういう部分に驚くわけで、だったら真面目に普通に払った方がよっぽど楽で簡単かも、と思えてきたりした(ここで「Wacky Races」を思い出すんだけど、真面目に取り組んでいたら優勝できるかもしれないのに、余計なことを企むから大変なことになって失敗するといういい例)。

企業の偉い人の話だと

「そりゃあね、そういうのは、自分でやろうと思うから大変なんです。うちの会社はそういうのも全部弁護士がいてやってくれるんで、私は全部まかせっきり。全然楽勝ですよ~」

などと余裕で言っている人もいる。

もともと、アメリカの大学は、提示されている学費は、ニューヨークなどの美術館同様「suggested」であるわけでみんなが一律に同じ金額を払うわけではないとは知っていた。

アメリカのいいところは、経済的な理由で、やりたいことができない、と言うことは絶対にない、というところ。

が、それだけに、奨学金やファイナンシャルエイドなどは、しっかりと自分にあったものを調べて見つけてください、となるわけだ。
誰からも、こうしたらどうですか?などとは言ってもらえないし、知らなかった、という言い訳も通用しない。

「知らなかった=充分なリサーチをしなかった=それだけの気持ち=やる気なし」と言う公式は、どうやらもう高校生ぐらいのレベルになるとしっかりと当てはまるのだから。

長男の場合は、ついこの間までは、スケートボードのプロになる、と言っていたのが、やっぱりファッション業界へ興味を移し(なんと、ファッションデザイナーになりたいと言っていた)、現在では、世界的青年実業家(International Business Entrepreneur)を目差したいのだそうだ。

それって、決定なんでしょうか?

早く決めて欲しいな、と思いつつ、私自身が17歳ぐらいの時だって、かなーり不安定だったし、丁度、音楽大学受験を諦めた時期だったのではないかなと思う。

親にいろいろ言われた記憶はないが、多分当時ワンレッスン1万円で某音楽大学のピアノ科の教授だった先生に長年師事していたのに(他にもソルフェージュの訓練も受けていた)、高3の夏にいきなりやめる、と一方的に言い放ったわけで、きっとそれまでサポートしてくれていた親にとっては、かなり頭にくる決断だったのではないかと思う。

自分に都合が悪いことはかなり忘れているということもあるが、そんなに重大なことだとも当時は思っていなかった(お父さん、お母さん、ごめんなさい!)。

子どもというものは、自分(親)がしたことを繰り返す

という恩師の言葉がぐさっと胸に突き刺さったりしているわけだ(w)。

あぁ。

優秀な子どもを持つ親御さんと話をしていると、すごい。
高校生になったと思ったら、全米の大学から既に「リクルーティングレター」などが来たりするらしい。

特にスポーツをやっている子どもたちへの大学側の関心は凄いもの。
そういう場合は、こちらが心配することなく、相手側からどんどんお誘いの手紙が来る、ということだ。

うちのエリアでは、大学バスケットボールが盛んだけに、子どもの通う高校でも、バスケットボールの優秀選手などは、既にいろいろお誘いがかかっているらしく、そういう話は、生徒たちの間でも、それはそれは盛り上がって話題になっている。

直接私が知っているところでは、隣町のプライヴェートスクールに通うビジネスフレンドのお子さんの話だが、この夏、USダイヴィングチーム一員として、リオデジャネイロオリンピックへ出場したらしく、昨年の高校ジュニアの頃から、全米各有名大学からのやり手リクルーターがコンタクトを取ってきて訪ねて来たりしているようだ。勿論、学費や生活費含めるフルスカラシップの引く手あまたらしい。

いいなあ~、そういうの。

既に東京オリンピックへの出場権もほぼ決定らしく

「東京、行くわよ~!」

と嬉しそうに話していた。

で、最近知ったことだと、行きたい大学から「リクルーティング」してもらいたかったら、早い時期から自分でもアプローチできる、ということ。

長男の場合はもう遅いが、いろいろな教育用のサイトがあって、そこに自分のプロフィールやゴールやエッセイ、テストのスコアなどを入れておき、業績などを「公開」しておけば、大学側が見つけてくれる、というもの。

個人情報をネットで流すななどと、殻に閉じこもっている場合じゃない。

そうかと思うと、つい数年前までは、夏休みに追試テストや補習クラスを受けていたお友達のパパが

「うちは、デューク大学を受けるよ」

といきなり誇らしげに言った時には驚いたけど(注:デューク大学は、全米でトップ10に入るぐらいの大学)。いつからそんな成績優秀な子どもへと変化したのか?と思うけど、これはどうやら、親のコネクションの力であるらしい。

「ワイフがデューク卒業で、仕事もそこだし、僕の親も二人とも卒業してるんだ〜(🎶)」

とニコニコ嬉しそう。

アメリカでも、裏道というのはやっぱりあったのか。
アメリカ人の面白いところは、そういうことでも、バンバン人に言っちゃうところ(w)。

恥ずかしげもなく、

「まあ、彼の実力じゃ絶対に無理だけど、100%決まったわけじゃないけど、なんとかなるかもしれないし」

ということだ。

何だかやられたなー、と思う今日この頃だ。

長男は決して成績は悪くないのだが、大雑把なようで意外にも細かい作業が大好きなアメリカ人がよくやる「プランナー」を使ってこつこつ計画してするタイプではないので、今になって、目からウロコ状態が続いている。

昨年も、SATのプレップコースをそろそろ取りたいかも?と思って学校へ連絡したら、既にもうそのようなコースは終わっていたし(涙)、ボランティアなどをしなくてはいけないということも、昨年、長男に初めてガールフレンドが出来た時に彼女にいろいろ教えてもらって知った次第だ(その彼女とは比較的あっさりと別れてしまったのだけれど、このことがわかっただけでも大きな収穫だった、笑。彼女の影響で、その後は結構頑張っている)。

しかし、ボランティアにしてもしっかりと計画してやっていたら、州や自治体から表彰されるプログラムがあったことももっと早い時期にわかっただろうし、かなり出遅れていた私たち。

が、これについても諦めずにダメ元で自治体に電話して聞いてみると、まだまだ受け付けているので急いで書類を送るように言われ、なんとか表彰されるところまでこぎつけた次第だ。こういうのもある意味アメリカ的。

アメリカの受験は、とにかく高校の4年間の積み重ねで決まるらしい。ということを、今頃になってやっと気がついた。

長男〜、どうする?!

日本人のシングルマザーの友人で、アメリカ人の元旦那とはもう二度と関わりたくないと言っていた人でさえも、聞いてみると様々な書類など、全部やってもらった、などと言っている人も多い。

「だってさー、私にはわからないもん。少なくとも彼は、こういう時は、私よりも役に立つし、それなりに立派な文章にしてくれるよ」

と言うこと。
みんな生き抜く技を持っているというか、しっかりとしているな。

願書の締切が来月に迫る大学もあるので、それにまつわる奨学金の推薦を学校から出してもらえるかどうかの書類を出して、エッセイを書く。そして、カレッジツアーやオープンハウスなども予定し、再び受けるACTテストの勉強もするわけだ。

シニアになったら、学校の勉強なんてしていられない、と言われたが、本当にその通り(逆に言うと、これさえ乗り越えたら、遊び放題?後半はプロムなどもあるし、それはそれは楽しそう!)。

同じことを経験した父兄からは、

「もう少しの辛抱だから、頑張って乗り切って〜!」

とか

「I feel your pain!」

などと、言われて励まされている。

相手が大人ならこちらもやりやすいが、なんと言ってもまだまだ危なっかしい17歳。そういう未完成な人間を相手に、着実にこの過酷なスケジュールをこなしていくのは、それはそれは大変だ。

取り敢えず、長男がエッセイなどを書いている間、私は、地元のクレジットユニオンにしらじらしく加入しておいた(奨学金の対象となるように)。

でもって、ステープルズで最近やっていたケイティー・ペリーに会えるかもしれない&$50K奨学金がもらえるキャンペーンにも3回応募した。

貰える奨学金に制限はないらしいので、条件さえクリアしていたら、複数の申し込みが可能で、私の知り合いなどには「学費+生活費以上の奨学金がもらえたので、車を買った」と言うラッキーな人もいる。

みんな、うまくやってるんだな。

奨学金の申し込みって、宝くじを買うのと同じレベルかも。

ステープルズの奨学金に申し込みをした時は、ケイティー・ペリーにも会えるかもしれないのかあ、と想像したら、とっても楽しくなった(w)。

まだまだ私たちの場合は、夢を見ているレベルなのかも。

夢から覚めたくないなと思いつつ、どんなに嫌でも数ヶ月後にはある程度のことは決まっているというのが現実だ(怖)。

さて、どうなるのかな?

なるべく大きく羽ばたけるチャンスが得られるといいなとは思うけれど、どういう方向へ行っても、常に諦めずチャレンジ精神旺盛に、何事にもベストを尽くして頑張れる人であり続けて欲しいと思う。

多分、今の私は親として、そういうことを子どもに教えているのだと思う。

自分の現実を知り、諦めないで自分としっかり向き合い、そしてベストを尽くす。
そのように取り組んだことがどういう結果であれ、いい経験となり人生の糧になるはずだから。

まだまだ頼りない部分もあるが、一生懸命独り立ちしようとしている長男。
どういう人生になるのだろう?

親として、やや無責任な言い方ではあるが、ある意味、とっても興味深い。

アメリカ大学受験のまとめ(というか、途中経過としての個人的感想):

高校の4年間は、将来進むべき方向や好きなことを見つける時間であると自覚する。何事にも積極的に参加するように心がける(親も含めて)。

たとえ何かで失敗したとしても、それで学び成長すればいいわけで、怖がらずに経験を積むことが大切(親の役目はそのことを子どもにリマインドしサポートすること)。

1)早い時期から目的意識を持って計画する(そのような目的で登録して使える教育サイトがたくさんある。経済面において自立させたい場合は、銀行がやっている高校生用のプログラムを利用するのもよい。ブローシャーや結構分厚いプランナーなどの小冊子は親が持っているアカウントのタイプにもよるが、多分無料でもらえる)。

2)ボランティアの時間は中学を卒業した夏休みから認められるので、学年が上がり勉強が忙しくなる前にやっておくとよい(どうせやるなら、リーダーシッププログラムなどから選ぶと表彰される機会があるので有利になる。子どもが興味のあるチャリティー団体を選んでイヴェントなどに参加するのもよい)。

3)学校の成績は、高校3年生が一番大切(それまでにできるだけあげておく)。

4)高校生活でした課外活動などは、書きとめて忘れないようにしておく。

5)高校前の活動などでも、子どもにとって大切なことであれば、リストアップしておく。

6)願書(Common App)は、3年生が終わった夏休み中からはじめることができるので、夏休み中にできるだけ記入しておく。

7)パーソナルエッセイも、3年生が終わった夏休み中にドラフトぐらいは書いておく。

8)大学ツアーは、早い時期で行きたい学校が既に候補である場合は、ぎりぎりまで待たずに済ませておいてもよい。

9)高校生活において、停学など好ましくないことがあったとしても、決して卑下せず、それをむしろ自分が成長した理由の一つだと考えてポジティブに対応する(そのようなことをリポートする部分があるが、そのエッセイの中では、自分の非は潔く認め、言い訳せず、被害者意識も出さず、そしてそこからどのように学び今の自分に辿り着いたかを書く)。

10)学校の先生などに頼む推薦状などは、3年生の終わりごろから頼んでおく。

11)締め切りには兎に角早めに取り組む。

12)学力にあった希望校があるのであれば、学費が高いことで諦めなくてよい(アメリカでは、学力が一致すれば奨学金などの援助がでる場合が多く、学費も家庭の収入によって様々であることを忘れずに)。

13)ただし、名門私立校などは、学費が高いと言われているだけに、生活レベルが高い家庭の生徒が集まる傾向にある。よって、生徒によっては、入学してから他の生徒たちの社交的ライフスタイルについて行けずに孤立してしまうこともあるので考慮に入れる。

14)全ては、プレゼンテイション力がものを言う。
課外活動などの項目でも、花形スポーツや楽器が演奏できなくとも、他の部分でどのように自分をアピールできるか、充分に検討する(例えば… 長男の場合は、「Family Responsibilities」の一つとして、皿洗い暦10年という実績を入れることにした。親から見て、これは立派に成し遂げていると思うし、ここ数年では文句も言わずにきちんとやってくれているという事実に、彼の成長を感じるわけでそれなりの評価を得るに値すると思う(笑)。

15)ベストを尽くした後は結果に執着しない。
結局大学なんて、人生においては小さい決断でありそれで一生が決まるわけではない(特にアンダーグラデュエイトの場合)。しかもアメリカの場合は、入学した大学よりも、どこを卒業したかが大切になる。希望校に入れなかった場合は、成績さえ保っていれば、一年後などトランスファーは比較的楽にできるし、一般的に行われる。
または、事情があって、勉学を中断しなくてはいけない状況になったとしても、大人になってからのやり直しもできる。教育に年齢は関係ない、と言うことも、頭に入れておく。やりたいという強い意志があれば、アメリカでは絶対に道は開かれている、ということを子どもに教えて上げて欲しい。

上山仁子のHP:http://www.hitoko.com/

上山仁子のブログ:http://ameblo.jp/nymommy/

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